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俺と契約してカードファイターになってよ!

※当小説にはTCG及びホビアニへの偏見が随所に見受けられます。

※これらは全て作者及び各キャラの主観に基づくものであり、事実とは異なる場合がございます。

 気付いたら長方形のカードになってました。

 重力無視してフヨフヨ浮いております。上下左右に動けます。


 いや、こんな意味不明な事ある?


 ガラスに映った姿を見たら、真っ白で薄く輝いていますね。まだイラストとか文字は刻まれていないようです。

 何処の制作会社だ、こんな手抜きカード作ったの。出てこい。

 てか、ここ何処? 見たことない街だよ?

 ビルが立ち並んでるし東京のようにも見える……

 あれ? 「東京」って何だ?

 そもそも、「俺」は……。

 んん? 「俺」? 「俺」は男か?

 記憶が無いでござる。でも、男の子だった気がする。多分。

 死んで記憶無くして転生したパターンかな、これは?


 とりあえず、現状を把握するためにフワフワ街中を散策。

 発展した現代都市。ファンタジーっぽさは見受けられない。俺の存在が一番ファンタジーまである。


「召喚! 俺の相棒! カオス・ジャスティス!」

『HAHAHA! 俺を呼んだか、少年!!』

 

 ごめん。嘘。

 なぜ、公園でカードゲームしてる少女の背後に巨大なドラゴンが居るんですかね?

 なぜ、相対してる少年の背後に2メートルくらいで全身赤タイツ&仮面&マントのThe・ヒーローが出現したんですかね?

 しかも、動いてるし。喋ってるし。


「いっけぇ! ジャスティス!」

「やっぱ、ジャスティスかっけぇよな!」

「そこだ! やっちゃえ!」

「負けないで!」


 周りの子、見えてるっぽいけど誰も疑問に思ってないし?

 ははーん。分かったぞ。完璧に理解した。俺の前世はノーベル賞クラスの天才だったに違いない。


 これはTCG世界だな、間違いない。

 

 TCGとは「トレーディングカードゲーム」の略。TCG世界とは、そのカードゲームが何故かグローバルスタンダードになっている謎世界である。

 あらゆる対立事……時には世界の行く末を決めるハルマゲドン的最終決戦さえカードゲームで決められる狂った世界だ。

 基本的に他の種類のTCGは存在せず、1つのカードゲームしか存在しないのも特徴の1つ。あっても極端に競技人口が少なく、マイナーゲームだったりする。

 また、対戦中に召喚すると、カードのイラストのモンスターや人物を実際に現実世界に顕現させたり出来ることも多い。紙切れに過ぎないカードの力で天変地異が起きたりもする。

 対戦中に実際にダメージを受ける事も珍しくなく、時には死者が出たりする事も。……やっぱ頭おかしいな? 警察と国は何してるんだ、さっさと規制しろ。あ、駄目だ。警察とか大統領とかもプレイしてたりするもんね。遊んでないで仕事しろ。


 それで、多分だけど。これアレだな? TCG原作のホビアニ世界だろ? 俺は詳しいんだ。


 ホビアニとは「ホビーアニメ」の略。玩具・ゲーム(ホビー)の販売促進を目的として作成された(基本的には子ども向けの)アニメの事である。

 後ろに資金力に定評のある大手玩具メーカーが控えてたりするので、アニメの話数が膨大なのが特徴。深夜アニメが12話・13話の枠を争う中で、休日朝の時間帯に軽く50話くらい放送する。元ネタの玩具が軌道に乗れば、話数が3桁超えることも珍しくない。声優だって超有名声優をポンポン採用する。

 あとは、「友情! 努力! 絆! 勝利!」が基本テーマであることが多いな。小難しいテーマを捏ね繰り回すのではなく、単純明快な勧善懲悪・熱血展開であることが普通。奇をてらった珍しい設定・展開もあるが、基本は少年少女が世界を脅かす悪と戦う。最終的に、世界や宇宙や人類やら救ってハッピーエンドになる。

 だが、決して単純でつまらない物語ではない。ライバルとの手に汗握る熱いバトルや、敵だった者との和解・友情、甘酸っぱい恋愛、別れや再開など最高に面白い展開がこれでもかと詰め込まれている。

 それもそのはず、作品を支える根底は「子ども心に誰もが抱く夢」なのだから。ホビアニを「つまらない」「子どもっぽい」と鼻で笑うようになった時、その人は「大人になった」という事なのかもしれない。それが良い事か悪い事かは議論が分かれるだろうけども。

 

 ……なんて。

 物凄くどうでも良い事を考えながら、カードの俺はフヨフヨと浮遊。上空から街行く人々を観察し続けている。

 探しているのは、主人公適正・主人公パワーを有する子供だ。

 もう転生してしまったのなら受け入れるしかない。ジタバタ足掻いても何が出来るわけでもないしね。

 そして。折角ホビアニTCG世界に転生したのなら、主人公陣営で目立ちたいじゃない? アニメ50話通して一瞬しか登場しないゴミカードとか嫌じゃん? 毎回、召喚の生贄とかエネルギーとかで終わるのとか悲しいじゃん?

