Prologue
割と王道なあらすじを書いたつもりですが、王道な物語にはならないかもしれません…。
ただ暗い物語にはなりません。…ならないはずです。
戦乱の時代。
赤子が夢から、覚める頃。
争い続ける彼等の前に、
光は現れた。
其の者、大いなる力を示し、彼等を統制せん。
其の使者、世界を再生し、世に恵みを齎さん。
彼等はすべてに意味を与え、
世界を、意味あるものへと変えてゆく。
造られた永遠の中、
赤子は再び眠りにつく。
その永遠が、終わるまで。
「バシレクス教教典第一章一説」より
IMITATED THE ETERNAL
――イミテイテッド・エターナル――
Prologue
- 希望 -
夢を見た気がする。
それは僕が普通の子どもで、
誰かと一緒に走り回って、
そして一緒に笑いあうんだ。
でもそれは夢。
夢が故に、幻。空虚な空想。
夢を描くだけでは何も起きない。
それは知っているのに、僕はここから動けない。
罪の意識が体を縛る。
誰かこの鎖を解いて。
それか僕を、
殺してください。
- 遭遇 -
とある居城。
幾度となく鳴り響く轟音。
崩れ落ちる天井の下、少年は走る。
ただ走ることに精一杯で、少年は涙を拭えなかった。
――泣いていることにさえ、気がつけなかった。
再び轟音。世界が揺れる。
少年は走った。
ただただ、走った。
そのとき、瓦礫の下に動く影を見つけた。
「お母様!」
その声に反応してか、彼女は小さく体を震わす。
「逃げなさい…!逃げなければ死ぬだけよ!」
「なら僕は死ぬよ。お母様と一緒に死ぬんだ!」
ひとつ、またひとつと壁が崩れていく。
彼女は小さく首を振る。
そして涙を流しながら、必死に声を絞り上げた。
「死なないで……」
少年は涙を堪えた。
ここで泣いては、いけない気がした。
――それでも、堪え切れなかった。
「お母様…!」
目の前に散らばる無慈悲な瓦礫。
無数の涙がそれを潤してゆく。
そのとき風が吹いた。
その場に似合わぬ花びらが、招かれかたように舞い降り、一粒の涙をすくう。
花びらは、そっと微笑んだ。
それが彼等の出会い。
それはすべての、始まりの合図だったのかもしれない。
いや――、
もうすべてが始まっていたことに、
やっとこのとき、気がついたんだ。
おそらく、はじめまして。
蒼宮螢といいます。
ものすごく憂鬱な言葉の出てくるプロローグでしたが、暗い話にならぬよう極力努力します。
長く書き続ける事が苦手な僕ですが、今回は一年以上構想を練って書き始めたため、それは大丈夫だと思われます…。
ただ亀ならぬ山の如くの執筆スピードなので、そこはご勘弁を……。
それに加えただ今作者留学中のため、次話投稿は本当に遅くなると思われます。
申し訳ありません。
ただそれなのになぜ今この話を投稿したのかといいますと、
ぐーたらせずちゃんと書いてますよ!とアピールしたかっただけです。
それだけです。すみません。
長い目で見守っていただけると幸いです。