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裁判を終えてⅦ
「来た、来た、来た！」
別室でモニターをし、作戦の指揮を取る警官は笑みを隠せなかった。
彼らが求めるホシがついに手荷物検査場前に姿を現したのだ。
「こちらモニター室、ホシが現れた。まもなく手荷物検査場を通過する、
通過したらすぐにシャッターを下ろせ！ そこで確保だ！」
興奮が抑えきれない警官、数ヶ月に及ぶ捜査の集大成ともいえる、
ホシの確保が、今まさに実現しようとしているからだ。
『こちら機械室、いつでも下ろせます！』
別室の無線機に機械室からの伝達が入る。
そして、警察OBの保安検査員が首を回し、作戦決行の合図をした。
「今だ！ 機械室、シャッターを下ろせええい！」
『機械室了解、作動させました』
「全員に連絡、シャッター降下を目確後、作戦を決行する」
モニターからは作動するシャッターが写る。
これはこの作戦で唯一の見当違いだったのだが、
驚いたことに、ホシは閉まるシャッターに対して
何ら疑問を抱いている様子がなかった。
