表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青空の天使  作者: 夏蜜柑
6/39

危険

「……弟は死んだし、父と母は生きてるかすら分からない、か」

「弟?」

そういえばこいつは最近来たばかりのガキンチョだったな。だから、弟の事も知らない。

「私が入っていた牢の隣部屋にいた奴だ。やはり最近来たばかりのおチビちゃんは知らないのか?」

「…………どう見ても、お前の方が圧倒的にチビだろ」

「黙れ、ガキ」



「隣のっていうと、エルヴァか。去年あたりにはもう死んでいたっけ。」

「ふーん。ガキンチョの割にはよく知ってる。」

「一応あそこの団長だったからな。牢の中の奴は大体把握して……」

その時、背筋に悪寒がした。

危険という文字と赤い血の色がが頭を埋め尽くす。とてつもない危険が迫ってる。ヤバい、ヤバい。

よく耳を澄ますと、嗚咽と悶絶の叫びが聞こえてきた。

だんだん近くなってきた。まだガルムは気づいていない。悲痛な叫び声がここまで届いてやっと気づいたようだ。

「……なんか来てるな?」

「気付かないのか。バカめ。」

「バカじゃねーっての。で、この叫び声、一体誰のだ?」

「多分腐乱死体(アンデット)だろうな。この叫び声の多さから見ると、少なく見ても数十程度か?」

「それにしても、凄い足音だな。腐乱死体(アンデット)が走ってんのか?」

「それはないな。腐乱死体(アンデット)たちは走れない。全身の筋肉がほとんど腐り、溶けていったため走る程の力はない。餌をとる方法は知ってるか?

………鋭い牙と爪で致命傷を負わし、弱り切ったところでかぶりつくんだ」

「お前、やけに詳しいな。」

「お前じゃない。サリアだ。家にあった本を読んでいたらこの情報が載ってたんだ。まぁ、正しいかは分からないけどな。」

家には一生かかっても読み切れないほどの本があった。誰が集めたのだろうか。

………まぁ、そんなことよりも早く逃げなくちゃな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