神々の眼差し(カミガミ ノ マナザシ)
神は人を見ていない。神が見ているのは、"結果"だけだ。」
深界の塔での戦いから数日後、王都にはかつてない静けさが戻っていた。
空の裂け目は消え、人々は「勇者が深淵を退けた」と噂していた。
けれど、カズキの心には、安堵よりも“疑念”が残っていた。
——創造神アストリス。
かつて、Code:Zeroであるリオが語った名。
この世界を設計し、勇者たちを送り込み、そして淘汰してきた存在。
「このままじゃ……また、誰かが“選ばれて”殺される。」
王から宴の招待が届いたが、カズキはそれを断った。
代わりに向かったのは、神の教会の最奥——
「封神の間」。
禁書が封印され、司祭すら近づけない場所。
エリスが鍵を持っていた。
「ここが、“世界の真理”に一番近い場所です。」
エリスは震える手で扉を開いた。
中は氷のように冷たい空間。
一冊の黒い書物が、石台の上に置かれていた。
《書名:記録者の黙示録》
内容:
・この世界は500年に一度、“勇者”を召喚する。
・勇者の使命は、“世界の更新”——つまりリセット。
・選ばれた勇者が世界を破壊し、再構築することで、
神々はバグや矛盾を除去する。
「……つまり、俺たちは“更新パッチ”かよ。」
カズキは本を閉じた。
怒りと虚無が胸に混ざる。
「この世界が壊れるのは、神がそう作ってるから。
じゃあ、救うには……その神を壊すしかない。」
その瞬間、空間が震えた。
壁に浮かぶ鏡が割れ、中から**“光の化身”**が現れる。
白銀の髪、七つの翼、感情のない目。
「あなたの言葉を、神は聞きました。」
「……誰だ?」
「我は“セフィリス”。アストリス様直属の神使。
貴方の行動により、神域への扉が開かれます。」
⚠️【イベント発生:神域への招待】
対象:光の勇者 早山カズキ
選択肢:
・神々と会い、交渉する
・拒絶し、神敵として指定される
「選べというのか。」
「はい。ですが一度踏み込めば、二度と戻れません。
そこにあるのは、“人の理”ではなく、“神の論理”です。」
カズキは目を閉じ、静かに答えた。
「行くしかない。
俺は、この世界を……壊させたくないから。」
その夜、カズキとエリスは神域転移の儀式を受けた。
彼らの前に、巨大な魔法陣が展開され、空が反転した。
浮かび上がる都市、天の果てに浮かぶ光の大陸——
それが、「神域アストレイア」。