試験
中学生以上が一番みるのに最適だと思います。
それ以下はあまりお勧めしません。
第1話
「見つけた・・・」
「お願い、もうやめて・・・」
「逃がさない・・・やっとみつけたんだから・・・」
「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
「花音さん!花音さん!!」
誰・・・私をよんでるのは?
「ん・・・」
「もう、早く起きちゃってくださいよね!洗濯とかできないじゃないですか。」
あ、使用人の守さんだ・・・
守さんは使用人のくせに偉そう。たまに腹が立つ。
でも、守さんの性格好きだから許してあげてる。
「花音さん!早く着替えてください!!」
守さんはぼーっとしている私に怒鳴りつけた。
よっぽど腹が立つのか、顔を真っ赤にして私を睨んでいる。
そんなに睨まなくてもいいじゃん・・・。
そう思い、私は黙りこんだ。
しばらく沈黙が続いたが、やがて守さんが口を開いた。
「・・・花音さん、今日も泣き叫んでましたよ。またあの夢ですか・・・?」
しばらく黙っていると、守さんは聞いてはいけなかったんだと思ったのか、
「すみませんでした。」
といった。
「ううん、別にいいから。気にしてないし・・・」
そう言い、どうってことないという顔をした。本当はどうってことないわけないんだけど・・・。
でも、守さんに心配させるわけにはいかない。
「花音さん・・・。」
私はギクッとした。もしかして気づいた・・・?
本当はどうってことないわけないということに・・・。
でも、そんな心配は必要なかった。
守さんはすぐに気まずい空気を追いおはらい、自分の空気に変えた。
「はやく、着替えてください!!いつまで黙ってる気ですか!?」
その守さんの言葉に思わず笑ってしまった。
「あははは!!」
しまった・・・!つい笑ってしまった。
守さんは自分のことで笑われるのが大嫌いだから、さっきより鋭い目つきで私を睨んできた。
「いい加減にしてくださいよね!!今出ていきますからさっさと着替えてくださいよ!!」
そういい、
守さんはドシドシとわざとらしく足音を大きくして、ドアをバタンッ!とおもいっきし閉めた。
「守さん、大人げないんだから・・・」
私はそういうと、おもいっきし笑った。
もちろん、心の中でね。
守さんも普通にしてたら、おとなしそうで優しそうな人なんだけど・・・
あの性格のせいでモテそうなのにモテないんだよね。
私がそんなことを考えていると、遅いのにイライラしたのか、
私の部屋のドアをおもいっきし叩きながら
「花音さん!早くしてください!!」
と怒鳴ってきた・・・。
ドアが壊れちゃうぐらいの勢いがあったせいか、
私は急いで返事し着替えた。
「今着替えるから!!」
着替えてリビングに向かっているといいにおいがした。
このにおい・・・きっと朝ごはんの匂いだ!!
そう思うと急におなかが減ってきた。
私はなり続けるお腹を押さえながら急いでリビングに向かった。
ドアを開けるといい匂いがブワッっと、リビングに広がっていた。
「いいにおい~!」
私がそういうと、守さんは得意げな顔をして
「当り前ですよ。私の料理は匂いも一流ですからね!」
といった。
よかった、機嫌は直ったみたい。
守さんを怒らせると後々怖いから、できる限り怒らせたくない。
でも、私はすぐ守さんを怒らせてしまう。
なんでだろ・・・?
「さぁ、早く食べちゃってね。今日はPACIFY会社の面接でしょ?」
PACIFY会社とは世界で3番目に大きい会社。
私はそこのOLとしての面接を受けることになっている。
まぁ、それは表向きの話だけど・・・。
本当は裏社会の中で働く面接を受けることになっているんだ。
理由はただ一つ。私が能力者だから。
でも、守さんには言えない。能力者だということ、言ったら殺されるから。
私はしばらくして席に着いた。
やめやめ!こんな暗いこと考えるのやめちゃおう!!
