桜の上の記憶少女
活動報告にも書いてありますように:
えっと、これは私が始めて書いた小説です。下手なまま、なにも編集をしていません。なので、「ん?」と思うところもあると思いますが、楽しんでいただけたら幸いです!ちょっと感情をぶちまけて「ぎゃあああ」って作者自身(私、ですね)がなっていますから、ちょっとご注意を(?)あはは、なんか意味分かりませんね。
桜の上の記憶少女
「淳! 早く来ないと置いていくぞ!」
両親の怒りを満ちた怒鳴り声が玄関から家の隅々までに響き渡る。
「…………」
和室にいた俺はそれを軽く聞き流し、本を読み続ける。
返事は決してしない。
「淳! 聞いてるの? 五秒以内にこないと置くぞ!」
まだ怒鳴る。
「おーい、淳! いく――」
「行かない」
質問かどうかは知らないけど即、言ってやった。
ホント、うるさいな。もう、一人にしてよ……俺は最近いろいろ大変なんだよ。受験勉強や友達関係のこととか。頭が爆発しそうなんだよ!
妹が行きたい遊園地に行ったて、何もかもが変わると思ってんのか?
目の端っこから両親がため息をつきながら家を出るのを見えた。
そう、そうやって諦めろ。
「お兄ちゃん、行かないの?」
無邪気な妹の声を俺の耳が捕らえる。
俺はその声にひどく心が縛られた感じをした。
(リリア! ゴメン! 俺、本当は悪意はないんだ……ただ、今は……今は一人にさせてくれ)
内心で妹に土下座をする。
「そうね、リーちゃん。兄ちゃんは行かないらしんだよ~。残念だね」
甘ったるい声をした母が言う。それが俺を余計に苛立たせる。
なぜ、リリアにはあんなに優しいのに俺は動物扱い何だよ!?
いっぱい、いっぱい問題を抱えてる俺になぜ無視をするんだよ?
ブーン!
あ。いつの間にかもう車に乗ってた? 行動、早いな。
さーって、一人で家にいるのも嫌だし、この後どうするんだよ?
――そう考えた俺は、家の近くにある高原に行くことにした。
そして、そう考えた俺は後で一人の少女に出会うことになる。
家から五百メートルの所にある高原。涼しいそよ風に踊る芝生の上を歩き、俺はブラブラ、ブラブラと散歩をした。なんて落ち着ける場所なんだろう、ここは。
春だということもあって高原の真ん中にどん、と立ち誇る桜の木は満開だった。花弁が次々と風につられて落ちる。まさに桜吹雪というヤツか。
暇だった俺は桜の所にいって、それを見上げた。葉っぱの隙間からこぼれる朝の太陽の光が体を暖かかく包み込んでくれる。
(立派だな。俺もいつかそうなりたいな)
素直にそう思った。
そろそろ帰ろうっかと思った俺は目を桜の木から逸らそうとしたその瞬間、
――ありえないことを目あたりにした。
「は、はぁ?!」
思わずその場で硬直し、荒げた驚き声を上げてしまう。
その理由――
桜の一本の細い枝の上に……一人の少女が座っていたからだ。
長い、白いワンピースがひらひらと風に揺れながらその少女は遥か遠い海岸線をでも見るかのように空に目を向けてた。桜の木の下で俺がそいつのことを見てることを数秒間たってから気づくと、ふわっと鳥みたいに甘い、ほのかなにおいを引きながら枝から軽―く飛び降り――
俺に背を向けた。
「な、なんだよ」
「……………」
ちょっと不愉快に感じた。この子、挨拶もしないのか。まぁ、でも俺の方もだけど……だから、一応挨拶ぐらいしとこう、か。
「あー。えっと、こんにちは。栗本淳と申します」
「……………」
「あのう、どうかしましたか?」俺が心配して手をだすと
「……感じた。お前の気持ち(フィーリング)」静かな、しかしどこか凛とした声だった。
「え?」
言う間に少女がくるりと体をひるがえす。
舞い上がったツインーテールが太陽の明かりにキラキラと豊かな黄金の輝きを放った。海のように深い、瑠璃色をした目は鮮やかに踊っているものの、なぜかその奥には悲しさに満ちている。
「お前の気持は今までに感じた中、一番、最悪なものだ」
は? なんじゃ、それ。
「君だれ?」
失礼でもあったが、いきなりわけの分からないことを言いだす少女に俺は単刀直入に聞いた。
少女は長い瞬きをし、そして告げる
「……あたしはレナ。エアフルド王国の記憶少女よ」
「!!」
マジか、い。なぜ俺は早くそれを思いつかなかったんだ!!
