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二次創作 東方project 神隠しに遭った青年  作者: 零月
第一章 神隠しに遭った青年編
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幻想郷案内されました4

「いやぁ~!いいの撮らしてもらいましたよ~」

少女はそう言いながらこっちに向かって来た。

「あぁ、アンタか」

霊夢が少女に呆れたように言う。

「霊夢、知り合いか?」

「人間じゃないですか!こんなところで会うなんて・・・しかも霊夢さんと魔理沙さんと知り合いと見える」

霊夢に聞いたつもりだったのだが答えたのは少女の方だった。

「どうも、文々。新聞(ぶんぶんまるしんぶん)を発行してます。射命丸(しゃめいまる) (あや)です。以後お見知り置きを」

「岳、団子屋で言ってたろ?こいつが天狗なんだぜ」

「天狗・・・」

俺は文の顔を見る。

「なっ、何ですか!?じっと見られると照れちゃいますよ」

「・・・鼻が長くない」

俺の言葉を聞いた文は「あぁ、そう言うことですか」と言うと

「私は天狗ですけど鴉天狗の方でして、おそらくそれは鼻高天狗の方だと思いますねぇ」

「あぁ、鴉天狗ね。聞いたことあるな」

「で、すみませんがお名前聞いてもよろしいですか?」

「あぁ、古郷 岳。よろしく」

「古郷さん・・・っと、う~ん・・・岳さんの方が言いやすいですね。それにしても人間にしては見たことない方ですねぇ」 「岳は神隠しでここに連れてこられたんだぜ」

魔理沙が文に説明した。

「あやや・・・それはお気の毒に・・・」

文はカメラを構え「もう一枚もらいますねぇ」とカメラを押すと「お邪魔しました~」と言って飛び立って行った。

「忙しそうな人だな」

「ブン屋だからね」

「ブン屋って新聞作ってんだな」

そういえば新聞を発行してますって言ってたなぁと思い出す俺。

「さて、うるさい奴はどっか行ったし、里を見て回ろうぜ」

魔理沙がそう言い霊夢も「そうね」と返すと歩き出した。

俺もはぐれないように付いて行った。


「それにしても・・・」

俺は周りを見ながら呟く。

「さっきから見られてるんだよな・・・周りから」

「そうね。やっぱり岳を連れて来たのは失敗だったかしら」

周りの視線、それは人間の里とは違った視線だった。

例えば餌を見るような・・・

「岳、もう少しこっち来なさい」

霊夢が後ろを歩いてる俺の服の左袖を掴むと霊夢の方へと引き込んだ。

「ちょっと、これじゃあ歩きづらいんだが・・・」

「我慢しなさい。私だってここまでしたくないんだから・・・」

「まぁ、万が一襲って来たら私たちがなんとかしてやるよ」

魔理沙が周りを見ながらニヤリと笑った。

その魔理沙の視線に気づいたのか妖怪たちが俺から視線を逸らしたのが見えた。

「なんだよ・・・張り合いのない連中だぜ」

「おい、魔理沙。こんなところで戦闘とかやめてくれよ」

だが、魔理沙のおかげで妖怪の視線がこっちに向けられなくなったのはありがたい。

向けていたのは殆どが完全に妖怪とわかる者たちだったがそれらの視線があの俺を襲った子供の妖怪に似た感じだったので震えていたのだ。

「岳?」

その震えは俺の左袖を引き込むように歩いていた霊夢にはわかったらしい。

霊夢は歩みを止めた。

「岳、もう神社に戻る?」

「いや、霊夢と魔理沙のおかげでだいぶ治まってきた。行こう」

「岳、無理はするなよ?」

「あぁ」

そのまま歩いていると霊夢と魔理沙の歩みが止まった。

「おっと」

止まると思っていなかったので躓きそうになった俺は前を見る。 そこには黒のリボンがついたカチューシャをした少女がいた。

その少女がただの少女じゃないのは見てわかった。

少女の周りを白い魂のようなものが飛んでいるのだ。

「珍しいじゃないか。白玉楼から出てるのなんてよ」

魔理沙が少女に説明する。

「珍しいというなら霊夢が人間を連れてここに来ることを言うと思うのですが。デートですか?」

「で、デートじゃないわよ!」

突如霊夢から強い力で押されて俺は少女の隣に倒れた。

「痛てて・・・」

俺は起き上がろうとして少女のあるものに目が止まった。

「で、質問の答えは?」

「買い物です。最近できた妖怪の里っていうくらいですから何か珍しい食品があるかと思ってきてみれば、あるのは人間の里でも売られているものが殆ど、しかも物価も高いものばかり。呆れて人間の里に行こうかと思ったところですよ」

