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透明な俺の青春1ページ  作者: カイザ
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俺と体育祭。 その1

生徒会の準備係を俺と愛染に、得点係を雪野先輩へと急遽変更し、それから二週間後の5月10日。ついに体育祭が……始まる。



俺は指定されている赤団のテントに行き、ほんのわずかな休息をとっていた。

今までずっと張り詰めていたからな。応援がてらちゃんと休息を取らないと精神的に持たない。

「えっと最初は女子の50メートルか。」

「あっ、私か!」

香織は思い出したかのような様子で立ち上がる。

「頑張れよ。」

「頑張れー!」

俺とよっしーは声援を香織に送る。

「うん。ありがと!」

そう言い、入口に向かっていく。


ちなみに競技決めは俺が事実を知って早退した日にしたらしく、よっしーは100メートル走に。そして早退した俺は誰もやりたがらないパン食いマラソンに入れられていた。

みんな……ひどい!


すると突然女子の50メートル走がスタートする。

1年、2年、3年の順で走るから香織はまだだな。


1年生達が走り終わり遂に香織の出番が来る。


「香織の相手は夏樹か。」


夏樹愛華。白黒と同じクラスで今は俺の…敵だ。


「頑張れーーー!!香織ーー!!」

よっしーが大声で応援する。俺も応援しないとな。

「香織ーー!!頑張れよーー!」


その声に気づいた香織はにっと笑い親指をぐっと上げる。


そしてスタートのピストルがなり香織、夏樹、他のクラスの女子が走り出す。


香織はバトミントン部に所属しており、フットワークはお手の物だが、走るのは自信がないらしい。

他のクラスの女子達もクラブに所属しており、スピードに自信があるが、一番の難敵は夏樹愛華だ。


夏樹は運動とかはやってないらしいが、才能に恵まれているのか、運動神経がとてもよく、陸上部のスケットに呼ばれた事もあるらしい。


そんな強敵だらけだが、香織は必死に食い下がる。


それでもトップは夏樹で、現在7位中、香織は4位だった。


「………頑張れーーー!!!香織ーーー!!」


俺は大声を出し応援する。

それにつられた1組のみんなも大きな声で応援を送り始めた。


その声が届いたのか香織のペースが少しだけ早くなり、一人、また一人と抜かして後は夏樹だけになった。



だが、夏樹は一位を独占したままゴールをし、それに続いて香織もゴールをする。


走るのが苦手だった香織があんなに頑張ったんだ。俺も頑張らないとな。


そう決意し、次の競技を観戦する。

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