3 なんでシンデレラなの?
ひっそりとこちらも更新・・・こっちはさらに文体を崩して読みにくいかもしれないですがご注意を。
「なあ、親友よ・・・イケメンとくっついたってのは本当か?」
真面目な顔でそう訪ねてきたのは友人の篠塚和也。見た目はそこそこイケメンな友人は真面目な顔でアホなことを聞いてきたのでとりあえず後で人気がないところで殴ろうと決意してからうんざりした表情を作って聞いてみた。
「どんなデマなの?」
「知らないのか?結構今話題になってるぞ?我が校の『シンデレラ』に男の陰が!(ざわざわ)・・・みたいな感じで」
「その『シンデレラ』が誰かは知らないが・・・確かにこないだ美形とは知り合ったよ」
「マジでか・・・とうとうお前は目覚めたのだな・・・」
「うん。とりあえず僕の話を最後まで聞いてから判断してよ。勝手に僕がホモーになったとか判断しないでよ」
勘違い甚だしい親友に僕はおそらく先輩のことだろうと思い、こないだ先輩に助けられた件を話したら・・・今度はまた微妙な表情を浮かべた。
「それ・・・大丈夫なのか?お前にしては随分と軽率なことだが・・・」
「そう?」
「そりゃ、お前・・・普段なら女だろうが助けられてホイホイアドレス教えたりしないだろ?そんなお前が・・・」
「うーん・・・言われてみたらそうかも・・・」
なんとなく先輩のインパクトが強くて押された感があったけど・・・よくよく考えてみるとかなり軽率な行動だったかな?
そんなことを考えていたら何やら教室が騒がしくなってきた。
昼休みだから当然と言えば当然なのだが・・・入り口で女子が「きゃーきゃー」言ってるような感じの騒がしさに思わず和也と共に振り向くと・・・そこには女子に囲まれている件の先輩がいた。
「なあ、親友よ・・・まさかとは思うがあれか?」
「ごめん・・・あれかも・・・」
「マジか・・・まさか『王子』と『シンデレラ』の組合せとはな・・・噂も馬鹿には出来ないな」
「やっぱり先輩って有名なの?」
「そりゃお前・・・水無月高校の『王子』と言えば知る人ぞ知るイケメン女子高生だろ?」
謎の単語だけど納得は出きる。
イケメン女子高生か・・・
「ちなみにお前はひっそりと水無月高校の『シンデレラ』と呼ばれているぞ?」
「別に継母に虐められたり、カボチャの馬車に乗ったり、ガラスの靴を履いてはいないんだけど・・・」
「あれじゃね。見た目が銀髪だからじゃね?」
「シンデレラは銀髪じゃないでしょ?」
「まあ、他の高校に白雪姫がいるからシンデレラなんじゃねぇの?」
嫌なあだ名に顔をしかめて会話していると徐々に近づいてくる先輩の姿・・・・そして聞こえる後ろからの女子の悲鳴(一部は野太いような・・・)に顔をしかめていると、とうとう僕の目の前にたどり着く先輩。
「ゆき、ここのクラスにいたんだね」
「おはようございます先輩。何か用ですか?」
当たり障りないようにそう聞くと先輩は笑顔で手に持っていたビニール袋を持ち上げて言った。
「一緒にお昼を・・・と思ってね。もう食べたかい?」
みれば確かにそのビニール袋にはおにぎりらしきものが見えた・・・先輩って、意外と和風なのかな?
「調度食べようと思っていたところですが・・・」
「だったら、一緒にどうだい?」
ニッコリとそう提案する先輩・・・なんだろ・・・この人には逆らえないオーラがあるように感じるよ。
「和也・・・」
「うん?大丈夫だよ。後はまかせろ。行ってこいよ」
親友の後押しに渋々ながらも頷くと先輩は「じゃあ、行こうか」とくるりと背を向けると歩き出した。
周りの視線が痛いよ・・・・