表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫姫  作者: 四季道理
37/47

結婚を迫られました 2


 目覚めたところに、結婚の申し込み。

 さすがに固まってしまった古都を見かねてか、魔王が部下に命じてお茶の用意をさせた。


 そのお茶をいただいて一服した後、ふぅ、と小さく息を吐いた。


「この世界の人間は、変なのばかりだな」


 魔族だとか、魔物だとか、人も・・・病になって人を閉じ込めるし、王子は変態だし、魔王は子供。


「この世界のというと、古都は異世界から来たのであるか」


 魔王は、両手でコップを持ってお茶をすすっていた。

 ちょっと小首を傾げたところが実にかわいらしい。

 耳が時々、ぴくりと動くのだ。撫でたいという衝動に幾度駆られたことか。


「疑わないのだな」


 そういえばこの世界に来て、初めて異世界から来たと言ったな、と全く関係のない感慨を抱きながら。


「始祖様が異世界に行かれたのは知っているのである」


 始祖様?


「誰だそれは」


「古都である」


「???」


 アベルは子供のように笑った。

 

「始祖様はこのブラグラを作ったのであるが、次世代が生まれたので任せて別の世界へ行ったのである」


 言っていることはおかしくないような・・・いや、おかしいだろう。


「アベル殿。言っている意味がわからない。これでも人間を止めたつもりはないのだが」


「ただの人間には、異世界を渡ることはできないのである」


 この世界に生きてこれたのが、この耳や尻尾ができた理由ということだろうか。

 それはつまり。


「古都は融合体ミックスである」


 パチクリと目を見開いてしまう。

 ミックスとは?


 アベルはズズっと一気にお茶を飲み干した。


「始祖様でありながら、始祖様ではなく。古都でありながら、古都ではないということである。つまり、わしとも結婚できるのである」


 あの・・・えと。



「申し訳ないのだが、理解できない」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