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鉄と真鍮でできた指環 《2》 ~ネクロマンサーの秘薬~  作者: とり
 第4幕 ネクロマンサーの秘薬(ひやく)
40/68

38.ぐる





   〇前回ぜんかいのあらすじです。


   『和泉いずみたちが牢屋ろうやにとらわれる』












 ――金属が地面じめんちる(おと)

 ()いで渡る絶叫(ぜっきょう)に、和泉(いずみ)は飛びあがった。

「なにが、」

 ばばばばばばばばッ!

 鉄格子に取りついた刹那(せつな)電流(でんりゅう)がはしった。

 ぷすぷす……。身体の表面(ひょうめん)を焦がして、和泉はたおれる。

 上から、ウォーリックが(あき)れた視線をやる。

「和泉教授(きょうじゅ)天井(てんじょう)の装置、内側から(おり)に触れたら反撃(はんげき)する構成もまれているようでして」

「お……。おまえ……。どーりでおとなしく捕まってるとおもったら……」

 けむりをくちから吹いて、和泉(いずみ)

 看守(かんしゅ)おとこ牢屋(ろうや)のまえによろめいてくる。滑稽(こっけい)一人踊(ひとりおど)りをしているように、和泉にはえた。

「ひっ……。()っ、」

 似合にあわないレザー・メイルを、まるで()ごうとするように。

 れないステップにとまどって、千鳥足(ちどりあし)になったように。

 通路(つうろ)で彼はたったひとり、くるくる(まわ)り、わめいていた。


 すーっ。とその首に、黄色いシルエットがびる。

 ガラガラヘビだと和泉(いずみ)が気づいた時には、ふたつのちいさな毒牙が看守かんしゅの皮膚を突いていた。

 (あし)がもつれ、たおれる。

 (ゆか)にするりとりたヘビから、なおも(のが)れようとおとこ()った。

 にわかにその動きが、(ちから)(うしな)う。

「お、おい。あんた……」

 和泉(いずみ)びかけた。いきおいあまって格子に手をつき、スパークに(はじ)かれる。

 看守(かんしゅ)がケイレンする。

 動かなくなる。

 ぽんっ。

 と()のぬけたおとがした。ヘビが少女(しょうじょ)のすがたに()けたのだ。

「やあ。メイに和泉教授(きょーじゅ)

 あかいベレー(ぼう)にサロペットをつけた、みじかい黒髪(くろかみ)おんなの子。十二才(じゅうにさい)ほどの彼女かのじょは、神経毒をさずけた(おとこ)にかがみこんだ。男が腰にさげていた鍵束(かぎたば)を取りあげる。


たすけに来てあげたよん」

おもったより(おそ)かったですわね」

 かちゃかちゃ。(じょう)けて、少女しょうじょ――ウォーリックの使(つか)()のリリンは、主人(しゅじん)とその連れを外に出した。

(むら)のひとたちにいかけられてたんだよ。あいつらグルだよ。ここの領主(りょうしゅ)と」

 ウォーリックがドアをくぐり、和泉(いずみ)がつづく。

 ねんのため看守(かんしゅ)(みゃく)(あらた)めたが、手遅(ておく)れだった。

「もうちょっと、やり方とかあったんじゃないか」

「かも知れませんわね」

 うしろの教授(きょうじゅ)(かえり)みず、ウォーリックは石の(ゆか)あるいていった。先頭はリリンが行く。

 牢のならぶ廊下には、ほかにも何人(なんにん)もの見張(みは)りがたおれていた。

「なあウォーリック。確認しときたいんだけど」

 ピクリとも動かない人々をやって、和泉はウォーリックを()び止めた。

「おまえ。ここの領主(りょうしゅ)を殺す気じゃないだろうな」

「そのほうが手っ取りばやければ、そうします」


 つかつか。

 心なしか速足(はやあし)で先を行く女子生徒(じょしせいと)に、和泉(いずみ)おくれてついていきながら毒を()く。

「どうかしてるぜ」

 高く響く足音(あしおと)に、「それはどうも」とウォーリックのあしらう声が()じった。







         (第4まく:『ネクロマンサーの秘薬ひやく』おわり)























       んでいただき、ありがとうございました。
















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