普通にやれ
「普通にやれ。普通に。」
戦地を1人歩く。
いつ、銃で撃たれるかわからない。
広い平原を、1人ぽつぽつ歩く。
見通しがよく、狙撃されるかもしれない。
もっとも、狙撃の必要がある場所か判断はつかない。
1人歩く。
武器もなく、食料もない。
「バスかなんかに乗ればいいんじゃないのか。」
まずは、飲み水を探さなくては。
食料は、最悪、草でもかじればいい。
火は起こせないので、動物を食べることは難しいか。
「食料なんて、買い物をすればいいだろう。」
林が見えてきた。
木陰に身をひそめることができるだろう。
「普通に横になればいいじゃないか。」
さっきから、このトランシーバーから聞こえてくる人は何がいいたいのだろう。
戦地での普通がわからないから、繋いでいるのに、無茶なことばかりいってくる。