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村案内③

今はショウがシスに村案内をしている最中で、今いる場所はシスが紹介してくれたミアハというシスの後ろに隠れて顔だけ出しているキョトンとした美少女魔導技師の家にいる


「それにしてもシスは少しミアハちゃんと仲がいいのか?」


そもそも今まで会ってきた人たちは結構年上の男が多かったためシスにとってミアハは中のいい友達みたいな感覚かもしれない。

さすがのシスもミアハには敬語を使わないようだ。

だがなぜシスは他の人たちには敬語を使うのだろうか?


「うん、この村に私と年の近い人はあまりいないし、何よりかわいい!」


ごもっともな意見だった。ショウはミアハが可愛いということにずっと頷いていた。

仲の近い人がいないということはショウと以外と早く打ち解けたことにも理由がつく。


「そろそろちゃんと出て挨拶したら?」


シスが体の後ろに隠れているミアハに前に出ないかと交渉している。しかしミアハは首をブンブンと横に振り、完全に嫌がっている。ショウはなぜだかガーンとした


「この村にはショウと同じくらいの年齢の人がいないから緊張してるんだよ」


シスがショウが落ち込んでるのが分かったのかすぐさま慰めてくれた


「そうなんだね。でもどうしたら仲良くなれるんだろ…」


ショウはとにかくミアハと仲良くなりたい。そんなことをまたシスが察した。


「そうだ!今ショウを案内してるんだけどミアハを来ない?」


シスが体の後ろに隠れているミアハにしゃがんで相手の手をつかみながら話した。

ミアハは顔が(特にほっぺが…)赤くなり少し間を開けてゆっくりと頷いた

ショウはなぜか口角が跳ね上がっていた。しかし『いかんいかん』と思いすぐに戻した


ミアハはシスの後ろから出て駆け足でドアに向かって外に出た。


「なんか片付けとかしなくて大丈夫?」


ショウがミアハに尋ねるとミアハはドアからちょこっと顔だけ出してゆっくりと頷いた。ショウは心の中で密かにガッツポーズを取りミアハは『どうしたの?』みたいな顔をしている


シスが先に家から外に出てその後ろからショウが出た。そして3人でシスの村案内が始まった。この際シスとミアハの村案内かもしれない


「そういえばこの村にはどのくらいの人が住んでるの?」


ショウがシスに聞いた。今まで行ってきた所には周りに家があまりなかったため人口が少ないと予想できる


「この村には大体700人くらい居るよ」


「な、700人!?」


「ッ…!」


ショウが大きな声を出して叫んだ。一緒に歩いているミアハは急に大きな声が聞こえて『ビク』としていた。


「ごめんミアハちゃん…ていうかこの村には700人も人がいるのか?」


ショウはこの村には多くても300人程度だと思っていた。しかしそれの倍以上の人数でショウは驚いた。ていうかラウニはこの村の全員の食料を一人で補っていると聞いているのでショウはラウニの評価が10段階ぐらい上がった


「うん。そのくらい住んでると思うよ。少しあっちの方へ行けばいろんな人が住んでる場所になるし、あっちの山の方にも人がたくさん住んでるよ」


シスが道の向こうや山の方を指差しながら話してくれた


「ん?じゃあ何で長老やミアハとかも人がたくさん住んでいる箇所から離れて住んでいるんだ?」


シスが少し手を顎に当てて考えている


「それは……」


シスが考えている所にミアハがシスの服をチョンチョンと引っ張りそれに気づいたシスがミアハの目線までしゃがんでミアハから何かを聞いていた


「それはここらへんに住んでる人は村のまとめ役だからだって」


シスが話している後ろでミアハにショウが目線を送ると苦笑いをしながらウンウンと頷いている


「ならミアハをそうなのか?」


ショウはまだ子供のミアハが700人規模の村のまとめ役だとは思わなかった


「そうだよ。ミアハは見た目は子供だけど、すごく頭がいいんだよ」


シスがまるで自分のように褒めている時ミアハはまた後ろで苦笑いをしているのであった


「村のまとめ役は何人いるんだ?」


「長老にフラカンさん、トートさんにミアハとあとイリスさんかな」


ショウはシスの言った最初の4人は会ったのでわかるが最後の人に心当たりがない


「イリスさん?」


「今から会いに行くよ。イリスさんの家はとても大きな書庫になっているんだよ」 


前にシスとミアハで後ろにショウという逆三角形みたいな形で歩きながら話している


「書庫?ということは本がたくさんあるのか?」


「うん。いろんな絵本や童話に宗教本や図鑑に魔導書もあるよ」


ショウは魔導書という言葉がでた瞬間に体がビクッとした


「魔導書?魔法が使う本なのか?」


シスが手を頭に置いて体をうねりながら考えている


「ごめん。魔法については良くわからないんだよね」


シスが申し訳なさそうにモジモジしている。ミアハにも目線を送ってみたが首を振って分からないようだ。


それから少し歩いた後木造の家が見えた。見た目は今まで回ってきた家のそう変わらなかった。シスからは大きな書庫となっていると聞いていたので本当に書庫があるのか不安になった


3人で家の近くまで歩いてシスが今までと同じように家のドアを開けた。中はとても質素だった。椅子に机、棚に花の入った花瓶がおいてあり、ミアハの家を回った後だととても清潔に見えた


家に入って前を見ると後ろ向きの椅子に座っている女性が居た。後ろ姿は茶髪の長髪の女性で机には上品なティーカップが置いてあり気品を感じた


女性は扉が空いたのに気づいてこちらを見た。その女性は前にいるシスをまず見てそれから後ろにいるショウを見て笑顔でこちらを見た。ちなみにミアハは最初はなぜか気づかれなかった。(背が低いから)


「あらシス。ごきげんよう、そちらの男性は誰ですの?」


女性は手を平たくしてこちらを刺してきた


「えっとねショウっていう最近来た人なんだよ」


「ど、どうもショウと言います」


ショウは今まで会った人より気品があったため少し緊張気味になってしまった。その様子を見た女性は少し微笑んだ


「私はイリスと申します。この村の書庫の管理をしています」


イリスという女性は立ってお辞儀をして挨拶してくれた。その様子にショウは『こちらこそ』とタジタジしながらお辞儀をして返した


「ショウに書庫を見せてあげてもいい?」


シスが先ほどの会話でショウが本に興味があることを察したのか代わりにお願いをしてくれた


「もちろんいいですわよ。ではショウさん、シス、それとミアハもこちらへ」


イリスは歩き別の部屋に案内してくれた。


「な!?」


ショウは驚いてしまった。その部屋には階段があったのだ。それも上の階へではなく下へ続く階段が。


「ち、地下に書庫があるんですか?」


イリスがクスクスと笑った


「初めてくる人は皆ショウさんのような反応をするのですよ。おっしゃるとおり書庫は地下にありますよ」


ショウが口を開けて驚いている間にイリスが階段を使って下がっている。その後ろにシスとミアハが続いて先に皆が行っているのに気ずいたショウがせっせと後を追った


「なな!?」


ショウはまたまた驚いた。その書庫はいわゆる学校の体育館並みの大きさで地下1階と地下2階になっており、大量の本棚に大量の本が置いてあったのだ



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