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透明な俺の青春1ページ  作者: カイザ
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俺はデート(仮)をする その2

「ここ、私がよく行く美容室なんです。」


美容室に着いた後、マリナはそう呟いた。


美容室か………今までは1000円カットで済ませてきたからなぁ。少し緊張するな。


ドアを開けると店の人が迎えてくれた。


「あら、マリナちゃん。そっちの男の子は彼氏さん?」


「いえ、ただの先輩です。今日は私じゃなくて先輩の髪をお願いしたいんですけど。」


マリナは女性の店員に、俺の髪を切って欲しいと言った後、店員は笑顔で「おっけー」と言い、俺を椅子に座らせる。


「それじゃ、どんな風にしよっか?」


「うーん………」


どんな髪か………いつも適当に頼んでいたからな。どう頼めばいいのかわからん。


「先輩に似合いそうな髪でお願いします。」


「了解ー」





***


それからしばらく時間が経ち、ようやく俺の髪を切り終えた。


店員が言うには切り終わった新しい俺の髪型はナチュラルマッシュと言うらしい。


「うん!先輩似合ってますよ!」


料金を払い、店を出た時、マリナがそう言ってきた。


「そ、そう?」

 

「はい!これなら結構モテそうですよ!」


モテそうか………


俺は右手で顔を覆い、左手でマリナに指差す。


「君の青い瞳に乾杯………」


「–––––それは流石に……」


「そうですよね。すみません。」


若干引き気味なマリナを見て、何やってんだろと今更思う。これで俺の黒歴史が一つ増えたな。


「…………で、次はどうする。帰るか?」


「そうですね。帰りますか。」


帰る事に決めた俺達はショッピングモールを出て、駅まで歩いて行き、電車に乗る。


「ところで、打ち上げはどこに行くんですか?」


「あぁ、えーと、あそこ。学校の近くに大きな公園あるだろ?そこでバーベキューしに行くんだ。」


「バーベキューですかー。それって私、自然に入れますかね?」


「そうなるように香織と空に言っておくから任せとけ。」


俺はドヤ顔で親指をぐっと立てる。


「先輩の事、信じますよ!」


マリナもドヤ顔を作り、親指を上げる。


え、やだーこの子のドヤ顔めっちゃ可愛いー。


その後も雑談を続け、最寄りの駅に着いた。


「よし、それじゃこれで。じゃあな。」


「さよならー。」





えっ?


いや、いくら好きな人がいたとしてもラブコメなら「ちょっと待って!」って言って来て俺が「うん?なんだ?」って感じで返して、あいつが照れながら「………なんでもないです」じゃないのかよーー!!


あらためて俺の人生はラブコメをしていないと思い知らされました。


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