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被告・上原透(殺人) 一日目Ⅵ

ふと傍聴席に目を向けると、被告を鼻で


笑っている会社員風の男や


驚いたような顔をしている青年がいた。


そしてほとんどの人が被告人に対して


なにかしらの懐疑的な目線を送っている。


何を言いたいのかわからんでもない。


俺も最初、被告人と拘留所で面会したときには


少しでも裁判を有利に進めるために、


精神鑑定の申請を本気で考えていた。


言動がどうも常人のそれに見えない。


その上に容疑は殺人だ。果たして、俺に弁護が


つとまるのかどうか……

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