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「第一回 青バラ放送」

 き、緊張する………。

 私、ちゃんとできるなぁ〜

「す、須藤君っ」

「あーもう、何回その話するんですか先輩?」

「わっ、私まだ何も言ってないよ!?」

「言ってなくてもだいたいわかりますよ、どうせお昼の放送ちゃんとできるか心配、とか言うんでしょう?」

 げっ、図星! なんで分かったの?

「…………なんで分かったんだ? って顔してますね」

「なんでそこまで分かるの!?」

「だって顔に出てるし、さっきからその事しか話してないじゃないですか」

 そ、そんなにわかりやすかったのかなぁ? 今度から気をつけよ。

「てか、先輩もう始まりますよ、ほら早く準備して」

「う、うん。でも須藤君……」

「大丈夫ですよ、最悪の場合ちゃんと俺がフォローしますから」

「た、頼むよぉ」

 私はマイクをつけながら、須藤君にお願いする。

 えっ〜と、マイクはこの位置でオッケー! ヘッドホンも装着完了!

 準備完了。

 私は須藤君に目で合図を送る。

 ホントに緊張する………。私、ホントに大丈夫かなぁ……………。

「大丈夫ですよ、先輩。待機中にも関わらず相変わらずのアホまるだしだったんですから」

 須藤君が放送開始のスイッチに手をかけ

「えっ、ちょっと待ってそれどうゆう………」

「スタート!」

 須藤君が、私の話を遮ってスイッチを押した。

 これは後で、よーくお話する必要がありそうだね!



姫川「私、姫川と!」

須藤「俺、須藤の」

姫川&須藤「「お昼の青バラ放送!!」」

姫川「えっと、その、は、初めてこういうことをするので、セリフとかを噛まないように頑張ります」

須藤「助手頑張りまーす」

姫川「それでえっと………」

須藤「まずは、この放送についてですよ」

姫川「あっ、そうだった! えっと、この放送は毎週月曜のこのお昼の時間にやります! ………それでえっと……」

須藤「次は内容についてです」

姫川「そうそう、それ! 内容については生徒の人からもらったお手紙を読んだり、自分の好きなことについて話したりするよ。それで………」

姫川「今回の初回一発目は、私が友達に書いてもらったお手紙を読もうと思います!」

須藤「わー、楽しみー」

姫川「す、須藤君、それ本当に楽しみな時の反応!?」

須藤「もちろん、俺流はこの反応です」

姫川「へぇー、分かりづらいね」

須藤「そんなことないですよ、まぁこの話はいいから早く手紙を読みましょうよ」

姫川「そうだね! じゃあまず最初に私の後輩が書いてくれたお手紙から!」

姫川「えーと………カッコいい詠唱魔法の技名がほしいです…………」

須藤「ほら、先輩。あなたのかわいい後輩のために技名考えてあげないと」

姫川「えっ!? えっとそのあのえっと、す、スーパーノヴァ!」

須藤「よくそんな焦ってて、いい感じの技名出せましたね」

姫川「うっ、うるさい! すごくその、は、恥ずかしかったんだから!」

須藤「なんか、話が噛み合ってない気がしますよ、先輩」

姫川「い、いいの! 私はわかるから! じゃあ次!」

須藤「はいはい」

姫川「えっ〜と、相対性理論が分からないので教えてください………」

須藤「先輩、なんて言って後輩に手紙書いてもらったんですか。ちょっとまず先にそれを聞きたいんですが」

姫川「普通に私に聞きたい事ある? って聞いただけだよ!?」

須藤「それをわざわざ手紙で? 普通ならそうゆうことはメールとかで聞いて、今回みたいな手紙なら放送で流してほしいことって聞いて、書いてもらうんですよ」

姫川「う〜、以後気をつけます」

須藤「はい、それで、俺その相対性理論ってやつ分からないんで説明頼みます」

姫川「え!? えっと、確か時間とか重量のなにか!」

須藤「随分と大雑把ですね」

姫川「いいの! 分かる人には分かるから!」

須藤「手紙を書いてくれた後輩には伝わらなそうですがね」

姫川「うっ、ま、まぁ大丈夫! なんとかなるよ!」

須藤「なんとかなるといいですね、なんとかなれば」

姫川「うっ、うるさい! なんとかなるよ!! 私の後輩だもん!」

須藤「はいはい、そうですね。あと、ついでに時間を」

姫川「ん? どれどれ………わっ、もうこんな時間!? そ、それじゃ皆また今度! またね〜」

 ブチッ



「なぁ松本、こりゃなんだ」

 俺は片耳にだけ付けていたイヤホンを外し、松本に問う。

「なにってそりゃ、ラジオ放送の盗聴だよ」

 コイツ! ついにやりやがった!

 ん? でもラジオ放送の盗聴ってなんだ? 聞いたことないぞ。

「おい、お前この放送どうやって盗聴してんだ?」

「おいおい、決まってんだろ。放送室に直接仕掛けたんだよ」

「は?」

 なにをしてんだ、コイツはマジで。

「いや〜、大変だったんだよ、でも、そこは俺達だからな!」

 俺達? ってことは共犯者がいるってことか。

「どうゆうことだよ、俺達って」

「言葉の通り、5人くらいが力を合わせて、このプロジェクトを成功させたのさ」

 へぇ〜、そうなのかい。

 俺はこの後も松本から色々聞き出し、


 以下の情報を手に入れた。

 奴、松本は青バラ学園の放送室に同級生3名と侵入(合法)し、上手く使用者にバレないかつ、声がクリアに聞こえる場所に盗聴器を忍ばせ、今に至るというわけだ。

 しかも、この放送に出ている姫川由美のファンから成る総勢60名ほどのグループメールがあるらしい。

 いやはや、恐ろしい。

 これを知ったら姫川本人はどう思うのだろうか?

 そうとう、恐怖するな。おそらく。

「なぁ、ちなみに………」

 そこでちょうどチャイムが鳴った。

 5限目開始5分前を告げるチャイムだ。

 ちぇ、運が悪い。どうせなら、面倒くさがらずにちゃんと宿題やっときゃ良かった。

「やっぱ、また後で聞かせてくれ」

 俺はそう松本に断りをいれ、数字の問題を解き始める。

 そんな、俺を見て

「お前はいつもそれだよな〜、って俺も今日やってねー!!」

 隣で俺と一緒に慌てる奴がいるが俺は気にしない。

 こうゆうのは気にしたほうの負けって相場が決まってるからな。

 こうして、またありふれた昼休みを過ごした俺らだった。




 

手抜き感が凄い。でも、いいじゃあないか。そんなこともある。な、俺です。

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