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被告・上原透(殺人) 二日目Ⅶ
「これは……明細書? 焦げててよく読めないな。
それで、こっちはなんだろう、『連単』……
競馬か? ああ、はずれ馬券というやつか。
そして、馬券にもくっついている
この白い粉はなんだ?この袋からこぼれているのか。
なになに、『お徳用石膏』? 袋の下は……なんだこれ」
それは長方形の形をした、いびつな白い塊だった。
裏側には人さし指ほどの太さの穴があいている。
その物体の側面に紙が入らないくらいの切れ目を見つけた。
「開く……のか?」
一捻りすると石膏のような粉が舞い落ちて
二つに割れた。その断面の模様は普段から
よく使用する日用品のそれだった。
気付いたことはどんなことでも忘れずに
をモットーに、この白い物体のことを
ファイルに記録しておこう。




