謁見
冷たい石の廊下を進む。手は錆びきり赤くなっている鉄輪に繋がれたままだが。
「あー、お腹すキました~」
「私は甘いお菓子が、食べたい」
「……お前ら、さっきから聞いてたが捕まっているという事を分かってるのか?」
前を歩く、呆れ果てた顔をして兵士が振り返りそういった。
「ないな。」
「ガルムに賛成」
「サリアさんに賛成デす」
兵士はもう完璧に諦めたようで溜め息を一つついた。よく見るとまだ年は若いというのに、少し白髪が混じってる。苦労してるんだな。
「……くれぐれも、我がポルテ王に粗相のないようにしろよ」
白い石の階段を上がる。嫌に静かだな、と思うが気にせず言葉を紡げる。
「相手によってだな。ゴミのような男だったら私は帰るぞ」
「は?……お前ら、知らないのか?」
赤い宝石で出来た花の扉が開かれた。
赤い絨毯の先にある宝石で彩られた玉座には
「ウチの王は、女だ」
若いが少し太い女が座っていた。
「……旅の者よ。先程は何の話もなく牢になど入れて申し訳ありません。兵への教育が行き届いてなかったばかりに……」
女王は立ち上がり深々と頭を下げた。
珍しい王だと思っただけで、それ以外に何も思わなかった。
「大丈夫だ。頭をあげてくれ」
「はい……」
顔を上げた女王の顔はそれなりに美しいが、私には敵わない。
「えーっと……女王サマは俺達にどんな用が?」
「それは」




