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始まり
どうもです。
皆さん、こんにちは。秋兎と申します。
僕の仕事は、来館された方に見合う本を渡すだけの簡単なもの。それは、他人の半生が綴られた本を読んでいくのだから、決して良い気分ではないだろう。しかし、人は自分と同じ体験をしている者には、心を許してしまう反面もあるのだから。
さて、案内するに至り、いくつか注意事項を話します。では、しっかり聞いてくださいね。もし、聞き逃しても二度も言うことはしませんので。
1.僕が渡した本は、あくまでも人の人生の断片に過ぎません。そして、現実にあったものです。
2.物語に介入する事は出来ません。あくまでも、読むことしか出来ないので、何があろうとも途中で止めてはいけません。
3.全ての物語は、一連に繋がっています。各本の主人公は、一連にどこかで関係を持っています。
以上の事項を守って、お楽しみくださることを願っています。
では、次からお話が始まりますのでお楽しみください。