異方よりこいねがう 人物設定覚え書き
もったいないので投下の設定集。
いつにも増して長いので、それでも良い方向けです。
●古野守サエ
18才。家族が個性的だったので自分は常識的と考えている。
父母が亡くなってから、家族ぐるみで付き合っていた叔母の家で暮らしていた。
高校卒業記念で山へキャンプに行き、滑落して瀕死からの転移をした。メルーによる回復と環境適応目的の改造を受け、頑健さと再生能力を持つ。
ロクタック一族が復活した後は、侍女見習い兼助手兼末娘扱い。
元気が取り柄の、逞しく図々しくあれ! なメンタル強者の女の子。気も強い。大雑把でそそっかしい。
突っ走ってやらかすことも多いが、まあサエだからな、と割と甘やかされてた末っ子タイプ。おそらく好き嫌いが分かれるような子。浅く広くな交友関係もちで、そのなかで一番の友人は小学以来の仲である、ともちゃん。
見た目は、赤みがかった焦げ茶に近い黒の髪、焦げ茶の瞳。身長は160くらい。
将来の夢は安定した仕事に就くことだった。期せずして、内容はともかくとして、異世界にて叶った。
ルンの庇護者であるという考えのもと、余裕ぶってお姉さんぶろうとする。が、よくルンに言い含められたり逆転されたりしている。相性はいいので、末永く仲良く暮らす模様。
人懐っこく、一度安心するとぐいぐい行くため、今後もルンの(ある意味幸せな)心労は絶えない。
●ルン
名前はあったが放逐と同時に戸籍ごと抹消された。推定17~18才。
不安定なパイロキネシス持ち。感情の触れ幅に応じて大きく強くなる。最終的に、実体非実体を問わず認識した位置へ発火させる芸当を会得した。
見た目は、柳鼠色の髪に深い藍色の瞳。身長は160後半くらい。鼻や口のパーツが小さめ+下がり眉+伏しがちの目付きで幸薄く見える。父が上級市民で母が下級市民の美女と名高い娼婦だった。
幼少期は、古株の使用人であったばあやに同情され育てられる。ばあやの「生きてさえいれば良いことがありますよ」の言葉を胸にその日暮らしをするも、遊び半分で切り捨てられた。
転移後、メルーが施した改造により、頑健さや再生能力も付け加えられた。痛覚も鈍い。
ロクタック一族が復活した後は、侍従見習い兼助手兼末息子扱い。
自己肯定感が低く、心がいっぱいいっぱい。口調は躾の賜物。攻撃的になれないのは、生来我慢強くおとなしい性格だったことに加え、そのように育てられてきたせい。
なんだかんだとサエに連れまわされていくうちに、活力を分けてもらう。そのたびに褒められて頼られて、今まで得られなかったものに困惑と恐怖を抱きながらも離れられなくなってしまった。
サエが私の生きる意味で唯一無二の半身くらいには本気で思っている。
扱いを間違えると崇拝系ヤンデレに両足を突っ込みそうだが、作中にてすくすくと健全に愛情を育めたため心配はいらない。
○ロクタック一族
●フィドモン・ロクタック
ロクタック領主。婿養子。もともと勉学に秀でており、そこからユウェタースと知り合い意気投合。そのため、言語も堪能。
建築が趣味で、ロクタックの城の味わい深い建築様式が好き。壊れた後は、残念がりつつも生き生きと腕を奮って建て直している。
大きなインク瓶と不思議なインクが体。定期的になんらかの液体を得なければならない。
口調は威厳ある理屈っぽい感じではあるが、実は陽気でちょっぴり調子に乗りやすい。裏ではこっそりと妻にたしなめられている。
名前の元ネタは、ギリシャ神話のイドモーンからのもじり。
●ユウェタース・ロクタック
教養とマナーに厳しい。顔が本で、ごちそうは人の語る話や手紙などの文章や言葉。よく夫であるフィドモンから愛の言葉を渡されている。甘いハチミツの味らしい。
長男ハリオスは騎士物語が多く、大味な肉料理の味。
次男コモスは料理の語り、様々な調味料の味。なお、コモスは納得していない上、自分も味わえないことに嘆いた。
長女オウィノーの衣装や酒の話題は、砂糖菓子や酒の味。ただ説明が雑なため味も雑。
サエやルンと出会い、様々な味と巡り会えたので嬉しい。でも躾は厳しくする。
真面目で几帳面な貴婦人であるが、夫のフィドモンと同様で、興味ごとに熱中するとついつい我を忘れてしまう。
名前の元ネタは、ギリシャ神話のユウェンタースより。
●ハリオス・ロクタック
もともとの夢は勇猛果敢な騎士だったが、嫡男であり武芸に向かなかったため断念。ダンスの名手。
足が硬質化してヒールと一体化。足以外は透明人間と化しており、常に長袖長ズボンで白い手袋を着用している。異形化したときに男性器もなくなった。
成人と同時に政略結婚していたが、政敵方に妻の一族が寝返ってしまったため、離婚している。その後も、婚約が持ち上がっては振られたり裏切られたりした結果、人間不信が悪化した。なお、子はいない。元26歳。
