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転生するなら美少女に!!  作者: 紙製平茸
ここでは有坂徹が死亡し、転生するまでの事が語られる
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0話目 ちゃんと周りを見て歩こう!

テレレン…テレレン…と俺が世界で一番嫌いな音が響く。

平日の朝はいつもストレスマックスで目覚める。

理由は学校行きたくないから、毎日夜中まで起きてゲームするだとか、アニメ見るだとかをしているせいで眠いからだ。

ただ単に寝起きが悪いだけかもしれないけど。


階段降りて顔洗って朝食をとって、着替えてちょっと家出るまでの時間にソシャゲのログボを回収していざ出発。

一年も続けば高校生活も慣れてくる。

外で遊ばないせいで電車の乗り方すら知らなかったが今ではお手の物。

いつも通り早めに家を出たお陰で席にもつけた。

なんでわざわざ座るかと言ったらこの前買った百合漫画を読み込むためだ。


俺、有坂徹(ありさかとおる)はゲームとアニメが好きな高校二年生のオタクだ。

中でも女性と女性がくっつく百合が大好きなオタクだ。死ぬほど好きだ。

だって好きな女の子とが女の子がいちゃついてるんだ、空気とか壁になって一生見守りたいじゃん?

こう死ぬほど百合が好きな俺だが、流石に彼女が欲しいと思ったことがある。でも今の状態でではない。



可愛い女の子になって!!!心は俺のままで!!付き合いたいんだっ!!



てかなんなら彼女がいなくてもいい、女の子になりたい。

TSしたい。朝起きたら女の子に!ってなりたい。

でも女装は絶対したくない、見苦しいだけだしあまりにもキショい。

だからせめてもの足掻きでゲームの主人公は全部女性にしてるしTRPGとかをする時も女性キャラを使ってる。

それでもキャラを自分と同一視できないタイプだから主人公とキャラの百合妄想して終わるんだけどね。


まぁ無理だって分かってるし?諦めてるけど?

でももし、もしも転生とかがあるとするならぜっっっっったいに美女になりたい!

クールビューティーな動きをしてめっちゃカッコつけたい!

だって俺カッコいい女の人好きなんだもん。

フッ、おもしれー女、みたいなのになりたい。


そんなこんなで電車は目的地に到着、漫画アプリをとじて改札を通れるように別アプリを開く。

今日は授業中にどんな妄想でもして時間潰そうかなーと思ったその時、現実に引き戻すような大声が

俺の頭の中を突っ切った。


「あっそこ滑りますよ!」


「っえ?」


ツルンと美しい軌跡を残し、さながらバレリーナのように無様にこけた。

バカな妄想をしてたせいで周りが見えてなかったらしい。

体の痛む部分をさすりながら目を開けば、目の前にはよく清掃員さんが使ってる清掃用のバケツが。

清掃中のとこに足を滑らしたっぽい。

しかも斜面のとこで。

立ち上がろうと床に置いた手に力を入れたのがまずかった。

これまた腕を子供向けの仮〇ライダーソフビのような動きで滑らし、そのまま坂を下っていく。

これが運動エネルギーか、とか思ってたらさらに


「あっそこ工事中だから!危ないから!」

「えっちょま何で言うだけで止めてくれはらんの???」


おじさんが親切に伝えてくれた先を見たらなんと!

地面に穴が開いているじゃあないですか!

見えたのは工事中の看板!

多分排水管がいかれたんじゃないかな知らんけど。


(嫌だ嫌だ嫌だ!!

清掃中なのに気づかないですべってそのまま工事中の穴にホールインワンはしたくない!!

汚いし制服が泥だらけはシャレにならん!!

しかも当たり所悪かったら死ぬって!!

首の後ろとかやばいって!!)


俺は、今は、ほとんど高速であった。

とかメロスみたいな文章考えてる暇ない!やばい!

せめてもと体を丸めて、首の後ろを手で守り、目を閉じて運命の瞬間を俺は待った。


「だあああああばああああああ!!!!」


バシャア……。



「…………ん?。」



「おい兄ちゃん、大丈夫かい?」

「アッハイお気になさらず。」


穴は思っていたより浅かった。本当に浅かった。

なんだかあんなに焦ってたのが恥ずかしくなってきた。

いやまぁ朝にすっ転んで坂滑り落ちてる時点で恥ずかしいけど。

ぶっ倒れている俺を心配して覗き込んでくれているおじさんの顔を見れない。


「いやぁいきなりテープ破って落ちてきたからびっくりしたよ。

だあああ!なんて叫び声あげてさ。」


もう俺を殺してくれ。やっぱ死にたい。

とりあえず今は自分の事より工事中のおじさん達にお詫びしないと。

こんな馬鹿みたいなことで仕事を邪魔されたとかたまったもんじゃないだろうし。

泥を吸った制服の重みを感じながら、俺は立った。財布が無事だとは信じたい。


「すっ、すみません本当、仕事の邪魔しちゃいまして。

お詫びとしてそこの自販機でなにかコーヒーでも……。」


ブスリ。


うん?なんか腕に鋭い痛みがあるな?転んだ時に破片かなんかが刺さっちゃったかな?


ブーーーン。


「おい兄ちゃん腕のそれ!」


うん知ってる。この痛み。この羽音。昔に二回経験した。

最初は子供のときでギャン泣きしたなぁ。

俺は恐る恐る痛みの正体を確認した。

警告しているかのような黒と黄。

光を反射する体表。

憎たらしい頑丈なあご。

そして極めつけに俺に今刺さってる針。



「スズメバチっすね。これ。」



その言葉をはいて十秒もしないうちに、俺は意識を手放した。

キャラ解説

有坂徹(ありさか とおる) 16歳男性 高校二年生

百合が大好きな高校二年生。趣味はゲームとアニメ鑑賞とTRPG。朝起きたらTSしてないかな、転生したら美少女になれないかな、というバカみたいな妄想を毎晩寝る前にしている。

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