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転生するなら美少女に!!  作者: 紙製平茸
珍奇なパーティの結成と、魔王軍幹部との争いについて
3/21

2話目 ステータスとかさ、いざ見るとテンション上がらない?

「……んっハッ!!」


目をかっぴらく。いやさっきもやったなこの流れ。それよりもとっさに出た自分の声に驚く。


「こ、これはぁ……!」


何ともカッコよくも柔らかい声だろうか。性癖に合致する。あの人よく早口を聞き取って反映させれたな。やっぱ神様なんだろうな、おっちょこちょいだったけど。


そういや川とか、自分の容姿を確認できる物とかないかな。自分の顔を早く見てみたい。

今俺が突っ立ってるのはのんびりとした町のようだ。さしずめ駆け出し冒険者の町って感じ。

そういや言葉って普通違うよな。異世界だし。自分を見てみたいけど、まずは言葉が分かるか確認するのが先だ。ちょっと路地裏に隠れて通行人の話でも聞いてみようかね。


「……でさぁ、最近ココレアの森にワイバーンの群れが来ただとか。ほんとやめてほしいよ、ここ冒険初心者の人が色々慣れるための町みたいなとこだよ?近くの森にワイバーンの群れとか洒落にならないし、ブレスで火事でも起きたらたまったもんじゃないよ。」

「よな、俺なんかこの前三個目のスキル覚えたばっかだぜ?やっと色んな技を覚えてきて森の依頼に挑戦できると思った矢先にこれだよ。当分森には入れないだろな。まぁ、二週間でもすればそこそこレベルの高いパーティの方々がかたずけてくれるだろうさ。それまでは地道に平原のカクイでも倒して地道にレベル上げでもしてようぜ。」


うん、問題なく聞き取れるな。ただ日本語ではないっぽい。俺の頭に別の言語の知識がインストールされた感じかな。だから発音は分かっても意味が分らない言葉が何個かある。まぁなんとなく前後の文で意味は分かるけど。

てかあれだな、会話を聞くにレベルとかスキルとかあるタイプか。よくある量産型異世界だな。

あの神様は『あなた達転生者』って言ってたしコテコテのチート能力貰って無双してる奴いそうだなぁ。

いたらぶん殴ってやりたいけども、そんなことしたら敵として殺されかねないし、いたとしても無視しよっと。



言葉が通じることは確認が取れた。そんなら早く自分の姿を拝見しにいこうではないか!

人んちの窓で確認するのは気が引けるし、川は何処にあるかねぇ。

そう考えていると目の前に少年がいた。めっちゃこっちガン見してんな。

流石に路地裏で人の話盗み聞きするのは不審すぎたかな……?


「あ、あのーボク?俺……ゲホン、私この町に来たばっかりで地形とか分からなくって。

少し川まで道案内してくれるかな?別に急ぎの用事とかあるなら断っても大丈夫だよ。」


うん、我ながらとても良い声だ。自分の声にうっとりしちゃう。


「ああはい!道案内ですね!」


なんかこの少年やけに緊張してるな。やっぱ初対面の人にいきなり道案内してとか言われたらビビるよな。

俺昔大学生っぽい人に言われたけど即防犯ブザー鳴らして走り去ったもん。いや現代日本じゃ正しい行動かもしれんが。



「ありがとうねボク。今は何も持ってないけど、次ぎ会ったら何かお礼するね!」


親切な少年に案内されて俺は川までやってきた。

流れは穏やかで、近くには釣りをしているおじさんと遊んでいる子供たちがいる。

公園で遊ぶ健全なキッズとか久しぶりに見たぞ。今はみんな家でボイスチャット繋げてゲームだからな。俺はまだ3〇S世代だから公園で集まってゲームしてたな。s〇itchにはローカル通信ないけど次世代機にはまたあってほしいなぁ、あの空気感が好きだったし。


んじゃ、それでは早速、我が麗しき姿を確認させていただきましょう!よっし顔を水面に……。


「んふふふふふふふふwww」


あかん、キショい笑いが止まらない。でもめっちゃ嬉しい!正に!毎晩!俺が寝る前に!想像していた!姿だっ!

