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裁判を終えてⅡ
さて、そうなるといよいよテレビの報道番組による
速報テロップくらいしか情報源と呼べるものが
なくなってしまった。
どうしようもないので、速報テロップが流れることを期待して
スマホのテレビアプリを起動させた。
依頼の電話が鳴ったのはそんなときであった。
テレビ画面の代わりに画面へ現れた見慣れない番号、
会話を録音する為に機器を取り付け
通話アイコンをタップした。
「もしもし……何だお前か。また番号変えたのか」
電話に出たのは知人だった。
『まあな。そうそう、頼まれてた航空券。用意が出来たぞ』
「本当か! そりゃよかった。出発は明日だったな?」
『ああ、もちろん。それと、ファーストクラスで抑えてあるから、
明日は空港の特別ラウンジから搭乗してくれ、健闘を祈る』




