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二次創作 東方project 神隠しに遭った青年  作者: 零月
第一章 神隠しに遭った青年編
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プロローグ

パンッ!!

外がセミの鳴き声でうるさく、ジメジメとした気温の夏の季節、ある武道場で音が響いた。

「一本!」

勝負を観ていた審査員が声を出す。

その場所では剣道の試合が行われており、今その決勝戦が終わった。


「それでは表彰式を行います。個人戦、第3位・・・」

呼ばれた者が表彰状をもらい、準優勝の者が、そして表彰状を渡す代表が俺の前へと来た。

「優勝、古郷(こぎょう) (がく)おめでとう」

代表から頂いた表彰状をもらい礼をする。

剣道の関東大会、その大会で俺は優勝を飾った。

俺は古郷(こぎょう) (がく)。19歳の大学2年生である。

幼い頃からめり込んできた剣道で全国でも1位、2位を争う程の実力者だ。


「いやぁ~、流石だなぁ。優勝おめでとう」

表彰式が終わり、道具を整理していると剣道部の顧問、石沢(いしざわ)が声をかけてきた。

「まだまだ、今回の大会なんてただの前哨戦ですよ」

俺がそう言うと近くにいた同級生の友達、村岡(むらおか) (まこと)に頭を叩かれた。

「何言ってんだ!今回の大会は全国に行けるかの重要な大会だってんのに・・・かぁ~!流石岳!実力者は言うことが違いますねぇ~」

ちなみにこの真もベスト8まで勝ち残ったため全国大会には出場できる。

「仕方ないだろ。俺が目指してんのは全国大会優勝!あいつを倒してな」

「あいつって広島にいる大王路(だいおうじ) (りゅう)か?彼もかなり強いからなぁ。確か彼も中国大会個人戦優勝で全国の切符を手に入れているな」

「当たり前ですよ。あいつが中国大会で敗戦するなんてありえませんしね」

大王路(だいおうじ) (りゅう)(20) 大学2年生で俺と同級生に当たる。

初めてあいつと会ったのは高校1年の全国大会だった。

当時から優勝候補だと騒がれていた俺は準々決勝で流と勝負して負け、ベスト8と無惨な結果で終わった。

その頃から負けず嫌いだった俺は次の年で流に勝ち優勝をしたが流も俺と同じ負けず嫌いだったのか、勝負は均衡し、2勝2敗とお互いをライバルとして認識するようになった。


荷物を整理し終え、バスへと乗った俺はスマホを開く。

すると、LINEに新着メッセージが1件。

流『大会優勝したらしいな。次は全国で会おう!』

「ったく・・・、情報が早いっての・・・」

その流だが、今ではライバルだけではなく、LINE交換する程の関係にある。

まぁ、流とLINEするときは大抵剣道の話題なのだが。

とりあえず『ありがとさん、お前も勝ったんだろ?全国で会おうな』と返信すると隣に座っていた真とバスが大学に着くまで雑談をした。


夏の関東大会が終わって数日後、俺を含む剣道部員数名が大学に集まっていた。

集合場所に集合時間の5分前に道具を持って着き、真と話をしていると顧問の石沢がやってきた。

「今日は待ちに待った全国大会に向けての強化合宿を行う!場所は○○県の○○山の近くの体育施設だ」

「どこですかそこ」

「聞いたことないとこだな」

先輩たちが石沢に聞く。

「そこではかなりの運動設備が行き届いてな、おまけに山道だ。体力トレーニングには最適だろう?」

「えぇ~!」

「まじですかぁ~!」

剣道部員の不満を聞きながら石沢は用意してあったバスに乗る。

「ほれ、早く荷物を下の荷台に置いて乗れ。そこには結構かかるんだからな」

俺たちは渋々荷物を荷台に載せるとバスに乗った。

石沢が言っていた場所までは確かに時間が掛かった。

バスに乗り、途中のサービスエリアで昼食をとってから2時間もバスに乗っているがまだ着く様子がない。

「なぁ、岳」

早く着かないかな・・・と思って窓から景色を見ている俺に真が話しかけてきた。

「どうした?」

「なんでバスに乗ってるの俺や岳、そして先輩達と後輩のヨシキしか乗ってないんだろうな」

真の言う通り、今バスに乗っている剣道部員は俺と真、そして先輩達5人と後輩のヨシキ計8人しか乗っていなかった。

「あぁ、それな。俺も気になったから部長に聞いたんだけど、俺ら全国で団体戦もやるだろ?だから個人戦と団体戦に出場する選手と団体戦の補欠も含めてやるんだと」

「へぇ~。ってか、それじゃあその間他の部員は休みってことか?」

「さぁ。休みなのかもしれないし、別の顧問がついて練習してるのかもな」

「あ~ね」


そのあと、俺はまた窓から見える景色を見ていた。

高速道路から見える景色などたかが知れてるが真もその後眠ってしまい、やることがないので景色をボォ~と眺めていた。

景色を見ているうちに俺も寝てしまっていたらしい。気づいたら高速道路を降りて街中をバスが走っていた。

スマホを開き時間を見るともう16時になろうとしていた。

まだ着かないのか・・・

そう思っていた俺だったが、また睡魔が襲ってきたのだろう、目を瞑り寝てしまった。

結局バスが目的地に着いたのは18時を過ぎていた。

俺たちはバスを降りて剣道の道具をバスの運転手から受け取る。

石沢の言う通り、その施設はかなり大きかった。

俺たちは施設の中を見学した。

施設は大きいだけでなく、トレーニングルームや剣道や空手、柔道用の道場、バスケやバレー用の体育館、外には野球場やサッカー場、テニスコートもあった。

「すごいなぁ!」

思わず声に出す真に俺も「そうだな」と返す。

施設内をあらかた見学した俺たちは部屋に案内されそこに荷物を置くと一度集合してくれと石沢に言われ集まった。


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