表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
透明な俺の青春1ページ  作者: カイザ
4ページ
21/32

俺は出会う。

 7月10日。


 あの日の打ち上げは無事終了した。


 あいつらは距離を縮め、今はメールで連絡を取るようにまでなったらしい。



 そしてみんなはなんでこんなに日がとんでいるんだと思った人もいるだろう。


 何もなかったんだ。この空いた期間、何も起こりやしなかった。俺はこの間、好きな人を諦める葛藤。知らない自分の記憶。それらに悩んでいただけ。


 俺は空にやっているような思い出をたくさん作り好きな人の対象を変えるという方法を香織にやるというのが頭に思い浮かんだが、諦めた。


 そして今はすっかり一学期を終える終業式にまで日は進んでいた。


「もっしん。夏休み何か予定あるのか?」

「んー。なんもないな。」

「なら祭り行こうぜ。この近くにある神社の。」

「オッケー。後は誰か来るのか?」

「バーベキューに来た奴ら全員。」

「そーか……」


 なんか俺がいても虚しくなりそうな気しかしないが。


「そろそろ時間だ。体育館に行こうぜ。」

「おぉ。」




 ***


 あれから何もなく、終業式は終わり、俺は1人で下校中だ。


 俺主人公だよね?なんでこんなにイベントが少ないんだ?


 夏休みにあるとしても夏祭りだけ。しかも、メンバーも俺がいてもいなくても別にどっちでもいいようなものだし。


「あぁ……なんかイベント来ないかな…………」


 そう1人で呟くと余計に寂しさが生まれた。


「なら、私とデートしませんか?」

「…………はっ?」


 下を向いていると正面から声が聞こえ、前を向くとそこには俺と同じ歳くらいの少女がいた。


 周りには誰もいない。そこでようやく俺に言っている事に気づいた。


「俺?」


 確認の為俺は自分に指をさし、聞いてみる。


「そうです。お金は出しますので。」


 会ったことのない女の子から突然デートのお誘い。怪しい。怪しすぎる!


「え、えーと。遠慮しときます。」


 こういう怪しいイベントはいらん。やばい事に巻き込まれかねない。


「お願いです!デートをしてください!!」


 彼女は必死そうな表情で叫ぶ。何か、事情があるのか?


「え……なんで、デートを?」


俺は軽い探りを入れてみた。


「思い出が欲しいんです。」

「思い出?」

「はい。知らない同年代の人とどこかおでかけしてみたくて。」

「は、はぁ……」


 なんか、変わってんな。この子。


「それに、あなたに声をかけたのは似てると思ったからです。」

「似てる?」

「うん。どこか寂しそうな所が。」

「寂しそう……」


 俺の気持ちを初対面の彼女に見抜かれていた。似てるってことは……


「君も寂しいのか?」

「……」

「–––––いいよ。」

「えっ?」

「どこかへ出かけようよ。俺も今暇だし。」


 俺は彼女と出かける事に決めた。とは言っても怪しさはまだ拭いきれてはいないが。


「……俺は山本慎二。君は?」

「私は雨宮花蓮(あまみやかれん)。」

「それじゃどこ行く?」

「そうですね––––」




 この時の出会い運命と呼ぶべきなのだろうか?


 もしそうじゃなくても、この出会いは俺を大きく変えてくれた。だが、今の俺には知る由もなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 続きが気になる [一言] ついに本当のヒロイン登場か
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