シルクのような白く長い髪!高めの卵の黄身みたいな目!程よい胸!最高にハイって奴だーッ!

人目がなかったら三弾ジャンプからコサックダンス踊ってるくらいテンションが最高潮になってた。


よし!自分の顔面も確認できた!

そ、れ、な、ら、お次は~……。



「ギルドに行くかぁ……!」



さっきの少年に貰った地図を片手に町を練り歩く。

「うわあの人めっちゃ美人なのになんかネリネリしてる!」

「本当だ何故かネリネリ感が伝わってくる!あれは相当な練り歩き技術を極めたものだな……。」

うん、早めに歩こ。ゆっくり町見ながら歩いてたらまたいつ練り歩きマスターに勘違いされるか分からん。


練り歩き鑑定士からそそくさ離れ、歩くこと数分。思っていたよりも大きくて豪華なギルドに到着した。例えるなら何気なく行った友達の家に地下室があったときくらい驚いてる。あれ滅茶苦茶テンション上がるよね。

扉を開くと町中で見かけた冒険者っぽい人がわらわらいた。鎧の着ている騎士だとか、杖持ってる魔法使いとか、身軽そうな恰好の盗賊だとか、矢をいっぱい背負ってるアーチャーだとか、よく想像する雰囲気のギルドだ。


中の空気感に圧倒されていた俺に、スタッフさんらしき人が話しかけてきた。


「すみません、ぼーっとされてますが大丈夫ですか?」

「あっはい。恥ずかしながらあまりこういうとこに来たことが無くて。初めて来たので少し活気に圧倒されてしまいました。」

「初めて……ということは冒険者登録をしに来た方でしょうか?登録なら、私が案内しますよ。」

「ああはい、お願いします。」


最初にああ、とかあっとか言わないようにしたいな、クセで言っちゃうけどあまりに陰キャすぎる。

冒険者になるってことは初対面の人とも会話することが多くなるだろうし、コミュ力はつけとかないとな。



スタッフさんに連れられ受付に来た俺は登録の手続き案内をされていた。


「確認ですが、冒険者登録をするということでよろしいですね?」

「はい、お願いします。」

「ではまずこちらのカードをお持ちください。」


スタッフさんに渡されたのは小さめのスマホくらいの大きさのカードだった。

うん、よくある冒険者カードだな。今のところテンプレを進んでるし、この後道端で襲われてる美少女とかいないかなー。カードは履歴書のような感じで名前、年齢などで区切られていた。


「これは冒険者カードと言って、冒険者の方々の名前、種族、ステータス、スキル、ジョブが記載されます。あとは犯罪防止に指紋もとられますね。」


へー、指紋もとるんだ。ちゃんとしてるな。


「次にこちらの魔道具のここに、手のひらを当ててください。」

「分かりました。」


魔道具は水晶となんかの金属で出来ているようで、水晶のへこみの部分に手を当てて使用するようだ。

正直なんて言葉で言い表したらいいか分かんない見た目をしてる。


「それでは作動させますので、くれぐれも途中で手を離さないようにお願いします。」


片手にカード、片手を魔道具に乗せている状態の俺は、手慣れた様子で魔道具を操作してるスタッフさ

んを眺めていた。


「それでは少しビリっとしますよー。」

「えっあ?」


ビリリ、と強め静電気と同じ刺激が手のひらに伝わる。


「ピッ!?」


予想してなかった刺激に思わず声が出てしまった。それにしても自分いい声だな。

あの神様に会えたらお礼言お。

それよりも神様にチートスキルとか道具とかもらってないけど、ステータスはどうかな。

流石に生前と同じではないだろうけど、転生者だし?少し平均より高めだったりして?


