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ZERO  作者: 森 神奈
2/5

孤高の空 前編

「123便、巡航高度1万メートル、速度470ノット、順調に飛行中」

無線から管制官の声が届く。だが、その口調には明らかな緊迫感があった。

副操縦士の佐伯が眉をひそめ、モニターを見つめる。

「……今の、聞きましたか?」

「ああ、何かあったみたいだ」

颯真は窓の外を見た。青空が広がり、陽光が海面を銀色に照らしている。まるで何も起こっていないかのような静けさだ。

だが、次に届いた無線はそんな静寂を打ち砕いた。

「こちら管制塔、緊急事態。地震発生。沿岸部全域に津波警報発令。目的地空港の滑走路は破損し、着陸は不可能。近隣空港も閉鎖中。これより航路変更を指示する。」

颯真は冷静に計器を確認した。燃料残量はあと1時間32分。

「燃料が足りない。迂回は不可能だ」

佐伯が険しい顔で言う。

「どうしますか、機長?」

颯真は言葉を選びながら答えた。

「状況を整理しよう。最善策を探す」

しかし、眼下には迫り来る黒い津波の帯が町を飲み込んでいく。

時間が、確実に減っていく。


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