エアフルド王国の記憶少女はよく神話で語られている。人々の思いや考えや記憶を読める少女だ。そして、それよりも恐ろしいことは――
「できるよ」
俺の考えを読み取るように――というか読み取ってる――レナは簡潔に答えた。
「やって見る?」
要らない! っと返事しようとした俺は……遅かった。
世界はすでに真っ黒に染められていた。桜の木、高原、空、すべてが。いろんな言葉や単語が白く煌き、暗闇の中、迷子みたいに泳ぐ。俺とレナはスポットライトにでも当てられたかのように瞳と瞳を見つめながら対立する。
(ココか)
神話でよく語られているこの空間は。
黒の空間。それは記憶少女しか作り出せない空間。
そこで人々の記憶をいじり、その人の過去を変えることが出来る。
「俺をここにつれてどうするつもりなんだ?」
慎重に聞いた。
ここで一歩間違えたら、記憶をいじられ、アウトだ。つまり死ぬんだ。
「別に。ただ、お前が過去を変えりたいかな、って思っただけ」
素っ気無く答えた彼女は暗闇から単語を引っ張りだし、それを手に乗せた。
『嫌だ』と書かれた言葉。俺の記憶からだ、と気づく。
レナはなぜかそれにひどく悲しみを感じたか、一瞬震え、涙が一粒、頬を伝い落ちた。
ぽたん……と暗闇に響く涙の落ちる音。
「お前。過去を変えたい?」
静かに聞いたレナは俺の目の奥までに見つめる。
他の記憶も奪おうとしているんだろう。
「そりゃ、そうだろう」
考えるまでもない。俺は変えたいんだ。俺の人生そのもの事態を。
「本当に?」
コクンっと頭を下げ、頷く。
「本当に? 変えたら、あなたの家族はどうなるの?」
「かんけーねぇよ、親は。そん――」
「妹はどうなるの? 友達はどうなるの? 学校はどうなるの?」
レナの『妹』と言うたった一つの単語に俺は言葉にならない程の悲しさを感じた。過去を変えたら今の物が消滅する。つまり……リリアも消滅するんだ……!
「あたしは、あたしは過去なんか変えりたくないんだよ! それがどんなに悲しいものなのか、お前は知ってるの? 人々の記憶をいじり、過去を変える。それは私の仕事にしか過ぎない物だよ!」
顔を床に向け、涙を流し、喚くレナ。
こいつ、地団駄でも踏むのかい。
俺はレナを見た。そして、以心伝心かなんなのかは知らないけど
――真実が俺に突き刺さる。
レナという記憶少女は神話で語っているのと違って、ぜんぜん悪くない。人の記憶をいじるのは実は嫌ってる。過去なんか変えたくないと思ってる。なのに、俺は……俺は!
自分の足が勝手に動いて、歩く。
「レナ」
顔を上げたレナに今度は口が勝手に動く
「俺、レナの気持ち(フィーリング)分かったよ。過去って言うものは、つらいけど大事なんだよな」
「…………」
涙を手で拭うレナに俺は続けた。
「だからさ、俺は過去を変えないって決めるよ。このままでいて未来に向けて歩むんだ」
暗闇に静寂が訪れる。
「……うん。ありがとう、淳」
微笑みながら、レナは小さな声で静寂を破った。悲しい、しかしどこかに嬉しくもあった声。
「やっと一人、私の気持ちが分かった。淳、お前が言ったこと必ず守って。そして、これもつらいけど……さようなら」
――え?
今、なんて言った? さようなら?
って、は?! 早すぎるだろうが!
「お、おい! レナ?!」
しかし、またもや遅かった。
レナは消え、黒の空間も消え、すべてが消え、現実の世界へ戻った。
桜の木の下で立ってる俺。見上げると少女はいない。
だけど、俺の中にはまだあの少女の言った言葉は生きている。
――『淳、お前が言ったこと必ず守って』
大丈夫、俺は必ず守る。過去を置いて未来へ歩むんだ。
桜の木から立ち去る。
そよ風に撫でられ、俺は久しぶりに心が軽く感じた。
レナにあった自分。
それはなんだか寂しくて、切なくて、でも嬉しくも感じた。
11・24日・2011年投稿。
04・29日・2014年改稿。