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春夏秋冬-season-  作者: 森の家くま
2/4

-斉奏・ユニゾン-

中学生活も残すところ後一年

俺達4人は全員が同じ高校を志望している事もあり毎日誰かの家で集まって勉強会を開いている

ちなみに今日は東雲家で勉強会だ…

という事は…


『夏!あんたまた間違ってるわよ!何回教えたら理解できるの?あんたもしかしてお猿さんなの?』


やっぱりこいつがいるよな…

春乃は校内でも成績優秀で既に俺達4人が志望している高校に推薦で合格している

昔から俺達について回っていたせいか

女子といる時はいかにも女の子というキャラなのに…


『春ちゃん…なっちゃん不器用だから細かい計算とか苦手なんだよ…許してあげて…ね?』


今にも目からキラキラという効果音が出そうな上目遣いで秋風が春乃に視線を送る


『秋ちゃん、その目は反則よ…尊いわ…

もう本当に秋ちゃん夏に甘いのよ…』


深いため息をついた後俺の隣に座って春乃が説明を再度始める


それにしてもなんでこいつこんなにいいニオイがするんだ…


こんなんじゃ勉強に集中出来る訳がない…


春乃の髪から漂う甘いニオイに気を取られて落ち着かない…


『もう…あんた本当にこのままじゃ受験終わるわよ?』


『わかってるよ、うっさいな…』


パシッと鋭いツッコミが頭に入る


『あんたがいなきゃみんなで遊べないじゃない…バカ夏…』


春乃が小声でなにか言ったが聞き取れなかった


『春乃、お前まさか夏の事が好きなのか?』


『はっ⁈な、な、な、ななにを言ってるの冬⁈ありえない、ぜっったいにありえない!

なんで私がこんな猿人を好きなわけ⁈』


顔を真っ赤にしながら必死になって反論する春乃をみて納得のいかない顔の冬人


『ちょっと待て、誰が猿人だコラーッ!』


『あんた以外に誰がいんのよ!バカ夏!』


『さっきから大人しく聞いてりゃ言いたい放題言いやがって!この万年Aカップが!』


『あ、あ、あ、あんた、人が気にしてること言ったわねー!

ぬっころす‼︎』


秋風が一生懸命春乃を抑えつけようとするも見事に転がされる


『まぁまぁお二人さん、夫婦喧嘩は犬も食わないっていいますから〜www』


『なんで私がこいつと夫婦なのよ!』

『なんで俺がこいつと夫婦なんだよ!』


それは見事なユニゾンだった…


『息ピッタリwww』


春乃の蹴りが春市の顔面にめり込みKO

春市…お前は本当にバカだな…


休み明け朝からやけに教室がざわついている


『なぁ春市、今日ってなんかあるのか?やたらみんなはしゃいでるようだけど』


特に男子連中はそわそわしてなんともいえない気持ち悪さを感じる…


『夏くん、君はいつも重役出勤だから朝の出来事を知らないんだね〜』


春市のニヤニヤした顔にイラッとしながらもこの騒ぎの原因が気になってしかたない


『で、朝の出来事ってのは教えていただけるんですか春市さん?』


『仕方ないですねー夏くん、実はですね…今日学校の前にリムジンが止まっててですね…

なんと、めちゃくちゃ美少女が降りてきてそのまま校長室に保護者の方と入って行ったんです!』


なるほど、この騒ぎの原因はその美少女が転校生でどのクラスにくるかそわそわしてたわけか…


それにしても中学3年のこの時期に転校してくるなんてアニメの中でしかありえないと思っていたが現実にあるんだな…


ガラガラという音にクラスメイト全員が一斉に反応する


『はい、みなさんおはようございます』


入ってきたのは担任の先生だけだ


クラスメイト男子のまるで人生が終わったかの様なため息をが鳴り響く中よろよろと手を上げながら春市が立ち上がる


『せんせい‼︎‼︎転校生は?あの美少女はどこですか‼︎‼︎なぜうちのクラスじゃないんだー‼︎‼︎

なぜなんだーーーー…』


『おいおい、春市落ち着け、先生まだなにも喋ってないぞー、柊木さん入ってきて下さい』


その瞬間ワールドカップで日本がゴールを決めたかのような声援がおこる


『柊木小鳥と申します短い期間ですが本日より皆様とご一緒させて頂きます』


なんとも丁寧な挨拶

春市や他の連中が騒ぐのも無理はないか…

外国の血が混じっているのか?髪の毛はシルクの様な白銀色、雪のような白くきめ細かい肌小鳥という名前どおりの小柄な美少女だ


『先生も人が悪いや!さっさと一緒に入ってくればいいのに、もうこの女たらしー!』


『春市、お前そんなに廊下に立ちたいか…そうかわかった、お前は今日1日廊下に立って授業うけろ…』


額の血管がはち切れそうなくらいピクピクしてる担任に大人だなと思った15の朝だった



授業が終わり担任に平謝りしてなんとか教室に戻る事を許された春市だがお目当の美少女は春乃を含めたクラスの女子に囲まれて近づく事すらできない


『はるちー残念だったねー』


女子の群れに呆然としているミイラのような春市に秋風が苦笑いしながら慰めの言葉をかける


『ふん、たかだか転校生になにを浮かれているのだお前らは…』


柊木の隣の席の冬人は女子の群れに居場所を奪われたらしくイライラしたようすだ


『冬人くんはあの美少女に興味ないんですか?大丈夫ですか?勉強しすぎて頭バグったっすか?』


『春市、貴様一度沈めるぞ…』


『冬ちゃん…落ち着いて…ねぇ、なっちゃん笑ってないで止めてよーーーー』


春市を捕まえようとする冬人を必死に抑える秋風が面白くて笑いが止まらない


ふと視線を柊木にうつすと柊木の視線は秋風に向いていた


なにかを確認しているような視線に疑問を抱きながらも月日は流れる


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