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僕と君の世界  作者: 風祭トキヤ
入学編
9/19

木隠れの少女

はぁ...勉強辛い...。

私と文乃、穂美との関係はあの事件を持って終わった。

あの事件後、私は文乃に会いに行ったが、シカトされた。

胸狂いを抑えながら私は宿舎に戻った。


◇◇◇


「これが私の過去です」


「..................」


俺は何も言えず、立ちすくんでいた。


「ありがとう。話してくれて」


無言で頷き、笑顔を見せる真友希。

でもその笑顔には罪悪感が俺には感じられた。

俺は玄関で手を振る真友希に背を向け、自分の寮へと戻った。


◇◇◇


翌朝。

俺は目覚めた時間はまだ五時で、登校までには3時間ほど時間があった。


「少し外走るか...」


俺は装備メニューを開き、『寝間着』から『ジャージ』に着替え、俺以外誰もいない部屋から外に出た。

今更だがここ、オベロンの街は日本とは全く 雰囲気が違う。

日本では朝からガヤガヤとしてるのにここはとても静かだ。

俺が走っているコンクリートの音が寮の周りに響く。


「少し汗かいてきたな...」


近くにあったベンチに座り、汗をふいた。

異世界なのにこんなリアルなのかと改めて実感する。


「──っ!やぁ!!!」


甲高く威圧のある声が響く。

木々の向こうに見えるジャージ姿のオレンジ髪の女の子。

汗をがキラキラとして竹刀みたいなのを持っている。


「何やってんだろ......っ痛!!」


足元にあった石につまずき転ぶ。

オレンジ髪の女の子は驚いた表情でこちらを向く。

竹刀を木に立てかけ、こちらに走ってくる。


「あっ...あのー大丈夫ですか?」


「あぁ大丈夫だよ。ありがとう」


助けてくれた彼女の手を引きながら立ち上がる。


「血が出てますけど大丈夫ですか!?」


「大丈夫だよ。かすり傷だし」


「ダメですよ!ちょっと待っててくださいね」


彼女はメニューを開き、何か取り出した。


「なんだそれは?」


「『きずぐすり』です。この傷ならこれですぐ治せます」


あぁあのポ〇モンとかにあるあれか。

きずぐすりが少し痛んだが現実世界とは違う何か変な感じがした。


「ありがとう。俺は神代光輝。きみは?」


「ご紹介が遅れました。私ローゼンクロイツ学園Aの響美(きょうみ)早瀬(はやせ)と申します。神代さん宜しくお願いします」


早瀬はにこっと笑顔を作り、俺に向けてくる。

その太陽のような笑顔は全ての気持ちを消すように暖かく、そして冷たかった。


◇◇◇


「響美さんは何故ここで竹刀を?」


早瀬は首を傾げて「竹刀?」と言った。

多分この世界には竹刀という名前のものはないと俺は悟った。


「その剣みたいなのはなんだ?」


「あぁこれですか?これは《フラン》と言ってローゼンクロイツで使用できる相手にダメージが入らない剣ですよ。神代さんはフランを配られてませんでしたか?」


「いや、まったく聞いたこともない」


「そうですか。担任の先生に行ったら神代さんも手に入れられますよ」


「そうなのか。サンキュー!」


「はい!」とにっこり笑い、また笑顔を作った。

そーいえば俺も《リベリオン》を使ってるけどアレって意図的に出す方法が分からない。

俺の力を解放しなければあの剣は出てこないし、やっぱり俺も普通の剣を買っとくべきなんですかねぇ...。


「何か考え事ですか?」


早瀬が俺の目の前にぴょこっと顔を出し、問いかけてくる。

やばい。めちゃめちゃかわいすぎるぅぅ!!


「えーと...響美さんは...」


「神代さん。私のことは早瀬で良いですよ」


「あ、そうか。分かった。俺のことも光輝で大丈夫だよ」


こくんと頷き、話を進めた。


「早瀬は神剣シリーズって知ってる?」


「─なぜ光輝がそのことを?」


「いや...知ってるかな...って」


「光輝は神剣を授かっているってことですか?」


「─まぁそうなるな」


途端に早瀬の姿が消えた。

あまりにも速すぎたのでどこに隠れたかは分からないが俺を狙っているってことは確かなこと。

神剣を口にした瞬間に早瀬の顔が変わったことも確かなこと。

=俺を殺しにかけてくる。

悟った俺はすぐに立ち上がり、身構えた。


「天叢雲よ。我に虚空の剣を授けたまえ」


そんな言葉が響いたあと、近くの木に雷が落ちた。

そこにはエメラルド色の神剣を持つ早瀬がいた。


「...早瀬っ!!」


「まさか神代さんが神剣使いとは思いませんでしたよ」


「なぜ俺を狙うんだ?」


「私はAのリーダーから神剣使いを殺せと言われただけです。いわゆる、神剣殺(ショルダー)しですね」


「ショルダー?」


「あなたはどこから来たんですか?」


「...日本だけど」


「日本?まさか...倒してじっくりと聞かせてもらいますよっ!!」


途端に早瀬は神剣の刃を向け、俺に猛スピードで突進して来る。

俺は辛うじて避けたものの腕が(かす)れて切れてしまった。


「へぇ...私の《グラディウス》から避けるなんて、なかなかやりますね」


「グラディウス?」


「私の神剣です。神剣シリーズNo.4《グラディウス》ですよ」


聞いたことがある。

古代ローマ時代の軍団兵や剣闘士によって用いられて、剣としては短く、刀身は肉厚・幅広の両刃で、先端は鋭角に尖っている剣だ。

だが、この世界のグラディウスはリーチも長く、日本刀の刃の3倍はありそうなデカさだった。


「さぁ、光輝さん。あなたの剣も見せてください」


早瀬は少し力ダウンさせて俺を待った。

俺は自分の力をため、こう言い放った。


「孤高の雷光よ、冷酷なるその力をこの身に宿し怒涛の力を解放せよ!」


俺の周りに強い結界がはられ、《リベリオン》を手に取った。


「さぁ...勝負だ。早瀬!」


俺は剣を相手に向けて、威勢よく身構えた。



次も遅れます!!!!!!!

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