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「茜の出した条件」

 ~~~深見鷹ふかみたか、279日前~~~




「それがあんたが、ここに住むための条件よ」


 コピー用紙にサインペンで赤字で書いてあかねが壁に貼りだしたのは、およそ信じがたい条件だった。


・茜(様)の予備機を使い、一日最低十時間を執筆に費やすこと。

・文字数は一週間で三万五千字とすること。

・ひと月に一本、完結作品を仕上げて公募に投稿すること。

・食事他、茜(様)の身の回りの世話はすべてまんべんなくこなすこと(特に料理!!!)。


「や、ちょっと待って。おまえ最初そんなこと言ってなかったじゃ……というか最後のはともかく、一週間で三万五千とか正気か? 一日五千字書けってことだぞ?」


「一時間五百字とかものすごい有情じゃない。それにねえ、もともとがおかしかったのよ。年頃の女の子がウソつきクズ男をタダで泊めてやるとかあり得ないでしょ。これぐらいの条件、達成して見せなさいよ」


「うう……っ、それを言われると……っ?」


 正しい反論に、俺は詰まった。


「それによく見てみれば、ひとつひとつは難しいことじゃないじゃない。一週間で三万五千字、四週間で十四万字。残り二日ないし三日で見直し、投稿。これをひたすら繰り返すだけよ」


「簡単に言うけどさあ……」


「簡単よ。だってあたし、毎日四万字書いてるもの」


「え……生き物なの……? 実はアンドロイドとか、どこか別の星の知的生命体だったりしない?」


「闇雲に書けばいいってもんでもないけどね。最低限のラインってあるし。でもまあ……」


 茜はギロリと俺をにらみつけた。


「あんたの場合、とにかく量だと思う。ね、ちなみに聞くけど、今まではどれぐらい書いてたの?」


「一日ってことか? やあ、それは……別にその……計算とかは……」


 多く見積もっても平均千字です(小声)。


「まったくしてないってわけね。ただただ気の向くままに書いてたと。まあわかってはいたことだけど……」


 茜はハアとため息をついた。


「とにかくその辺の問題点から洗い出していきましょうか。そもそもどうして執筆速度が遅いのか」

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