「はい、手続き完了しました。少々拝見させていただきますね。」

「ああ、はい分かりました。」


まだステータス見てないけどどうなんだろ、筋力とか高いといいなぁ!

俺前は学校の体育で次の日筋肉痛になるもやしだったし。


「あ、これはー……。」


んん?あんまり反応が芳しくないぞ?ちょっとそのカード見るの怖くなってきたな。


「とりあえず、登録は終わったのでこちらをどうぞ……。」

「なんですかその反応、ちょっと怖いんですけど。」


俺は急速に手にしたカードを見てみることにした。


「ん”ん”ん”っ”!!」


筋力、体力、魔力、知識量、精神力、全部平均以下!!知力と器用さがちょっと高くて運は普通!!

なんだこれ悲惨とまではいかないし旅できない訳ではないけどなんとも言いにくいステータス!!

前世の俺と大体同じじゃねーか!てか精神力記載すんな、豆腐メンタルなのバレたくねぇよ!

これ他の人に見せたら気まずくなるやつだわ!空気感が『いやまぁ人には向き不向きあるし……ね?』とかになるやつだ!


「私としては向き不向きもありますし……ね?落ち込まないで下さい?」


言われたよ想定通りのこと!やっぱあの陰キャ神次ぎ会ったら文句言ってやろ!絶対!


ステータスが思ったより低かったことに打ちひしがれながら自身のカードを見ていると空白があるのに気付いた。


「あの、これは?」

「これはジョブを選択できるところです。空白部分をタップしてみてください。」


言われた通りタップすると、カードの文字が変わっていった。まるでPCとかスマホでURLを押したときみたいに。

このカードは現代でのスマホ的な感じで使えるんだな、多分。冒険者としての機能限定のスマホ的な。


「このページでは自身のジョブを選択することができます。」


なるほどなるほど、攻撃特化のセイバー、セイバーよりも守りを重視しているナイト、なんなら盾を使うシールダー、さっき見かけたアーチャーやシーフもいるな。回復や支援重視のプリースト、おっウィザードもいる。

やっぱりこういうの見てる時が一番楽しいよなぁ。ポ〇モンやる時も買う前にどの子を旅パにするか考えてる時が楽しいんだから!


「えーと、熱心に見ているとこ失礼しますが、一番下までスクロールしてもらっても……。」

「ああはい、つい見いっちゃいました。」


思ってたよりこの世界職業多いな。これは覚えるのが大変そうだな。

お、一番下についたな。ん?なんか……。


「これなんか一つだけ光ってるんですけど……?」

「申し上げにくいんですが……その……あなたはそのジョブにしかなれませんね……。」


うーん少し思ったけどやっぱりかー。だよねだって明らか他のジョブ押せなかったもん。

俺は恐る恐るそのジョブに目を向けた。なんかハチに刺された時みたいだな。


「……ビジター?」


なんか響きめっちゃかっこいいけど。なんんだこれ。


「どんなにステータスが低くてもなれるジョブ、資質のなさに皮肉を込めて名付けられたビジター、

訪問者、外来者という意味です……。」


(思ってたよりヒデー!役職でこれはほぼいじめだろぉ!?誰だよジョブ考えたやつ!

もうちょいマシなやつあっただろ!イジメになるって分からなかったかなぁ!?)


「だっ、大丈夫ですよ!地道にステータスを上げていけばジョブチェンジもできますし!

私の兄も昔はビジターでしたが今では立派なテイマーですし!」


慰めの言葉が一番心にくるんだよスタッフさん!


「いつか……。」


「いつか絶対別のジョブになってやる~~!!!」

組織解説

冒険者ギルド

『冒険者』と言う名の何でも屋たちが集まるギルドの運営をしている組織。依頼者と冒険者の仲介人的組織でたまに自ら依頼を出す時もある。

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