1 問題、性別とは何で判断する?
別の作品が予想外に読まれてビビった作者が逃避のためにかいた作品(きちんと続きは考えてますよ?)
突然だけど性別てなんだろう?
男と女・・・世の中には2種類(場合によっては3種類)に分類されるけど、結果的には外見で判断されるだろう。
偏見ではあるが、男なら逞しく・・・女なら柔らかく・・・そんなイメージ。
しかし、何にでも例外は付き物だ。
つまり何が言いたいのかって?
「ふふ・・・可愛いね。ゆき」
現在僕は何故かとびきりのイケメンさんに壁ドンされています。
金髪の西洋風な顔立ちなのに・・・穏やかな顔はまさに王子と言っても差し支えないレベルで、女の子なら誰でも一度は憧れそうなまさにTHEイケメンだ。
普通の女の子ならうれしい状況なのだろうが・・・僕はちっとも嬉しくはない。
・・・・いや、訂正すると嬉しくないわけではないが困惑の色が強いかな?
「あ、あの・・・先輩?」
「なんだい?」
「今更ですが・・・普通は逆じゃありませんか?」
「絵面的にはピッタリだろ?」
その返答に内心で悔しくも納得してしまう自分。
そんな僕の顎をくいっとあげて先輩は誰もが見惚れるような笑みを浮かべた。
「嫌かい?」
「い、嫌ではないですが・・・」
すみません先輩。恥ずかしいんです!
そんな僕の内心を見透かしたかのように先輩は頬笑む。
「ふふ・・・ゆきは本当に可愛いね」
その微笑みに不覚にもときめく自分・・・うん。これ知らない人がみたら普通に口説かれてる光景なんだろうけど・・・実際はわりと複雑な絵面なんですよ?
「本当に・・・男とは思えない程に可愛いよ」
そう・・・僕、真白ゆき(ましろゆき)の性別は男。いくら見た目が銀髪で長めの髪で、身長が150㎝ほどと女子と変わらず、肌が真っ白で、少しだけ童顔気味で、声が少しだけ高めで、家庭的なスキルがあったとしても・・・普通に性別は男なのだ。
とはいえ・・・
「先輩にそれは言われたくはないです」
「それもそうか」
僕の指摘に肩を竦める先輩。
「なにしろ私も女にしてイケメンだからね」
パチリとウィンクつきでそう言ってのける先輩。
先輩・・・矢島ひろ(やじまひろ)先輩は見た目は完璧な美男子なのだが・・・これでも性別は女なのだ。
つまり何が言いたいかって言うと・・・
「お互い、性別を間違えたとしか思えない程に真逆ですね・・・」
美少女な僕と美男子な先輩。
男なのに女みたいな僕と・・・女なのに男みたいな先輩。
正反対の二人は会うべくした会ってしまった。
しみじみ思う。偶然であって欲しいと。