成功者の真似をしよう
実社会でも受験でもネトゲでも、より少ない力で、より大きい成果を得たければ、成功者を真似することが有効だ。
情報を得るには、成功者にインタビューするとよい。
しかし、残念ながら私にはツテがなかった。
そこで、私が真似したのはマンガだった。
当時、大学の漫画研究会が書籍を発行していた。
非常に古いが書名をあげよう。
マンガ東大受験合格まんじゅう 編 東大マンガクラブ
関大画報 編 関大漫研
京大画報 編 京都大学漫画研究会
特に参考にしたのは、「東大受験合格まんじゅう」だった。
この本には、東大生が受験生のころに何を勉強したかが書かれていた。
一例として地方公立無名進学校の人は、数学の教科書を丸写ししたそうである。
そして自転車通学時に英単語を覚えたそうだ。
また、物理については使用した問題集が書かれていた。
英語については、当時の東大受験では1000語程度で十分と書かれていた。
また、「参考書は保険ではないぞ。多く買ったからと言って安心感を持つのは馬鹿者だ。」と書かれていた。
「参考書でも問題集でも一冊に絞り込んだほうが、直前になってあれもこれもでできてないなんてことがない。」と書かれていた。
「ここぞと決めた予備校に迷わずついていけ。なんせ予備校は受験のプロなんだから。」と書かれていた
これらを、真似した。
一方でハードルが高すぎて真似できないものもあった。
例えば、数学では青チャート、赤チャート、大学への数学4冊、チャート受験数学8冊をやったと書かれていた。これはとても真似できるものではなかった。
先人の成功モデルを探し、自分の人的資本で模倣可能なものを模倣することが効率の良い行動だと思う。
現在の受験生諸氏も、ぜひ成功モデルを探して模倣してほしい。
実社会に出ても、成功した事業モデルを後追いするのは、ごく普通のことだ。
なんら躊躇うことはない。
さて、現実に立ち返り高校卒業時の私の知識レベルを例えるなら、受験という海の沈没船だった。
これをサルベージして、修理し、合格という港まで突っ込まさせねばならない。
ライバルたちが中高と6年かけて準備したのに対して、1年で欠片だらけのハンパな知識を寄せ集めて補修して戦わないといけない。
連想する言葉は、ゴールから逆算、ダメージコントロール、八割主義、価格構成比、費用対効果である。各言葉について、少し説明しておこう。
ゴールから逆算
達成すべきゴールを定めて、その中間目標としてマイルストーンを置き計画を遂行すること。
中間目標を達成するごとに達成感を得て、自己肯定感を得た。
ダメージコントロール
通常の意味では、物理的衝撃を受けたときに、ダメージを最小限にとどめるため管理すること。
私の場合、試験本番で、何パーンセントまでは損失を生じても許容範囲と割り切った。
完璧を目指して準備すると、際限なく必要リソースが増えるので私には実行不可能になる。
予め損失発生を前提に許容値を定めることで、自分でも実現可能な準備量とした。
八割主義
私の造語。大体の試験は八割取れれば合格である。
また、10を80にするのと、80を100にするリソースでは前者が圧倒的に少ない。
合計点で合否が決まるなら、一部教科は七、八割を目標にしたほうが効率がよい。
(ただし、就職したら100です。2、3割の確率で初期不良や故障がでる製品なんて売れません。)
価格構成比
製品全体に占める各部材コストの比率。
入試でいえば、配点が高いものをより重視した。
費用対効果
投入した費用に対する効果の大きさの事。
試験勉強でいえば、勉強時間の割に点数の実入りがいいところから取り組んだ。
まとめると、ゴールから逆算して、本番の関大の試験で合格基準点以上を取ることを考えた。
関大合格ではなく、合格基準点を取ることである。
合格という言葉は不明瞭である。
点数と言わねば、目標がはっきりしない。
目標は、より具体的な形に落とし込んでこそ、必要な行動がより明確になる。
余談だが、当時読んだ本の中に受験時の心の持ち方を書いた本があった。
その本には、後述の禅を用いた集中の仕方などが書かれていたが、他にも面白いことが書かれていた。
簡単には、模試の成績表を改造して、欲しい成績をできるだけ具体的に貼りだせということであった。
そして、それが必ず達成でき、それが自分の未来の姿だと信じるとのことだった。
そこに行動を伴わせて、未来の姿の実現に取り組むとのことだった。
そこで、模試の成績表を修正液でせっせと加工して、机の前に貼ってみた。
例えば、偏差値47を65に書き換えて、数学55点を85点に書き替えるといった具合だ。
どれだけ効果があったかは定かでない。
精神衛生上は良かったと思う。
少なくとも期待外れの今の成績表をくよくよと何度も見るよりは、遥かにいいと思う。
後日、改造成績表を見た親から「あれは何?」と聞かれた。
何と答えたかは忘れた。
本話では、先行の成功モデルを真似する重要さや、目標達成に向けた考え方を語った。
次話からは、各教科についてどう考えたかを説明しよう。