洗いっこハアハア
あまり休まず歩き続けたおかげで、夜にはポルテに着いた。取れかけていたフードを被りなおし、宿屋に入り部屋をとる。
体が汗臭いことに気づいたので、宿屋の主人にどこに風呂があるか聞いたところ、地下室に沸いてるのしかないと言われた。それにしても何で地下に風呂が沸いてるんだろ。
「あっ!お師サん!私も一緒に付き添いマス!」
メイリンと一緒に入る事になった。
案外彼女は押さえつけているだけで、本当はかなり大きかった。身体が大きめな彼女に抱かれるようにして洗われた。
「お師さんって、本当に子供みたイですヨね?小さいし……」
「誰が小さいだ?」
「ふふっ………すみません」
また、珍しく私が彼女の頭を洗ってやった。
「そろそろ出て、寝ましょウ?」
「そうだな。」
白い寝間着を着て、部屋に戻る。
メイリンのベッドに、せめて疲れが取れるようにと、ラベンダーの香りがする魔法をかける。
最近ナイフの刃が鈍ってきているので、砥石で研いでから寝ることにしよう。
朝起きてすぐに宿屋から出る。まだ早朝のためか、どの店も開いていない。空はまだ薄暗い青紫色で、太陽は顔を出してはいない。
ぐるりと一周してから、宿屋に戻る。口髭をたっぷりと蓄えた主人は流石に早起きで、眠気覚ましの樹蜜を飲んでいた。彼と二つ三つ言葉を交わして、ガルムが寝ている部屋に戻る。
まず先にガルムを起こす。
「おい、下僕。起きろ」
「ん………なんれすかー?おチビさん」
「黙れ、退治するんだ。」
「はぁ?…………何を?」
「最近金が少なくなってきたと思ってな。……宿屋の主人に聞いたところ、魔神が道を塞いでいるらしい。そいつを退治して、金をたんまりとせびりとろうって訳だ。分かるか?」
「分かってしまう自分が憎い」
ガルムは頭を抑えて、少し残念そうに言った。




