表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
内気少女の怪奇な日常 ~世与町青春物語~  作者: 彩葉
最終章、異世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/221

あとがき

「内気少女の怪奇な日常 ~世与町青春物語~ 」をお読み頂き、誠にありがとうございます。


 また、ブクマや評価、感想やメッセージなどもとても励みになりました。

本作品に関わった全ての方に感謝の思いで一杯です。

ありがとうございます。


 思いの外長いお話となりましたが、少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。




 さて、この「あとがき」では、裏話的なものについてサラッと述べさせて頂きます。


 前半では世界観と各章について、後半は主要登場人物について触れます。


 ネタバレしかありませんので本編全部読んで下さった方向けです。


※イメージが崩れるのが嫌な方。

※蛇足が嫌いな方。

※自己判断で退避をお願い致します。



 因みに作者自身は、幽霊や死後の世界はどちらかというと否定派寄りの懐疑派です。


 なので作中に出てくる思想や宗教的な価値観等はあくまで創作としてお考え下さい。




<世与町について>


 旧世与町に居ると何故視えるのかは誰にも分かりません。

作中にもありましたが、ただ()()()()()()なのです。


 世与にいると怪異と遭遇しやすいのは、単に互いを「認識」しやすいからです。

怪異は一度目があったり気に入られたりしたら粘着質なヤンキーの如く絡んできます。


 なので、視えない人にとっては普通の町だし、逆に憑かれやすい人にとっては世与に居ようが居まいが関係ありません。

そんな世界です。




<各章について>


一章、落ちる男


 いかにハルを根暗に描けるか、いかに竜太を謎多き頼れる少年に描けるかばかりを考えていました。



二章、トモダチ


 北本初登場。

テーマは「友情とは何か」


 友人の居ないハルに今後降りかかるであろう課題。

早々にぶち当たって貰いました。



三章、こっくりさん


 テーマは「自分で考えて動く事」


 考えなしで動いた結果、痛い目にあった桜木。

一方ハルは巻き込まれた形とはいえ自分で考えて行動しました。



四章、「人形」「不審者」


「人形」は元々この話限りの短い怪談のつもりでした。


「不審者」は後の回想話で判明する、竜太の成長を示唆しています。

いかに竜太をかっこ良く出来るかに注力しました。



五章、渡り廊下の怪


 大和田回。

まさかの桜木再登場。


 連載開始時の予定では存在しない話でした。

テーマは「ハルの北本への依存解除」



六章、「出会い」「迷子」「口裂け女」


「出会い」は竜太がどんな人物なのかの暴露回。

源一郎とのフラグっぽいやり取りは頭を使いました。


「迷子」は単純に青春ホラーを意識。


「口裂け女」は有名な都市伝説に挑戦したかった結果です。



七章、鏡の噂


 テーマは「ハルが竜太を助ける話」


 元々の予定ではこの話が最終章でした(鏡から助け出してハッピーエンド)


 しかしまだ書きたいネタが多くあった為、急遽引き延ばす事に。

それが鏡に書かれた謎の文字です。



八章、呪詛


 死装束やカラスの話はそれぞれ独立した短編のつもりでしたが、引き延ばしの影響で呪い事件の一部に組み込まれました。


 青春要素とホラーのバランスに凄く気を遣った章です。

桜木黄金期。



九章、「日常」「御守り」「病院」


「日常」で名前判明の八木崎。

読者様に逆ハーレム展開かと思われないか不安でした。


「御守り」で登場した愛奈は、昔竜太が不審者から助けた女の子です。


 本編では語られていませんが、彼女はあの時だけ不審者の姿が視えていました。

普段は何も視えない一般人です。

波長でも合ってしまったのでしょう(適当)

彼女が竜太に惚れているのは助けられたのが切っ掛けです。


「病院」はこの話限りの短い怪談の予定でした。

この時の老婦人は「無害」から「良くないモノ」へと変化していく真っ只中という微妙な存在です。


 実は黒い紙の人は老婦人が「良くないモノ」に堕ちてしまう前に連れていこうと説得していた中立的なモノ、という設定がありました。

話がダレるのであえなく没に。



十章、憑き物


 いかにして広げた風呂敷を畳むかで悩みました。

死に直結する系の恐怖は難しかったです。



十一章、呪い遊び


 作者、広げた風呂敷畳めてガッツポーズの巻。

十章辺りまで本気で誰を犯人にするか決めかねていました(「もうクラス担任が犯人でいいかな」と血迷う位)


