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家族旅行ー始まりー

「久しぶりに休暇がとれたぞ〜!!」


そういいながら黒コートにサングラスをかけた男、樹が入ってきた。



―――――そんなことがあったのが数日前。



「何処行くのさ?」

「ちょっとしたツテで、今回はネズミーランドだ!!」

「やったァ!!ありがとおとーさん☆」

「あっはっは、愛してるぞ我が子よー!!」


そういって樹に飛び込んできたのは、何故か10歳になった今でも性別がハッキリしていない末っ子、真人だった。

性格はどちらかというと女という感じもしなくもないのだが、見た目、行動はまるっきり小学生男子のようなもので、今でも父親と騒いでいた。

そうして、しばらく二人でギャァギャァはしゃいでいると、その大人気ない父に何気ない質問をぶつける声がした。


「ところでお父さん、いつ頃行くの?」


質問してきたのは体の弱い次女の春奈だった。おずおずと聞くが、樹は春奈の頭をなでて安心させるようにし、元気よく言う。


「お前等の学校、もうすぐ長期休暇に入るだろ?入ったらすぐ行こうな!」

「え、めんどくせぇ」


そう間をおかず即答したのはソファで雑誌を読んでいる少年、長男の正樹だった。

正樹は雑誌から目を離さず愚痴をもらす。そんな正樹に樹は、抱き合っていた真人をゆっくり下ろし、正樹の近くによって首をかしげながら訪ねる。


「なんだよ正樹、どこが気に入らないのさ?」

「めんどくさいじゃん、俺人が多いトコ嫌い」

「それなら大丈夫!!なぜなら!!(金とコネと権力で)3日間貸切にしたから☆」

「お前・・・」

「パパと呼んでくれ☆」

「て、いうか何貸切って!!?なんでまたそういう目立つことを!」


そう、樹にモノを投げつけた少女、長女の雫は勢いよく怒鳴る

樹はそれをさらっとかわ・・・しきれずド派手な音を立ててころぶがすぐさま立ち直り、今度は雫の傍に行くと、


「ははは、見たかお父さんの権力☆」


と言いつつ雫にピースをしてみせる。

一方雫のほうは、呆れ顔でその手を払い落とす。


「最悪だね・・・」

「そう硬いこというなって」

「でも、ヤだよ。またマスコミとか来て学校で騒がれるの嫌なのよ!」


そう、聞いた瞬間。樹は無言で召使を招き電話を持ってこさせ、どこかに電話をかけ始める。

何度かコール音がし、あちらで電話を取る音がした。


「おい、私だ。・・・ん?誰かだと?私だっつってんだろうが!!・・・・・・そんなことより、社長を出せ。今そこにいんのはわかってんだよ!・・・・『瀬崎が出せと言っている』と言えばいやでも出てくる。いいからだせ!・・・・・・・・オイ、テメェ次ウチの可愛い雫の学校に取材なんかきやがった日にはお前とコンクリ一緒に海に沈めっぞ。あ”ぁ?取材の記事がないと困るだァ?」


樹が突然黙り、他の召使を呼び黒い革張りの手帳を持ってこさせる。

そして受話器を肩と首のトコで挟みその手帳をペラペラめくり始める。

しばらくして、ようやくお目当てのページに行き着いたのか、再び受話器を手にとり話を再開させる。


「このあいだ、△○証券会社の社長が謎の病気にかかったことは知ってるな?・・・・あぁ、そうだ。その社長・・・あと数週間後何かが起こるぜ・・・・・・・?・・・そうだ。今のうちに取材にいったりして損はねぇと思うが・・・あぁ。そうか。雫の取材は急遽取りやめだな?・・・それはよかった。・・・・・・・・それではな」

     ガチャ

「と、いうわけだ。取材もないし、警備には最高のものをおくから安心して旅行に・・グフォッ!!」


そう先ほどとはうってかわってとても良い笑顔で振り返った先には、跡継ぎのための訓練やそういうスパルタ生活を強いたわけでもないがそこにはしっかりと力のこもった鉄拳があった。