私がそう思っていると守さんが独り言のように呟いた。
「でも、PACIFYって名前ありえないですよね・・・。制圧するですよ?
普通の会社なのになんでそんな名前にするのだか・・・。」
守さんは、どうやら会社の名前に納得がいかないみたい・・・私は納得だけどね。
私はそんな守さんの独り言に、心の中で返事し、ゆっくりと朝食を食べ終えた。
「ごちそうさま。」
私がそういうと、守さんは笑顔で
「お粗末さまでした。」
といった。いったいいつの人だよと言いたくなったが、怒らせると怖いので言わないことにした。
そして、用意してあったカバンを持って家を出た。
「いってきます!!」
会社に着くと、60人以上の人が面接を受けに来ていた。
ほとんどの人がOLを目ざしているらしい。
まぁ、ここはめちゃくちゃ有名だからきっと、夢や希望を抱いて面接を受けに来ているのだろう。
人が多すぎて座る場所がなかった。
だけど、広かったため余裕で立っていられる。
10分ぐらい経っただろうか・・・?
会社の人が二人歩いてきた。
一人は愛想がよく優しそうな感じの人だった。
もう一人は無愛想できつそうな感じの人だった。
いったいどっちが裏の者なのだろうか?
私が見極めようと必死になっていると、突然二人とも二コリと笑った。
愛想のよい人はかわいらしい顔で笑った。ほとんどの人はこの人だとは思わないだろう。
とくに普通の人間にはとうていわからないと思う。この人の目は笑っていない。
パッと見るとそう思わないが、相手の目を見ると冷たく、威圧感がある。だけど少し悲しそうな目をしていることに気がつく。
もう一人の人がたぶん表の者だ。顔は無愛想だが、目は優しく笑っている。
この愛想の好さそうな人が裏の者だと私は思った。
「では、私についてきて下さい。」
表の者がそういうと皆ぞろぞろとついていった。
残っていたのは10人ほど。きっとこの人たちも裏面接を受けに来たんだ。
裏の者は誰もいなくなったのを確認すると急に表情を変えて
「ここにいるもの、全員面接できる権利が与えられます。」
といった。
一瞬何のことかわからなかったが、すぐにピンときた。
これは仮試験だったのだと。
「では、ついてきなさい。」
裏の者はそういい、すたすたと歩き出した。
他の人たちもそれに着いていく。私は一番後ろに行きついていった。
しばらく歩いて行くと「面接室」と大きな文字で書かれたプレートが見えた。
もうすぐだ。そう思うと鼓動が速くなる。
緊張がおさまらないうちに、面接室に着いてしまった。
「ここです。」
裏の者は相変わらず無表情だ。
順番は決まってるのかな?1番じゃなければいいけど・・・。
そう思ってると裏の者は驚きの発言をした。
「では、皆さん入ってください。」
え・・・?全員・・・??
面接って4人ぐらいでうけるものだよね・・・。
皆、呆然としている。するとその様子が気に入らなかったのか怒った口調で
「聞いているのですか・・・?サッサと入りなさい!!」
と命令してきた。私は腹が立ったけど、皆びっくりして急いで面接室の中に入っていったから、
私もそれに続いて入った。
面接室には5人ぐらい座って私達を待っていた。
一番右にいる人は25歳ぐらいの女。優秀な秘書って感じの美人な人。きっと頭の回転が速い。
その女の人の右隣が60歳ぐらいの男。ずっと笑っているがきっと作り笑いだろう。
その男の人の右隣が33歳ぐらいの男。筋肉がモリモリで殴られたらひとたまりもなさそう。
その男の人の右隣が70歳ぐらいの男。この中で最年長だろう。それだけではない。きっとこのおじいさんが一番、この中で強い。
そして最後が20歳ぐらいの女。クールビューティって感じ。強くて賢そう。
まぁ、ざっとみたところこんな感じね・・・。
「さぁ、皆さん奥から順に座っていってください。」
秘書っぽい人が私達にそう言った。
私達は順番に席についていく。
私達が席に着いたのを確認すると、ここまで連れてきてくれた人は
「では、私はこれで失礼いたします。」
と言い、部屋を出た。
この部屋にいるのは私達10人と試験官5人だけ。
のはずなんだけど・・・どうも他にもっといる気がする。
いるっていうより見てるって感じだけど。
そう思ってると最年長のおじいさんが面接について話しだした。
「今から、面接を開始する。全員同じ時に質問させていただくぞ。考える時間は1分。
答えていく順番は一番右からじゃ。質問はいたって簡単じゃから気楽にな。」
これを聞いて私は少しパニックにおちいった。私からなんて・・・!!!
