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青空の天使  作者: 夏蜜柑
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温泉での事件

先にガルムが村の中の防具屋というところでフードのついた服を買ってきてくれた。白髪だとバレないように、フードを深く被って村に入った。

クリュスの村は外に出てきたばかりの私にとっては、とてもうるさかった。

噴水の周りで追いかけっこをしてるガキ二人に樹蜜売り、港町だからか船乗りらしき人間もいる。

「今日はここで泊まるか。」

「こんなうるさいところでか?」

「そうだが?」

「………ありえねぇ。野宿の方がましだ」

「それなら魔物に喰われてろ」

「分かった泊まるよ」


宿屋の一室に入る。

どうやら、話を聞いた所によるとこの近くの森に共同の温泉があるらしい。牢屋に居るときは気にならなかったが、改めて嗅ぐと凄い匂いがする。例えるならばゴブリンの鼻クソとアンデットの体液の匂い。

「ちょっと温泉に入ってくる」

「おう、そうか。後で俺も行く」


森の中のケモノ道を進んでいくと、 腐った卵の臭いがしてきた。これが昔本で読んだイオウシュウというものだろう。

さらに進んでいくと、湯気が漂う泉を見つけた。あまりの嬉しさに、その場で服を脱ぎ捨て泉の中に飛び込む。

何十年ぶりの暖かい湯だろうか。身体の芯まで温まっていくのが感じられる。

数分浸かっただけでも、身体が火照ってきた。お湯から出て、周りを見ると近くにベンチがあった。そこに座る。

心地よく冷たい風のおかげで身体はすぐに冷めた。もう一度入る前に、身体を洗いたい。

宿屋の主人から貸してもらった木桶にお湯を汲み身体全体に、ザバッとかける。魔法で作り出した泡で身体と頭を洗う。

両方とも洗い終わり、お湯をかけようとしたとき………来てしまった。



「………は?」

「………え?」

ガルムのゴミ屑が来てしまったんだ。

「え?……な、なんで裸?えっ?」

「ばっ、爆破大砲(バーストカノン)っ!!」

炎の球を打ち出す巨大な大砲を作り出し、ガルムに向かって打つ。

村一つを、一瞬にして燃やしつくすと言われてる炎が、ガルムの身体を燃やす。

燃やしてから、此奴を殺したら面倒くさいことになるということを思い出した。

「あ……ヤバい。水魔法(ウォーター)!」

大きな水瓶が現れ、ガルムの頭から水をかけていく。それほど、火傷は酷くなさそうだ。

回復魔法(ヒール)!」

回復魔法を唱えると、軽い火傷もすぐに治っていった。そして私はすぐに風呂の中に沈んだ。


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