1・宇宙のハジマリ
むかしむかしあるところに、パステル色の銀河があり、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
ある日、おじいさんは隣の銀河へ首狩りに行きました。おばあさんは向かいの銀河へ借金の取り立てに行きました。
出かけている間に台風がやってきて、パステル色の銀河は雨に流されました。
銀河はどんぶらこどんぶらこと、宇宙を流れていきました。そして、パステル色の海蛇になりました。
おじいさんとおばあさんは海蛇に命令し、新しい銀河を作らせました。一つはチャーハンの銀河で、もう一つはお茶漬けの銀河でした。
おじいさんはチャーハンに、おばあさんはお茶漬けに住みましたが、あまりにも熱くて五分で上がってきてしまいました。
二人はパステル色の牛乳を飲み、星に乗って旅に出ました。
海蛇は一人になってしまったので、チャーハンとお茶漬けを作り続け、長く尖ったしっぽで時々隕石を砕きます。隕石のかけらは塩こしょうになります。
おじいさんとおばあさんは百二十歳を超え、元気に旅を続けています。たくさんの銀河を通り抜け、髪も肌もつやつやです。
おじいさんとおばあさんの通ったところは、新しい宇宙になりました。パステル色の海蛇に囲まれた、丸くて柔らかい宇宙です。ぽよんぽよんと星が飛び交い、チャーハンとお茶漬けのいいにおいがします。