「お父さんの馬鹿ッ!」


最近成長期の途中なのかだいぶ背ものび、母親に似てきてとても美人にそだってきたと思う長女のこぶしは、丁度鳩尾にきまり、樹はうずくまって唸る。


「だからそういう目立つようなことはやめてって言ってるのに!!」

「す、すみません・・・」

「次からそういうのやめてよね!」

「はい・・・」

「全く・・・第一あんな広いテーマパーク岩野叔母さんと侑紀君連れてっても余るし!もったいないじゃん!」


そういう問題だったのか?とその場に居た全員は思うがあえて口にはしなかった。


しかし、その中で勇気ある父|(気づいていないだけ)が名案とばかりにくちにする。


「その辺の心配ならご無用!なぜなら警備兼社内旅行としてわが社の有能なる社員が数十名くるから!!」

「あ、そうなんだ・・・」

「よし!これでみんなの悩みもなくなったことだし!!家族旅行決定!!!!」



―――――――そう決定したのが一昨日


「夢月か?あぁ、二日後ネズミーランド行く!準備しとけよ?」


「侑紀?二日後な、母さんの大事な事、言い忘れてたから・・・三日ほど時間、くれないか?・・・あぁ、そうだ。じゃぁ・・・」


―――――――そうお誘いをしたのが昨日



「じゃぁ!旅行に必要なものを買うお小遣いをくばりまーす!変なもん買うなよー」

「ありがとうお父さん!」

「結局行かなきゃならねぇのかよ・・・」

「ありがとうお父さん」

「ありがとう・・・」


「樹父さんからお小遣い届いたわよ?」

「ありがとー!」

「ありがとうーでも、お父さんも馬鹿だねvまたこんな変な企画して」


「これ。樹お父さんから手紙届いてるけど?」

「あ、叔母さんスイマセン、ちょっと諸事情で三日ほどあけます」

「そう?気兼ねしないで行って来てね。気をつけて」

「?はい。ありがとうございます」


――――――そんなことをしたのが今日の話


そして迎えた当日


「久しぶりーおとうさーん!!」

「久しぶりだな愛しい我がコォ!!?」


「お父さん・・・また突撃くらってるよ」

「あれってこの間雫ねぇちゃんがやったとこじゃね?」

「いたそう・・・」


「ってちょっとまて!!なんだその旅行風景!!聞いてないぞ!?」

「あぁ、侑紀。会いたかったよ我が子ー!!」

「待てっつってんだろうが!!だからちょっと待て!母さんのことで話があるっていうからきたんだぞ!?」

「あぁ、アレ?あるっちゃあるけどないっちゃない!!嘘です!!」

「帰る」

「ぎゃぁぁ!!!ごめん侑紀ー!!帰らないでーッ!!!」

「どうりでおばさんの顔がにやけてると思ったんだ!昨日買い物いって色々買ってきたっぽいわりに秘密とか言ってくるし!!夕方変な宅配便くるし!!」

「おぉ!よくわかったな。アレが荷物を引き取りに来た私の部下だと」

「お前・・・どこに荷物を受け取りにくる宅配便屋がいるんだよ!!!」

「・・・さて、全員そろったことだし、出発ー!!!」

「ごまかすな!!!」



そんな最初から心配の種が尽きないドタバタ家族旅行がスタートする。


「テメェ・・・絶対覚えてろよ・・・」

「あっはっは、謝るからそんな怖い顔しないでくれよ侑チャン」

「(ぜってぇシメてやる・・・)」


久しぶりにこんな小説でごめんなさい。

しかもイキナリ旅行ものです・・・


でも、コレをみて笑える・・・かどうかはわかりませんが、笑っていただけたらありがたいです。


三日間は、一家族づつ書いていこうと思っているので、これからもお付き合いしていただければありがたいです。

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