7/8
残響の街 後編
夜明け前の薄明かりが、病院の窓から差し込んでいた。
白石梨奈は、長時間の激務で疲労困憊の身体を引きずりながらも、必死に患者たちのそばを離れなかった。
静まり返った病棟の廊下に、遠くから救援ヘリの音が響く。
その音はまるで、絶望の闇に差す一筋の光のように感じられた。
梨奈は窓の外を見つめながら、震える声でつぶやく。
「きっと、大丈夫……私たちは、まだここにいる」
彼女の目には涙が光り、その瞳は疲れながらも新たな決意と希望で満ちていた。
スタッフや患者たちの顔が脳裏に浮かぶ。
必死に救いを求めた声、支え合った手、そして共に乗り越えた時間。
そのすべてが、梨奈の心に深く刻まれていた。
そして、救援隊が病院の扉を開けると、彼女はわずかに微笑んだ。




