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猫姫  作者: 四季道理
31/47

王子!ピンチです 4




 顔がある。

 どこかで見たような見たことの無いような。


 言えるのは、なかなか整った顔であると言うこと。


 しかし。


 しかし。


 何だろう。


 ペタペタと胸元を触られている。

 

 サワサワ。


 胸の突起を弄られているのがわかる。「いやん」

 思わず変な声を出してしまった。


 ふふふ。


 と相手が笑ったのが分かった。


 相手の唇が怪しく横クの字に曲がり、わたくしの胸元に埋もれて。


 ぺろり。


「ひぃええええっ」


 なんだかよく分からない声が出てしまった。

 そして・・・あれ。


 なんだろう。


 相手もあまり服を着てないような・・・着ているよな。


 違和感。


 いや・・・見覚えるのある。


 ものすごーく見覚えのあるナニ。



 …。



 …。



「ぎゃあああああああっ!!!!!!!」


「うるさいわねぇ」


 床に落ちました。

 それはもう、きちんと。

 素っ裸のまま。


 そして正気に戻る。


「貴女は…おっ…おっお」

 

 誘拐犯であり、拷問すると宣言してくださった方であり・・・。

 先ほどの格好はすっかり女の方のようでしたので、これっぽっちもそれを疑ってはいなかったのですが。


「男で悪かったわね」


 フン。とかわいらしく拗ねてくださる。

 次の瞬間にはニヤリ。

 

「あなたは、ノンケね」


 ノンケって何ですか?


「そっちの気がないヤツのことだ」


 ああ、なるほど。って!


「王子っ・・・見てるなら助けてくださいよ」


 素っ裸で襲われてる部下一号を助けてくださらないなんて・・・どこまで酷いんですか。


「助けられるなら助けるが」(苦笑)


「あらん。無理よね。魔力を封じた上に、あんなぶっとい鎖でつながれたらどんな人も逃げられないわ」


 眼を見開いて横を見れば、柱につながれた王子が。

 両手は使えないように上に引き上げられて、座っている。

 王子は先ほどの服装のままであり、脱がされていないようだ。


「ごっ。拷問するんじゃなかったんですか」


「拷問でしょ?」


 どんなに美人でも、素っ裸の男は男。


「さあ、キスされたくなかったら正直に吐くのね」


 顔が思いっきり引きつっているのが分かります。

 ですが、これ以上は離れられない。

 何故だっ。


 足が・・・何かに絡まって。


 わたくしが動揺しながら足下を見ると、足首に鉄の輪がはまっています。

 それが寝台に伸びている。


 ヒーッ。


「そんなに嫌がらなくてもいいじゃない。ほら、こんなに美女とキスできるなんて機会あまりないでしょ」


 迫られても、これっぽちっもうれしくない(涙) 


「別に吐かなくてもいいのよ。アナタと続きをするだけだから。まあ、もちろんあたしがタチなんだけどね」


 くふふふ。


 要りません。


 その含み笑い。


 拷問と言ったらアレです。王子の大好きなムチとか・・・石の板を膝に乗せちゃったりとかとか・・・水攻めとかいろいろあります。


 なのに、なぜ・・・わたくしの貞操が狙われているのですかっ!


 わたくしはパニックに陥りました。

 一世一代の大ピンチです。

 わたくしの貞操は、初恋の彼女-エリーカ様に捧げる予定なのです。

 何度アタックしても断られるのですが、わたくしはくじけていません。


 美女が一歩一歩近寄ってきます。


「ほら、坊や。こっちへおいで」


 嫌です。嫌ったら嫌です。


 一歩ずつ後ずさります。


 しかし、無残にもピーンと伸びた鎖はそれ以上伸びず。


 腕を捕まれました。


 そして、美女の手が・・・わたくしの大事な恐怖で縮み上がったナニ・・・に触れようと。





「ギャーッ!!!!!!!!!!な。な、何でも吐きますから・・・お願いですからっ・・・」





 襲わないでくださいっ。




 最後は悲鳴のようだった・・・と・・・そのときの様子を王子は後に語るのであった。 




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