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男装美少女は男の娘に夢中!  作者: サウス・ジュン
6/7

6 本妻さんは彼氏持ち

今年最後の更新・・・来年もよろしくお願いしますm(__)m



「おや?噂をすれば・・・桐華とうか、彼女・・・いや、彼がゆきだよ」


生徒会室に入るなり先輩がいきなり僕の性別を間違えそうになっていた。

その先輩の紹介に対して、同じ部屋にいた、いつもはいないはずの人物・・・ポニーテルの黒髪に凛とした雰囲気が特徴的な女子は驚いたような表情を浮かべた。


「ねえ、ひろ・・・本当に彼は男の子なの?どこからどうみても女の子にしか見えないけど・・・」


「だから言っただろ?面白いって」


「あの・・・先輩?そちらの方ってもしかして三國先輩ですか?」


「おや?ゆきは桐華のことを知っていたのかい?」


「いえ、さっき親友に噂を聞いたので・・・」


まさか、本人に会えるとは思わなかったけど・・・


そんなことを考えていると三國先輩はこちらに近づいてきて笑顔を浮かべた。


「自己紹介がまだだったわね。私は三國桐華・・・一応生徒会副会長で・・・ひろの幼馴染かな?」


「えっと・・・1年の真白ゆきです。一応男です」


「ふふ・・・本当にひろと真逆なのね・・・」


面白そうに僕を観察する三國先輩。


「ところでゆき。さっきの噂って?」


「あれ?先輩は知りませんか?なんか僕が先輩の愛人になったとかいう噂があるらしいですよ」


「ほほう・・・さしずめ本妻は桐華かな?」


「ちょっと、やめてよ。私はちゃんと彼氏いるノーマルなんだから」


「三國先輩、彼氏いるんですか?」


「ええ。ちなみに、ひろは今彼女・・・じゃない、彼氏いないフリーだから大丈夫よ」


「桐華・・・ゆっくり絆を深めてるから余計なことは・・・」


珍しく戸惑ったような表情の先輩。

何の話かはわからないけど・・・


「あら?ひろにしては慎重・・・というか奥手ね。珍しい」


「本気で欲しいと思ったからね・・・失敗はできないさ」


「ふふ・・・そう。あ、真白くん・・・ゆきくんって呼んでもいいかな?」


唐突にこちらに話を向けられて少し面食らうがなんとか首肯く。


「ええ。構いませんよ」


「じゃあ、ゆきくん・・・私のことも桐華でいいわ」


「わかりました。桐華先輩」


桐華先輩はその僕の返事に満足そうに頷いてから「それじゃあ、後はごゆっくり」と言って部屋を出ていった。


僕は桐華先輩が出ていってから、先輩に近づくと手に持っていた先輩用のお弁当を渡した。


「先輩。今日の分です」


「いつもありがとう。ゆき」


「気にしないでください。ところでさっきは桐華先輩と何を話されていたんですか?」


「うーん・・・強いて言えば恋話かな?」


「先輩もそういう話するんですか?」


「意外かい?」


見た目的にはもちろん意外です。

ていうか・・・


「先輩並みに美形ならそういう話は色々ありそうですが・・・」


「私は自分で言うのも何だが・・・このとおりイケメンだからね。どちらかと言えば同性にモテてしまうんだよ」


「大変ですね」


「君もだろ?」


否定できないのが残念だ。

僕も割りと女と間違えた男にナンパならされることはしょっちゅうだけど・・・


「さて、とりあえず食べようか」


「そうですね」


先輩と並んでお弁当を食べる・・・さらりと隣に座ってくるのはいつものことなのでもはやスルーだ。


「そう言えば・・・ゆき。さっきの噂はかなり広まってるのかい?」


僕の作った玉子焼きを口に運びながら先輩が問いかけてくる。


「ええ。僕の親友が言うにはかなりの生徒が知ってるそうです」


「そうか・・・君はそれに対して何か思ったかい?」


「そうですね・・・」


梅干しを口に含んで少し考えてみる。

先輩との噂は・・・


「先輩みたいに美形な人と本当に付き合えたらうれしいなぁ・・・とかですかね?」


「!?そ、そうか・・・つまり、多少は意識されてはいるのかな?」


「先輩?」


何やら顔を赤くして呟く先輩。

大丈夫かな?


「いや、気にしないでくれ。にしても・・・ゆきの料理は美味しいな」


「そうですか?」


「ああ・・・毎日、昼が一番楽しみだよ」


そこまで言われると照れるが・・・


「褒めすぎですよ。僕の腕なんてたかが知れてますし・・・」


「そうかな?あ、もしよければこんど我が家で作ってくれないかい?」


「いいですけど・・・先輩の家って、調理器具あります?」


あんまり家事しない家族と聞いてるし、何よりそれなりにお金持ちらしい先輩の家なので、それによっては持ち物が多くなりそうだし・・・


「もし、あれなら、僕の家に来ますか?狭いですが・・・」


「是非とも頼む!?」


珍しく慌てたように詰めよってくる先輩。

そ、そんなに家庭の味に飢えてるのかな?


この時のことは・・・今思い返せば、なんて自分は鈍感なんだろうと思えて泣けてくる。








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