以降、弟妹に愛を注ぎ続けている。
強いて言うなら筋肉質な女性が好み。ただし、現状、人間相手は億劫と言ってはばからない。
細工と踊りが趣味で、錠前や自慢の靴の改造など嬉々としてやっている。
名前の元ネタは、ギリシャ神話より。
●コモス・ロクタック
ムキムキのプロレスラー体型。二対の腕。頭には蔦葉とミニチュア果樹や草が髪の代わりに生えている。食用もできる。蔦は脊髄、肩甲骨あたりにも埋没している。
自信家で傲岸不遜で俺様なマイペース。兄もハリオス、もしくは兄と呼ぶ。かしこまるときは兄上。父母は父上母上。
三大欲求のうち食欲に極振りしたような、料理狂人。熱中するとすべてのことがおろそかになる。元25歳。料理のことが関わらなければ柔軟で鷹揚。
一族はろくに食べられない者が多いため、よく食べるサエやルンを、味見係兼助手として本人の価値観のもと大事にしている。
名前の元ネタは、ギリシャ神話のコーモスより。
●オウィノー・ロクタック
蛇と蜘蛛と人間が合体したような外見。額に小さな目が一対ついている。人間の上半身、蜘蛛の下半身をもち、腰から顔のない太い蛇がついている。顔はきつめ、ワンレンが美しい元19歳。
はすっぱな姐さん気質。異形化してから付け加えられたものの気質につられたとは本人の言。なお、元よりじゃじゃ馬で奔放な性格でもあった。酒好き。
小さいころから騎士として慕ってくれるヌワのことが好きで、推しに推して結婚までこぎつけた。
趣味は裁縫だったが、長年の地下生活で息抜きと暇つぶしのため続けているうちに、縫製のレベルが上がりに上がった。
サエたちが来たことで下の年の弟妹が出来たわと喜んだ。
名前の元ネタは、ギリシャ神話のオイノから。
●ヌワ・オロクヒェン
愛する妻ことオウィノーが頼りになる騎士は「吾輩」というのよ! という命令で一人称を吾輩としている。慣れるまで苦心をしたようである。
本来は、ロクタック家の守る騎士の一人であった。最後まで時代のロクタックを守るべくほかの従者たちが倒れるなか奮闘し、ダンジョンの前にて無念の死をとげた。
その後、古城の壁岩に取りついて残留思念としてとどまっていたところ、オウィノーたちの願いを聞き届けたメルーによって、石像男となる。
彫りの深い顔つき。見上げるほどの巨漢。瞳だけはオニキスみたいに輝いている。
はっきりとした意識のないまま、主人が眠るダンジョン入り口を数世紀に渡って独りで守っていたが、異世界からの闖入者であるサエたちに出会い、意識回復。あんまりな二人の様子をみて保護者を買って出る。もともと世話焼き気質で人寂しかった。感動しい。
●バティスト・オロクヒェン
ロクタック一族に仕える筆頭執事だったが、一族を守るべくハリオスと共にダンジョンへ潜航。のち、異形化した。几帳面で穏やか。ヌワの父。
その姿は長い時を生きざるを得なくなったロクタック家のために、時を知らせる柱時計となる。また、外敵を探るために飛べる翼を得た。
腹部を折り曲げることはできない。食事はさし油を少しでこと足りる。
卒なく大抵のことはこなせる。
●ウータ・オロクヒェン
バティストの妻で侍女長。ヌワの母。
ユウェタースたちの母の代から仕えている。一家はウータに頭が上がらなかったりする。慈愛の人。
使用人や領民を逃したあとの、ロクタック家の炊事家事全般を担っていたため、家政に関してはほぼ万能。
長い時を過ごす一族の身だしなみを整えるように、箒に胸像のお仕着せを来た姿になっている。掃除や清潔はわたくしめの一番仕事(彼女の趣味でもある)と気合をいれていたからでもある。
世話役根性が強く、男女の恋物語が大好き。
●メルー
どこかの超常的な存在によって造られたもの。その存在は既にこの世界にはいない。
人間の心の機微が理解できていなかったため、杓子定規に受け取り、魔改造して願いを叶えていた。
人知の及ばない出来事を起こすことも可能だが、倫理規定や機能面の問題により、死者蘇生や過去遡行は不可能。あんまり融通が効かないので、サエの駄々こねには非常に手を焼かれた。
学習することは出来るため、幸か不幸か、今後はより人間くさくなる。
美少女アバターや美少年アバターは、もともとインプットされていた、どこかの世界の写し身。
〇古野守家について
父は進。母は悠。趣味を仕事にした山狂いの登山家。全国各地、内外問わずに出かけて救助活動や山岳調査など山にかかわる活動をしていた。
長男ヒロ。長女サエ。次男バーバットの三児の親。バーバットは、転移後にできた子。ロクタック一族最初の子とされる。異世界で初めて登った山からとった。
各地の山を制覇し、遺物や掘り出し物、ダンジョンの発見など様々な恩恵をもたらしたことにより陞爵された。
貴族名は、ロクタック。六宅のもじり。コノモルィも候補にあったが、王命でこちらに。