信じられない!無理だよ・・・。
そう思っていられるのも少しの間だけだった。
すぐに質問が始まったからだ。
「一つ目の質問です。」
一つ目は一番右端の女の人が聞くみたいだ。
「貴方達は今、能力を使えますか?」
今・・・?それってYESって答えればいいの??
でも、私使えないし・・・
「どうぞ、答えてください。」
えーい!一か八か!!
「いいえ、使えません。」
「次の人は?」
「使えません。」
・
・
・
・
10人終わった・・・。皆使えないって答えた。
よかった、私だけじゃなくて。
皆使えないことに安心して少し気持ちが楽になった。
「全員1次試験合格」
急に発せられた言葉に私達は驚きだった。
たった一問・・・?
どうして??不思議に思っていると最年長のおじいさんが説明してくれた。
「ほっほ。この試験はスパイじゃないか確かめるためじゃ。お前たちはスパイじゃないから合格なのじゃ よ。」
私はそれだけの説明では意味がわからず、直接質問してしまった。
「でも、能力を使えなかったら意味ないんじゃないですか!?」
そういうと、皆一斉に私を見た。試験官も受験する者も・・・。
皆の視線で急に恥ずかしくなり穴があれば入りたい気分だった。
だけど、おじいさんは説明をきちんとしてくれた。
「それはの、普通の者は初めは使えないからじゃよ。」
え?使えない??
私はまたもや思ったことを口に出して聞きそうになったが、
言う前に答えを先に言われた。
「おぬしら、どこかの記憶がないじゃろ?覚えてるようで覚えてない、思い出せない記憶じゃ。」
あ・・・、両親の記憶のことだ。
皆もそれぞれ思い当たるらしい。
私達の顔を見てから、また説明してくれた。
「その記憶を忘れることでは普通の人間で生きれるのじゃ。
忘れている記憶を思い出せば、おぬしらは覚醒し能力者となる。今のおぬしらは仮能力者といったとこ ろかの。」
「てことは・・・」
「なぜだと思ったのじゃろ?それはの、この世界では、仮でも危険性が高いからじゃよ。
なにかをきっかけで記憶を思い出してしまったら・・・大変なことになるからの。」
確かに、このおじいさんの言っていることは正しい。
だけど、もう一つ理由があるはず・・・。
まぁ、言う気がないならいいんだけど。
「さぁ、次の試験じゃ。ついてこい。」
おじいさんはそういうと扉を開けて部屋を出た。
皆もそれに続く。
二次試験の場所はすぐ隣だった。
中に入ると隣の部屋が見えている。
だけどあの部屋は壁しかなかったはず・・・
あ!そういうことか!!マジックミラーだったんだ!!!だからあの時誰かに見られてる気がしたんだ!
あ~、納得!!
私はそんなのんきなことではしゃいでいた。もちろん心の中でばれないようにね。
私がはしゃいでいるとクールビューティな人が
「今から貴方達の忘れている記憶を呼び起こします。無理矢理なため少ししんどいですが我慢してくださ い。この試験は精神力を試します。では、それぞれ順番に台へ。」
と説明した。
忘れていた両親の記憶・・・思い出したい!
