番外編ー父の子育て日誌ー
三月 某日
最近、可愛がりながら育てた愛娘(&愛息子、末っ子)がやけに冷たい(ついでに正妻サラも
どうもおかしいと思い、部下のリュウに聞いてみると、ようやく合点がいった。今度アイツの給料をUPしてやろう。
その理由は・・・
子供が・・・反抗期に突入した。
最初は上手くかわされる程度だったが、最近では暗殺者(まぁ、まだ新米レベルだが)並に気配が無く、驚かすというよりは襲うの方がピンと来るような悪戯をしかけてくる。
さすが我が子だ。ちゃんと教育すればきっと良いアサシンになるだろう。血のつながりは素晴らしい!天性の才能だろう。
特に、真人と梨香は凄い。
私の倉庫から盗ってきたのか、普通のワイヤーよりは強度があり、釣り糸より目立たない特注でつくらせたワイヤーに引っかかると上から異臭も触った感じも普通の水と見間違えるほどのガソリンが上から落ちてきて(ポリタンクごと)仕上げに、私が驚いているところに上から火のついたろうそくまで落ちてきた。
さすがにギリギリでよけることができたが、先ほど引っ掛けたワイヤーがいつの間にか足に引っかかっていてさっき落ちてきた火がそれを導火線にこちらへ向かってきて、さすがに焦った。
そして、結局逃げ遅れ火だるまになってしまい、専属の病院へ運ばれた。
私もやはり年には勝てないのかと思った。
すぐに退院できると聞いたので、詳しく医者に聞いたら、
「樹さんは再生能力がすばらしいので明日ぐらいには治るでしょう」
と言われた。
ちなみに、普通の人間だったら入院生活一週間らしい。やっぱり私もまだまだいけるなと思う。
そういえば、私の倉庫は厳重にセキュリティをかけている(この間警察の家宅捜査にも発見されなかった場所にある上、蚊一匹入る隙のないところの)ハズなのに真人と梨香はその場所を見つけ出し、さらにその厳重なセキュリティをあけるなんてさすが我が子だ。
きっと良いトレジャーハンターか立派なアサシンになるだろう。良い事である。
おそらく場所を見つけたのは真人だろう、あの子は情報を集めるのが子供たちの中で飛びぬけうまい。
もし女であれば、表の事業を継がせることができるかもしれない。楽しみである。
ということは、セキュリティを空けたのは梨香か。
あの子はいつもそういうそぶりは見せないが、いざというときの判断力と知能が高い。
もし男だったら瀬崎グループを継がせることができたのに・・・惜しい事だ。
最近では少々いたずらが過ぎるが・・・まぁ、子供とはそういうものだ。
私も若いころは無茶をして本庁に爆弾を送っておこられたものだった。
子供のころが懐かしい。
きっと、子供たちも私のことをわかってくれる日がくるだろう。
楽しみに待つことにする。
それまでは、私も反抗期に負けずがんばろうと思う。
樹