倒れた俺をよそに会話は進んでいた。

「で、貴方たちは?」

「そこに倒れている岳の案内よ。魔理沙がしたいって言ったから私は付いて来てるだけ」

「人間の案内でなんでここに来るのですか。普通人間の里を案内するのが先なのでは?」

「案内したわよ。で、そのあと魔理沙もここに来てないからついでに案内しただけ」

「霊夢がそこまでするなんて余程事情があるんですね、この人間・・・何しているのです?」

少女が俺を見たとき、俺は少女が腰に下げている刀を見ていた。

「貴方です。何しているのですか」 途中まで俺に問いかけているのに気づかなかった俺はビクッとすると少女が持っている刀を指差す。

「いや、刀を見てただけ。ねぇ、それ見せてくれない?」

「なっ!?まさか盗みを働こうと思っているのではないでしょうね!」

刀を抜こうとした少女に霊夢と魔理沙が構えをとろうとしたが

「待ってくれ!ただ、刀が見たいだけだ!俺、刀とか好きだからさ!」

俺の声を聞いた少女が刀を収める。

少女が刀を収めたことで霊夢と魔理沙も構えをとく。

「驚かせないでよ・・・」

「ホントだぜ・・・」

霊夢と魔理沙がホッと息をしながら呟いた。

「で、いい?」

「・・・少しだけですよ?」

少女から長い刀を受け取ると鞘、柄と見て、ゆっくりと鞘から刀身を出して見ていく。

「ほぉ~。爺ちゃんが見たら喜びそうな出来だなぁ」

長い刀を少女に返す。

「なぁ、もう1本も見せてもらって良いか?」

「構いませんよ」 少女から短い刀を受け取るとそれも同じように見る。

「何してるんだぜ?」

「さぁ」

魔理沙と霊夢がその光景を見て話しているが俺には聞こえなかった。

それほど刀を見るのに集中していたのだ。

「・・・ありがとう」 刀を少女に返すと礼を言う。

「2本ともすごい刀だったよ。ただ、柄を見ると長刀の方が使い込まれた感じがすごかったね。そっちの方を普段は使ってる感じ?」

「え?あっ、はい。よくわかりましたね」

「まぁね。で、短刀の方はそれほど使われている感じがしなかったけど長刀と一緒に持っているってことはそれぞれの役割が違うとか宝物の刀なのかって思ったんだが、どうだろう?」

「す、すごいです!当たりです!この白楼剣(はくろうけん)は我が魂魄家の家宝なんです!」

少女は興奮したように話してくれた。

「貴方、刀について詳しいんですね!」

「まぁ、爺ちゃんが日本刀を作っていたからな。俺が小さい頃良く教えてもらったんだ。俺が剣道を始めたきっかけもたぶん、爺ちゃんが勧めたからかな」

よくよく考えたら爺ちゃんに剣道も教わってたなぁと思い出す。

爺ちゃん自身は剣道を知らなかったらしいが本などを見て勉強して、それを幼かった俺に教えてくれたと父さんが言ってたなぁ。

「そうなんですか!私も剣術は祖父に教わりました。なんだか似てますね!」

「ん?そうだな」

「あの、私、魂魄(こんぱく) 妖夢(ようむ)です!もしよろしければ今度ウチにいらしてください!」

「あぁ、わかった。俺は古郷 岳。よろしく、妖夢」

「はい、よろしくお願いします岳さん。それでは買い物を済ませなければいけませんのでここで」

「おう、またな」

妖夢に手を振る俺。

「私たち完全に除け者だったな」

「そうね」

その俺のそばで魔理沙と霊夢が話していた。

「・・・あっ」

俺は思い出したように言う。

「妖夢がいるところ聞いてなかったわ」


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