どうして両親は亡くなったのか・・・。でも精神力を試すのだからイイ思い出ではないはず。
こころしてかからなくっちゃ・・・。
私達はそれぞれの台に行き寝転んだ。
「装置をつけてください。」
そう指示された科学者らしき人たちは、一斉に私達の頭に変な機械を取り付けた。
鼓動が速くなる。手が震える・・・。よっぽど緊張してるみたい、私。
「3・2・1・0」
その掛け声が0になったとき、私は強烈な痛みに襲われた。
頭を引き裂かれたような痛み。気絶しそう・・・。
♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦
もう少しで気絶するところだった。気絶しかけた時幼い私の声がしてきた。
「お母さん、お父さん。」
両親の名前を呼んでいる。だんだんぼやけていた視界は明るくなっていき、
私の小6のときの姿が見えてきた。両親もいる。
ああ、アイランドにいったときのだ・・・。
なんで私は今まで忘れていたのだろう・・・。
感動して涙を一粒流した時、時は一気に進み14歳のころになった。
私があいつに会った年だ・・・。
「い、嫌だ!見たくない!!見たくない!!!!」
私は必死に叫んだが、何も変わらない・・・。
「おねがい、おねがい・・・」
そう呟いていると、あいつが現れた。
「ふふ、みーつけた!ココに隠れていたのね。」
不気味な笑い声・・・。
「こ、来ないで!!」
必死に14歳の私は反抗する。
「ふふ、なんでー??そうだ!逃げた罰として両親殺しなさい。」
へ・・・?
今なんて・・・??
「え・・・?」
「殺せって言ってるのよ?もしかしてできないの??」
どうゆうこと・・・?
「む、無理よ!!」
「ふーん、じゃあ、私がやってあげる!!貴方の意識だけは残してね。ふふ、体だけを動かしてあげ る。」
いやだ、絶対に見たくない・・・
「や、やめて・・・」
「花音!!どこにいるの!?」
「お、お母さん・・・」
「花音、どこにいるんだ!?一緒にここを逃げよう!!」
「お、お父さん・・・」
「さぁ、始めましょうね。ふふ・・・」
「や、やめて・・・お父さん、お母さん!来ないで!!」
「ふふ・・・」
彼女は私にのりうつる・・・
「いやーーーーーーーーーー!!」
ああ、お願いだからこないで・・・
「花音!?ここか!!??」
「花音!?」
「ふふ・・・さぁ、楽しいショーの始まりよ。」
「お、お前は・・・」
「貴方は・・・」
「お母さん、お父さん・・・」
私が涙を流した時・・・
あっという間だった・・・。何が起こったのかもわからなかった。
手を見ると赤く染まっていた。血の色・・・。
私はガタガタ震える・・・。
「ふふ、ああ楽しかった。あとは好きにしてもいいわよ。」
そういい彼女は私の中に入った・・・。
「お母さん、お父さん・・・」
泣きながら私は両親のもとに近づいた。
「花音・・・愛して・・・るわ・・・」
「お父さんも・・・ずっとお前のこと・・・愛してるからな・・・」
そういい二人は・・・
「お父さん?お母さん??ねぇ、起きてよ。お願いだから!!ねぇ・・・。
いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」
♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦
「乃咲さん!!目を開けなさい!!!!」
あ・・・現実・・・。
お父さん、お母さんは・・・?いない・・・?
