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被告・上原透(殺人) 二日目Ⅵ
「なにか見つかるかもしれない」
そう思って狭い部屋を無作為にあさり始める。
ふと、目についた段ボール箱を開けてみた。
「これはメモ? いや、借用書か。
貸主は……三枝仁、被害者か。
いったい、だれに何を貸したんだ?」
このメモは懐にしまうことにしよう。
あとは、もうさすがに警察が調べ終えているな。
「一応、202号室の火災現場も見ておくか」
202号室はとても人が住める状態ではない。
扉は焼け落ち、室内は木炭と化した
古い家具が散乱していた。これは
骨が折れる作業になりそうだ。
「火災の原因でも探ってみよう」
そう呟いて特に損傷が激しいガスコンロ付近を
捜索し始めると、なんかいろいろ出てきた。




