足枷
「……ほう、驚いた。まさか、お前がエルフだとはな。」
「俺は母がエルフで、父が人間だ」
「ああ……混血か」
混血はエルフの中であまり好かれていない。もちろん人間にも、半分混じってるという事で嫌われる。
「母はもちろん殺され、父はエルフと交わっていたものとして処刑された。」
「それは可哀想なこった」
別に私には関係ない。
「お前は良かったじゃないか。人間にもエルフにも嫌われてるのに、人間の騎士団長になれたんだから」
「俺自身の手で自分の父親を処刑したら、騎士団長に抜擢された。」
「良かったな。ゴミ処理できて」
ボソリといった言葉を聞いて、騎士団長の無表情だったその顔は、怒りに満ちた。
私の首をその筋張った手で絞めにかかる。
「っぁ……殺せ……ぅっ…よぉ……っ!」
もう最後の支えの弟も死んだ。
こんな世界、私には関係ない。
騎士団長は首を絞めていたが、やがてふっと笑ってやめた。
「……分かった」
男は腰にぶら下げていた細身の剣を抜き出した。早く殺せ。殺せ。殺せよ。
大きく振りかぶった。
「………」
こいつは何がしたいんだ。
男は、長く伸びた私の髪を肩までの長さに切った。殺してくれないのか。
「これでエルフのお前は死んだ。ここにいるのはただのサリアという女性だ!さぁ、早く出ろ!」
男は言い終わると、私の魔法の足枷を切り落とした。
ガルム
エルフと人間の血が混じってる?
魔法よりも剣が得意で、白髪に茶髪が少し入っている。目はサリアと同じ