「い、いや!いやーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
「落ち着きなさい!野崎さん!!」
試験官の一人の女の人が私の口を押さえる。
「ん、んん・・・・」
私はそれでも叫ぼうとする・・・。
「野崎さん、よーく聞きなさい!ココは現実。貴方が見たのは過去!わかる!?」
そんなこと、言われなくたってわかってる・・・
だけど私が両親を殺したことに偽りはない。
「・・・野崎さん、落ち着いて。貴方が見たのは貴方が起こしたことじゃない。
貴方は悪くないのよ。」
で、でも・・・。
それでも自分を責め続けていると隣の人が叫び声をあげた・・・。
その隣の人も悲鳴を上げている・・・。
「や、やめろーーーーーーーーーーー!!!!!」
「きゃーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
中には無言で震えてる人もいた。じんじょうじゃないぐらいの震え・・・。
私はそれを聞いているうちに不思議と高ぶっていた気持ちが落ち着いてきた。
自分だけじゃない・・・。
それに安心したからだろうか・・・。まぁ、なんにせよ、いいことではないのは確かだけど・・・。
落ち着いた私を見て、口を押さえていた手をはなした。
「押させてごめんね、いたくなかった?」
「大丈夫です。」
そう答えた。本当にいたくなかったから・・・。だけど心は痛い。
「貴方は自分を責めているようね。」
彼女はゆっくりとそういった。
「はい。」
私もゆっくりとそう答えた。
「貴方も死ぬ・・・?」
その言葉には驚きだった。死ぬなんて・・・ありえない!!
前の私ならはい、と答えたと思うけど・・・
今の私はそんなこと考えれない。だって死なせてしまった親の後を追って死ぬなんて最低のすることだ。
「いいえ、死にません。どんなにこの手を汚してもかまわない。私は罪を償うために生きます。」
「そう、でも罪を償うなら死ぬべきじゃない・・・?」
彼女はそう静かにたずねてきた。
「それは最低のすることです。私が考える償いは今以上の悲しみなどを背負うことです。
そして力尽きるまで生きていく。人に恨まれながら・・・。」
「そう、まぁ人の考えはそれぞれだしね・・・いいわ来なさい。」
彼女はそういい、私を連れて次の部屋に向かった。
次の部屋は体力などをはかるところぽかった。
どの機械も表社会には出てない秘密の機械ばかり。ここまで技術が高いなんて・・・。
「合格者です。」
「ごくろう、帰っていいぞ。」
「はい。」
そういい、部屋を出て行った。
次の人は筋肉モリモリの人だった。
彼は私を見て言った。
「よく頑張ったな。」
彼は私の頭をくしゃくしゃにして笑う。
ちなみに彼の笑い顔もくしゃくしゃ。
私は吹き出しそうになったがぐっとこらえた。
「こっちへこい。お前の能力を調べる。」
彼はそう言って、私を機械の前に連れて行った。
「この中に入って。」
私はそう言われ、中に入った。
約1分ほどだった。
「出てイイよ。」
と言われ出ると、いろんなわけのわからない数字がいっぱい並んでいた。
どうやら解析中らしい。
しばらくすると1枚の紙が出てきた。
解析終了らしい。
彼は出てきた紙をみた。上から下に・・・。真中ぐらいで彼の目はまん丸くなった。
どうやらかなり驚いている様子。
私は気になってたずねた。
「あの・・・どうかしたのですか??」
彼はしばらく黙っていたが、急にきらきらした目で
「やるな、お前!!」
と興奮に満ちた声で言ってきた。
「はい?」
私が何のことかわからないでいると
「これ見てみろ!!」
と、さっき見ていた紙を私に渡してきた。
はじめらへんは普通の人より能力が少し高いだけだったけど・・・
途中であり得ない桁を見つけてしまった。
水に対する能力が通常の人の10倍以上はある・・・!!
能力者でも4~5倍がふつうなのに・・・。
私が驚いていると彼はニコっと笑い
「試験合格だ!ボスの部屋へ案内させる。おい!ちょっと来い!!」
彼は女の人を呼びつけた。科学者っぽい人だ。
「こいつをボスのところへ。あ、後この紙も一緒にな。」
「はい。」
そう返事し、彼女は渡された紙に目をやった。
「こ、これは・・・!!」
かなり驚いているみたい。
「ああ、思わぬ収穫だな。」
「ええ、そうね。さぁ、乃咲 花音さん、ついてきなさい。」
彼女はそう言って歩き出した。
私もそれに続く。
私は、新たなる能力者としての道を歩き出す。