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春夏秋冬-season-  作者: 森の家くま
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-秘密の夢-

登場人物

兵藤夏ー物語の語りと主役的位置付け

天才的なリズム感と運動神経を持つが音楽の先生がサジを投げるほどの音痴


橘花秋風ー夏の幼馴染の優しいふわふわ系

中学時代に夏に声を褒められてから歌う事に対して人一倍熱心天才学生ソプラノ歌手


葛西冬人ー夏の幼馴染冷静に見えて実は負けず嫌いHM/HRが好きで知識が豊富

語り出すと止まらなくなる


東雲春市ー夏の幼馴染典型的なおちゃらけキャラ

自由人だが周りの人をしっかり観察していて実は誰よりも冷静に状況把握が出来る


東雲春乃ー春市二卵性双生児の姉

面倒見が良く誰にでも態度を変えることのない真っ直ぐな性格


柊木小鳥ー後に夏達と同じ学校に転校してくる美少女音楽の才能に長けている


なっちゃ〜ん!


夏〜!


夏くん早くして〜!


はぁ…また騒がしい奴らが呼んでる…


日差しが暑い夏に広々とした公園で

今日も子供達の元気な声が響いてる



これは俺達幼馴染の過ごしてきた

かけがえの無いほんの1ページだ




はぁ…なんで毎回毎回こんな事させられてるだろ…


夏は心の中でそう思った


音楽の授業が始まるたびに毎回気持ちが重くなる


『せんせーい!

夏の声がうるさくて歌えないです!』


冬人が先生に抗議し始めた


『冬人くん、夏くんも一生懸命やってるんだから我慢してねー』


先生それはフォローなのか?

フォローにしてはなんだか悲しくなるんだが…


『秋風なんて歌ってすらいないじゃないか!』


秋風までとばっちりをうける


『はぁわぁ…僕みんなより声が小さいだけでちゃんと歌ってるよ〜…』


弱々しく冬人に反抗するも秋風のまるで女の子のような細い声は冬人に全く届いていない


『秋風はちゃんと歌ってるわよ!冬人、あんた耳おかしいんじゃない?』


秋風に食ってかかった冬人に対してもの凄い剣幕で春乃が反論する


『ふん、小さい声で歌っていたってなんの意味もないだろ』


そう反論する冬人の声はだいぶ小さい…

やはりさすがの冬人も春乃には敵わないか…


『春乃相変わらず怖ーwww』


『春市、あんたぶっ飛ばすわよ!』


また春市のやつ…

いらないこと言って

後で泣くのは自分なのに…



『ほら、みんな仲良くしてねー!

じゃ続きから始めるよー!』


午前の授業が終わってやっと昼休みだ…

中庭で昼寝でもするかと人目につかない昼寝場所をさがしていると秋風がしょぼくれた顔をしながら膝を抱えてポツンと座っている


あぁ…あれはさっきの授業で冬人の言ったこと気にしてんだな…

全く…


『なぁ秋風』


『なっちゃん…どうしたの?』


それは俺のセリフだ


『冬人の言った事気にしてるのか?』


膝を抱えながら秋風が話始めた


『僕ね、自分の声が嫌いなんだ…

歌を歌うのは好きだけど…

女の子みたいな声が本当に嫌なんだ…

なんで僕だけこんな声なんだろ…

昨日も電話に出たら妹と間違えられたし…』


まぁ確かに間違えられても仕方ないのだが…

たぶん俺も人の家に電話して秋風が電話にでたら女の子だと思うだろうな

それくらい繊細な声をしてる


『でも、俺は秋風の声好きだよ』


顔を赤くしながら秋風は照れくさそうにしている


言っておいてなんだがその秋風の顔を見て俺まで照れ臭くなってしまった…


『ねぇ…なっちゃん…』


『ん?』


『僕…実はね…どうしても叶えたい夢があるんだ…』


『へぇー叶えたい夢か、どんな夢なんだ?』


少し間をおき息を吸い込んでなにか決意したように秋風はいう



『僕、歌手になりたいってずっと思ってるんだ…』



正直秋風がそんな夢を持っていたなんて全然知らなかった


俺や秋風、冬人、春市、春乃は家が近い事もあって幼稚園からの幼馴染だ

もう10年以上一緒に過ごしている


『へぇ…知らなかったな』


『そりゃ、なっちゃんにしか話してないからね』


クスッと笑いって秋風は話を続ける


『なっちゃん、幼稚園の頃にみんなで映画を観に行ったの覚えてる?まだ小さかったから内容ほとんど理解できないくせにみんなで映画をみるってだけで興奮してはしゃいだよね』


確かに昔幼馴染4人と秋風のお母さんで映画を観に行った覚えはある

大きなポップコーンをみんなで奪い合って食べたっけな…


『あの映画の主題歌歌ってるの男の人なの知ってた?』


『え、俺の記憶だと女の人だったと思うけど?』


また秋風はクスッと笑う


『ふふっ…あの曲は男性ソプラノ歌手が歌ってるんだ!世界的に有名な人でオペラの舞台とかチケット取るのすら難しい人なんだよ』


秋風が晴れた空の流れる雲を見つめながら懐かしそうな顔をしている


『お母さんがね…あの曲が大好きで僕があの曲を歌うと凄く嬉しそうだったんだ…入院してた時お見舞いに行って歌を歌ってあげるとニコニコして褒めて頭を撫でてくれたんだ…』


秋風のお母さんは数年前に病気で亡くなってしまった

俺達4人が遊んでいるのをいつもニコニコしながら見守ってくれていた

優しくて綺麗で明るい人だった…


『だから、僕は歌で誰かをもっともっと笑顔に出来る人になりたいって思ったんだ』


『秋風ならなれるさ、お前が歌がうまいのは俺がよく知ってる』


キョトンとした顔で首を傾げながら俺の顔をみる秋風


『お前、たまに二階の部屋で外見ながら歌ってるだろ、俺の部屋お前の部屋の隣だから聴こえるだよ』


そういうと秋風は顔を真っ赤にしながら涙目で俺に猫パンチをしてくる…


『なっちゃん、なんでもっと早く教えてくれないの?本当に恥ずかしいんだけど!』


『いや、俺も気がついたのは最近だよ、最初は気がつかなかったんだ

あんまりにも上手いからCD流れてると思ったんだ』


それくらい秋風の歌がうまいってことだ


秋風はプイッと俺から顔をそらす


『ふんっ、そんなこと言ったってなんもあげないよ!』


怒った様に振る舞っているが歌を褒められたのがよほど嬉しかったのか尻尾を振る犬の様だ…


『なれるといいな』


『そうだね』


満面の笑みで秋風は答える



初投稿作品読んでいただきありがとうございます。

読みにくいのは

自分がよくわかっているので

優しい気持ちで読んでもらえると嬉しいです。

コメントなどいただけるとちょっと成長するかもしれませんw

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