シンとユウと名乗ったのは、登山活動でのニックネームみたいなものだったが、異世界ではその名前が本名だと記録されてしまった。
ちなみに、二人が行方をくらましたのは、タンザニアのメルー山にて。
●古野守ヒロ
二十八歳。サエとは年が離れており、両親が行方不明になったあとは保護者としての顔をもつようになった。
近眼。目つきが悪いのを気にしている。父母の影響で山にかかわることが多く、そこから山の逸話に惹かれて民俗学の世界に飛び込んだ。
サエの転移後、血の付いた帽子や落ちていたスマホから生存は絶望的と知り、ますます山の伝承をやっきになって研究していた。心労で倒れなかったのは、六宅家や妻のフォローのおかげ。
幼馴染で従姉妹の南美を幼少期から一途に思っており、結婚後も幸せそうに尻に引かれている。
〇六宅家について
父は誠司。母はあゆ美。あゆ美は悠の妹。
古野守家とは異なり、山に特別な感情はなく、またやっているよとあきれた様子でサエたちを保護していた。姉妹仲は悪くなかった模様。夫婦そろって医療関係の仕事についている。
●六宅南美
極度の虫嫌いだったが、逆を極めてしまったことから虫好きに転身。昆虫類、とくに日本の山に住む昆虫類(主に蝶)に関して研究している。
好きなことは分け合いたいタイプのため、様子を見ながら許してもらえる相手を選んで、虫関係のプレゼントをよくする。
ちょっと勝ち気で我が強く、確固たる自分がある女性。
六宅家の血筋はそうじて女性が強い。
●六宅楓太
サバイバルやキャンプが好きすぎて、よく振られる。好きなものを共有しすぎようとして空回りするタイプ。そして惚れっぽいのですぐ好きな人ができる。振られるのループを繰り返す。
お調子者だが、共感性があり思いやりができる男性。
サエを最後に見かけて送ったのは自分のため、外での心配性も加わった。サエの友人トモとは、傷の舐め合いからの交際を経て互いに向き合い、ゴールインした。
〇ルンのいた世界について
特区域ヲライ。
完全な階級制の、統制社会を下地に敷いたナーロッパな世界で、特異能力を持つ人類が台頭している。
自然動物はとても貴重。
○ロクタック一族のいる世界について
何度か文明が興って滅んでいる世界。
地球でいうと現在の文明は1300年あたり程度。
魔法や不可思議な伝説は残るが存在しないこととなっている。かつてはあったものの、文明の移り変わりで途絶えた。
現在繁栄している文明では、ダンジョン資源で成り立っている。
なお、ダンジョンはかつてメルーを創造した存在によっていくつも作られて放置されたもの。余程なことがない限りは半永久的な供給が保障されている。
また、「呪い付き」という言葉が作中に出た通り、呪いはこの世界の人類にとっては身近。
呪いは不思議な現象をもたらし、簡単にいうと魔法やエスパーみたいなことができる。
無念を抱いた生物は、等しく精神体として活動する。活動できる時間は念の強さによる。
ただし、精神体となれば理性が残ることはほぼないため、消滅するまで避けられるか呪われた者ごと隔離して対応する。
始末や処刑も選択としてあるが、余計に呪いが拡散されるという認識が大前提のため推奨されていない。
あえて呪われて、勇猛さをアピールしてみたり、商売にする者もいるようである。
Q.そんな環境なのに、なぜロクタック一族は攻め込まれたのか
A.それをもってしても余りある資源に目がくらんだから。また、精神体となっても超長期にわたって存在できないと考えていたから。
○メルーが叶えた願いごと一覧と順番、()内にて結果と補足。
サエの両親 → 地球に残した自分の子たちの安全。見守り。
(ダンジョンを構えて地中に潜ることは説得によるもの)
オウィノー → ここに辿り着いた者を、生きながらえさせる。(異形化)
ハリオス → 身内の精神強度向上。
(対話により、ダンジョンへ潜った家族の願いも叶えるのが筋と言いくるめ。以下、他の面子も芋づる式に叶えさせた)
バティスト → ロクタック一族の安全確保。(一部領地が浮上)
ウータ → ロクタック一族の思い入れがある場所の保全。(一部城内施設の維持)
コモス → 食に困らない環境。(ダンジョン内部に生成される資源を食糧特化)
ヌワ → 外敵との遮断。領民の退避。(バティストと願いがいささか被ったため、安全に一族以外を領地外へと転移ささた)
サエ → 家族になって!(妹、爆誕。本編参照)
ルン → 異世界との交流手段の確立。(本編参照)
フィドモン → 外界へ繋がる手段の確保。(転移道具の設置により、城から下界に自由に行き来可能)
ユウェタース → ほかのものに紛れられる手段の確立。(異形化したもの、それぞれが努力すれば変化の術会得可能に)




