魔神
魔神がいるという道は街から出てすぐの所にあった。
「………あ、あレですか?」
「そうだろうな?可愛らしいな」
見た目はヤギのツノを、さらに太くしたツノが生えている皮膚の青い半獣人といったところだろうか。
だがかなり上位の悪魔だろう。
その魔神は、私たちの姿を見るなり青い皮膚をさらに青くした。
「大丈夫です!直ぐにどこかに行きますので!」
と言って、直ぐに消えてしまった。
なんだか拍子抜けである。
「なんだったんでショウね?」
「俺にはわからん」
「私にもわからん」
話をしながら来た道を戻ると、周りの人々が変に私たちを見ている。一人の兵士に団長が呼んでいると言われた。
騎士団長の所に行くとゴミでも見るかのような目をされてこう言われた。
「……ガキ、てめぇよくも………!」
「は?」
どうやら、あの魔神が逃げる所を運悪く騎士団員が見ていたらしい。騎士団員は彼奴らはグルだと考え、他の人に伝えたらしい。それが国中を周り彼の耳に入った……っていう。ていうか情報回るの早いな。
「……まぁ良い、金は全部やる。だからあの魔神に襲わせないでくれ…」
小さな目の奥に微かな怯えが見えた。その怯えはわたしの加虐心をくすぐるようなものだった。
時々、その辺の男に喧嘩を売りながら歩く。
それをメイリンに止められるが、気にせず喧嘩を売り本当に路地裏で殴り合いそうになった。
「金は手に入ったけど釈然としねぇ。……サリア、本当に彼奴と知り合いとかじゃないのか?」
「さっきから何度も言ってるだろう?あんな肌色の悪い野郎とは、知り合いでもなんでもねぇ」
「ていうか、なんでこんな服装にシタんですか!?」
「……いや、男を落とすには丁度良いかと思って……」
「男ヲ落とす予定なんてナいですよ!」
防御力は高いし可愛いしで一石二鳥だと思う。だが、もっと露出が高ければなおよし。さて、暫くぶらついていると二、三人の兵士に拉致された。
そして何の説明もなしに牢屋に投げ込まれた。理不尽というやつだ。