 ちなみに犯人候補はリナ、美園、浦、川口の四人でした。



十二章、怪奇な日常


 テーマは「青春」

桜木が不憫担当になってきていると気付いた作者が頭を抱えた回。


 竜太と桜木の間で揺れ動くハルを描こうと思っていた時期が私にもありました。

無理でした。



十三章、メリークリスマス


 「どうにもならない相手もいる」という話。


 四つん這いの女性は、まんま作者の夢に出てきた女性がモデルです。

ネタ提供に感謝。



十四章、生霊


 桜木が不憫担当だと作者が開き直った回。

元彼女の思考回路は単純です。

純粋に彼の言う事を信じ過ぎただけなのです。



最終章、異世界


 最終章。

ラストバトルに相応しくなるよう詰め込みました。


 病院内で少年の移動が遅かったのは病室の老婦人に足止めを食っていたからです。

老婦人的には「私の獲物に手を出さないで」位の感覚ですが。


 屋上で女と対峙していた覆面の生首はこっくりさんの時のクラゲモドキです。

ハルは気付いてませんが、あのクラゲモドキも彼女を助けるお手伝いをしていました。


 神社で竜太が「ハルさんだけは助けて」と言ったのは、女と子供に対してだけでなく、神様に向けての発言でもあります。

あの土壇場でどちらにも受け取れるように言えるあたり、やはり彼は賢い子供なのかもしれません。


 あと、寝惚けたハルが聞いた忍と竜太の会話は全然大した内容ではないです。


「いやぁ、青春っスねぇ」

「うるさいよ、忍さん」

「それにしても、あの竜太がねぇ」

「だからうるさいよ、忍さん」

「でも、悪い気はしないんでしょ」

「いい加減にしろよこのチンピラ眼鏡」


 恐らく忍はハルを抱きしめる竜太を目撃してからかってただけです。




<登場人物について>



 宮原ハル


 作中の約一年間で、彼女はどれだけ成長したでしょうか。

人によっては少しと感じるかもしれません。

しかし、彼女のこれまでの人生の中では最も濃い一年だった事に違いありません。


 序盤ではどもりまくりの完全な受け身姿勢。

煮え切らない不快系主人公でした。

彼女の成長が物語のメインとはいえ、少なからず苛ついた方もいた事でしょう。


 途中から親しい人相手にはどもらなくなり、最終的には怖がってる時以外はほぼどもらずに話せるようになっています。


 自分の意見も言えるようになったし、説明もいくらか上手になりました。

彼女なりに頑張っていたので褒めてあげてください。



 天沼竜太


 有能天才少年と思いきや、実はちょっと勘が鋭いだけの普通の少年です。


 最終章でハルが「恋心がバレて避けられてる?」と感じたのはあながち間違いではありませんでした。


 怪異に巻き込まないよう避けていたというのも彼の本心ですが、実は彼はクリスマスの時点でハルが自分に気があると察知しています。

そしてバレンタインのハルの態度で確信。


 どう接したら良いのか分からず、無意識に距離を取っていた次第です。

本編に組み込めなかったのが悔やまれます。



 北本明里


 元々は「一〇〇パーセントの善意だけで動く、ある種の狂気と闇」を秘めた人物にする予定でした。


 しかし愛着が沸きすぎて没になり、普通の良い子で落ち着きました。



 桜木陸斗


 少しビビりだけど責任感のある明るい奴です。

再登場により大躍進かと思いきや、まるで当て馬のようになってしまいました。


 実は五章の時点では大和田とくっつけようと思っていました。


 忘れがちですが、彼は作中でも珍しいイケメン枠の人間です。

どうしてこうなった。



 大和田佳澄


 作者のお気に入りにして理想の友人です。


「余り物同志がくっついた」感が嫌だった捻くれ者の作者により、桜木ではなく川口と交際する事となりました。


 川口は普通に良い奴です。



 宮町リナ


 彼女は目覚めません。

必ず希望があるとは限らない、を体現して貰いました。


 実は彼女には「視える」以外にもある方面でかなりの才能がありました。

強い呪いが行えたのもその才あっての事です。


 正しい道に進めてさえいれば、もしかしたら七里忍のような人間になれたかもしれません。


 作者による一番の被害者は間違いなく彼女です。



 八木崎浩二


 実は一章から出ていたし、名前もいつ出そうか迷っていた人物。

完全に出すタイミング逃しました。


 しかも元々は彼が桜木のポジションを担う予定でした。

どうしてこうなった。


 彼は御守りに加え、兄に貰ったネックレスからも守られています。

本人すら気付いていない絶対防御です。

北本が「近くにいると楽になった」と言っていたのはその影響でした。


 彼はハルに気がある訳ではありません。

むしろ現段階では好みじゃない。

手を出す振りをするのはからかい半分、竜太への当て付け半分です。


 捻くれてますが、根は誰よりも真面目な人物かもしれません。



 七里忍


 実は別の連載作品の主人公になる筈だった人物。

出張して貰いました。


 作中の彼は話をはぐらかしたりはしますが、嘘は言ってません。

本当に公務員です。


 あと隠れブラコンです。

弟からは「仲は悪くないクールな関係」だと思われています。



 宮原源一郎


 全ての始まりと言っても過言ではない重要人物です。


 ハルは彼が生前どんな人物だったのかが気になり、それを知りたがる。


 竜太は彼が今も生きていたらどうするかを知りたがり、それを真似たがる。


 裏設定となりますが、彼が息子(ハルの父)と仲が悪いのは霊関係です。


 視えない物は信じない、超現実主義者で淡白な息子とはどうしても反りが合わなかったのでしょう。


 また、源一郎が昔勤めていた仕事と忍の仕事は関係があります。



────────────


 以上、裏話と蛇足でした。


 質問やフラグ回収の漏れ、明らかな矛盾などがありましたら感想欄かメッセージでお願いします。

可能な限り対応させて頂きます。


 最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございました。


 それでは、またどこかで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 第一部まで読了しました! これめちゃめちゃ好みのやつー! 少年少女の成長×怪異とか……控えめに言って最高です。 強いて残念だと言うなら、リアタイでハラハラ追い掛けたかった……!!(悔しい) …
[一言] あら?ここで書くのを98部分での感想に書いてしまったようです。ちょっと残念でしたので、怨み言をここに書いておきますね~~~~。てか、いよいよ私も生霊に突入ですか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