 というわけで。俺は俺を使うに相応しい存在を探している。

 

 多分、この真っ白イラストも意味があるのだ。持つべき存在の手に渡った時にイラストが浮き出し、カードとして完成するのだろう。きっと、アニメ第一話で描かれる感動のシーンだ。


 とはいえ、だ。

 狙うべきは“主人公陣営の誰か”くらいが丁度いいだろう。

 無論、ホビアニ特有の超熱血主人公クンの相棒というのも最高に楽しいだろう。少年の成長を最も傍で見守るのは得も言われぬ魅力がある。

 けど、多分すぐに出番が無くなる気がする。販促目的のTCGアニメでは、主人公のデッキは凄いスピードでメンバーが入れ替わるのだ。一番子供たちの注目を集める人物の使うカードだからこそ、たくさんの新規カードを売るためにもコロコロとメンバー変更が起きる。強いカードも続々集まってくるだろう。直ぐに俺はリストラされる可能性が高い。

 主人公が闇落ちしたり、挫折したりするとガラリとデッキ変わるしね。


 だから、狙うのは「主人公陣営の誰か」だ。

 主人公の友達とか、ヒロインとか、そういう子。主人公よりはデッキ変更は控えめで、それでいて出番もあるしね。

 ま、あとは。折角ずっと一緒に居るなら女の子が良い。

 

 ……おや? 何か暗い顔をしてる女の子が居ますね?

 長い黒髪と黒い瞳。ホビアニ特有の珍しいカラーリングの髪ではないけど、むしろ個性になりそう。

 うーむ? 彼女、かなり良いんじゃないかな? 何かを抱えた女の子がカードゲームや熱血主人公クンと出会って変わっていく……アリだと思います!

 それにさ。

 まぁ、「カード」なんてオモチャに転生したわけですし?

 元を辿れば、人に遊んでもらって笑顔にするのが仕事なわけですし?

 うん、俺はあの子を笑顔にしよう。


 へいへーい、嬢ちゃん。俺と契約してカードファイターになってよ!


 フヨフヨと少女の元へ向かう。


「あれ……これって……」


 少女の手が伸ばされ、俺に触れた。

 すると、漆黒の光が溢れ出して、俺のカードにイラストと文字が刻まれていく。

 ん? 漆黒?


「ふふ、ふふふ。このカードがあれば、全部全部ぶっ壊せるわ……ふふふ……」


 んん? あれぇ?

 何か、オカシクね?



◆◆◆



■名前:『ティティム・クルデーレ』

■レア:SCRスーパー・カオス・レア

■属性:闇  ■適正:近攻  ■深度:4

■所属:カオス・エンパイア

■種族:イミタシオン/カオス・パペット/スペルビア/アヴェンジ・クローバー

■パワー:ATK/VIT:4444/0


■詳細:左が金色、右が黒色のオッドアイが特徴的な長く白い髪の少女。真っ黒な服に身を包み、巨大な鎌を両手に持っている。

■能力:

【∞】-The ONE-

 このモンスターがバトルゾーンにある時、名前に「ティティム・クルデーレ」とあるモンスターを召喚する事は出来ない。

【Θ】召喚時、手札4枚 & 山札の上から4枚 を墓地に置く。さらに、バトルゾーンの味方4体を「イミタシオン」「カオス・パペット」「スペルビア」が全て揃うように選び破壊する。(どれか1つでも達成できない場合、このモンスターを破壊する)

【○】「Θ」にて墓地に送った枚数のカードを、他プレイヤー全員の墓地以外のエリアから選択して墓地に送る。

【○】このモンスターが攻撃する時、バトルゾーンの味方モンスターを1体選んで破壊する。破壊した場合、相手の墓地以外のエリアからカードを1枚選択して墓地に送る。


【覚醒】全プレイヤーの墓地にあるカードの合計枚数が44枚以上の時、このモンスターは以下の「▼」能力を得る。

【▼】ATK・VITが44444になる。

【▼】Q(カトル)クラッシャー(相手のライフを4つ破壊する)

【▼】このモンスターがバトルゾーンを離れる時、離れる代わりに自身の墓地のカードを4枚手札に戻す。


■フレーバーテキスト:

 ――「消してあげる! 全部全部!」




この場を借りて、別サイト(ハーメルン)で読者様より頂いたイラストを紹介させて頂きます。

https://charat.me/orica/share/001sc4w48qf


「さすらいの支援絵侍」様が、「七三ゆきのアトリエ」様(https://nanamiyuki.com/)の協力の下で書いてくださったものです。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >とりあえず、現状を把握するためにフワフワ街中を散策。   主人公はカードになるのことはショックなさすぎ、一見普通に人間を転生と思い込む、後半から主人公はカードになるは気ついた。 …
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