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2話

光が差し込んでいない。それに、俺を急かす騒がしい音も聞こえない。

今は何時だろうか。外はまだ暗い。深夜だな。

なぜ目が覚めたのだろうか。

わかっていないフリをして自分を欺きたいができるはずもない。

おそらくカメラ音の件で頭が冴えてしまったのだ。いや、恐怖心かもな。

あれは一体なんだったんだ?俺に関係あるとすればストーカーだろう。

ついに行動に移してきたか。何故ここまで冷静にいれるのだろうか。

内心バクバクだ。今までの俺はストーカーが誰かなど考えたこともなかった。

考える必要性がなかったからだ。しかし、行動に移してきた以上考えずに好き放題やらせるという訳には行かない。

いや待て。なぜカメラ音が聞こえただけでここまで焦るんだ?

冷静に考えろ良樹。ただの写真撮影の可能性だってあるんだ。

いや、それしかないだろう。俺をストーキングしてもメリットがない。

一旦考えを整理しよう。

おそらく最近ストーカーのことを考えていたせいで敏感になっているだけだ。

そうに違いない。だが、俺が帰っている時人気はゼロだった。

人間が存在していないのではないかとすら思えるほど静かだった。

拓に相談するか?こんな夜更けに?いや、別に朝でもいいのか。

だが、正直拓に相談はしたくない。おそらく、いや絶対に面倒くさい事になる。拓は声がデカイからな。周りの人に聞こえてみろ。大惨事だ。

なら先生はどうだ?いや、小テストを計画通りやる悪魔だ。

多分無理だ。いや、小テストのことは別に普通か。だが悪魔だ。許せん。

結局1人で解決するしかないか。親にこんなこと言うのは気が引けるしな。

とりあえず寝よう。眠れば忘れられる。寝る前もこんなこと考えてたか。


ピピピッ!!

んだようるせえな。どうやら無事に起きられたみたいだ。

はぁ〜結局なんだったんだろうな。あれ。まぁ手出されてないし。

俺の勘違いということにしておこう。

半目の目を擦り無理やり体を起こした。今日は飯を食おう。

無難に目玉焼きとかにしようか。

ジュワーっと心地のいい音がする。親はとっくに仕事へ行った。

今日は遠出をしないといけないらしい。

お、そろそろかな。ヒョイっと目玉焼きを皿へ移した。

何もかけなくていいか。素材を楽しもう。お。意外と美味しいな。

朝ごはんをパパっと済ませ、制服に着替え家を出る。

俺はあえて時間ギリギリに家を出た。拓に昨日の仕返しをするためだ。

拓は駅のホームでソワソワして落ち着きが無い様子だった。

そんな拓を他所に俺は背後からそーっと近づき、

「わっ!!」

どうだ。驚いただろ。

その時拓のスマホの画面が目に入った。

「一眼レフカメラ コスパ」

なぜそんなことを調べているんだ?まさかこいつが例のやつか?

いやいや、そんなはずは無い。

何せこいつが例のやつだとして意味がわからない。

我に返りふと周りを見た。あれ。拓が居ない。

どこだ?見つけた。拓は地面に座り込み小刻みに震えていた。

いやビビりすぎだろ。やっぱ可愛いとこあるな。

「お前ビビりすぎだろ」

「だって!良樹が急に話しかけてくるから!」

こいつは昨日自分がしたことを覚えていないのだろうか。

ちょうどよく電車が来たので乗り込んだ。

「拓、今日こそ一緒に帰ろうぜ」

「わりぃ良樹、今日部活あるわ」

拓は心の底から謝っているように思えた。

こんな良い奴がストーカーなどするはずがない。馬鹿なことを考えた自分を殴りたい。

にしても珍しいな。拓は美術部に入っているのだが滅多に活動していないのだ。

本当に部として存在しているのか疑われるレベルだ。

「そうか。じゃあいいや」

今日も1人か。昨日みたいなことがあれば1人で帰りずらくなるな。

そんなことを考えているとあっという間に時間は過ぎ、気づけば最寄り駅だ。

「行くぞ〜良樹」

「おう」

今日は走らないらしい。


時間というのは過ぎるのが早いな。もう放課後だ。

拓は部活と言っていたので1人で帰路に着く。

昨日のこともあり俺は周りを警戒しながら歩いていた。

なんだ?やけに視線を感じる。昨日に続き今日も例のやつか?

少しここで大胆な行動に出よう。

俺は無我夢中で走った。足音は聞こえない。さすがに着いてこなかったようだ。

ふぅ。たまにしか走らないとはいえ少し走っただけで息が苦しい。

運動不足が進行している。まだそんな歳ではないぞ。

家に入る前にポストに目をやった。おや?なにか入っているようだ。

手紙のように見えた。なんだこれ。中を見よう。

「良樹さん。あなたのことを愛しています。ずっと見てるからね。」

俺は思わず手紙を投げ捨てた。

気持ちが悪い。吐き気がする。全身の鳥肌が止まらない。

これはもう例のやつの仕業としか考えられない。

考えるより先に行動していた。手紙をビリビリに破り、すぐに燃やした。

視線だ。誰かに見られている。怖い。泣きたい。今すぐ誰かにぶつけたい。

俺は一目散に家に入り扉を閉め、鍵を施錠した。

窓も。カーテンも。電気も。外から見えるもの全てを閉じ、消し。

ただ頭を抱えて泣いた。

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