ムスカの若き頃の冒険
湯婆婆「何だいあんた、、、一体どこからどうやって入ってきた?」
ムスカ「私をここで働かせてください」
湯婆婆「聞こえなかったのかい?あんた一体どうやって、、、」
ムスカ「私をここで働かせてください」
湯婆婆「話の通じない男だね。力づくで追い出してやってもいいんだよ?大体、タダの人間の男に何ができる?力仕事かい?人手は足りているんだ。馬鹿なことを言っていないでとっととお帰り」
ムスカ「政治、軍事、外交、会計、人事管理、宣伝広告、、、一通り何でもこなせるが。最も得意なのは諜報だな。今はとあるものを手に入れるため、軍の特命で世界を巡っている。」
湯婆婆「ようやくまともに喋ったと思ったら、軍人かね。ここは人間のいていい世界じゃない。あたしの気が変わらないうちに出て行きな」
ムスカ「先ほども言ったように、探しているモノがあるのでね。そう簡単にひきさがるわけにはいかない。この世界に存在するためには仕事が必要なのだろう?私の探し物がこの世界にあるかもしれない。探索を終えるまで、私をここで働かせて頂きたい」
湯婆婆「お断りだね。お帰り。なんであたしがあんたなんかに手を貸さなきゃいけないんだい?」
ムスカ「フム、、、このような手は使いたくはなかったが、自らの能力を示すことも時には必要か。仕方あるまい」
バァァァン!!!
湯婆婆「!?」
ムスカ「心配する必要はない。空砲だ。誰も傷つけるつもりはない、、、が」
オギャアアアアアア
湯婆婆「坊!?坊!?驚いたでしょう。ごめんねえバアバが驚かせてしまって、おねんねしまちょうねーよちよち」
バァァァン!!!!
オギャアアアアアア!!!!!!
湯婆婆「げふぅ!!」
ムスカ「おやおや、情報では大きなムカデとのことだったが。随分と手間のかかる赤ん坊のようだ。手が必要かね?」
湯婆婆「お黙り!!キサマよくも私の坊を!!八つ裂きにしてくれる!!」
ムスカ「よいのかね?働きたいと行っているものを殺すのはこの世界のルールに反するのでは?」
湯婆婆「ルールじゃない。私の誓いだ。全くつまらない誓いを立てちまったよ、、、ああもう分かったよ。契約書だ。名前をお書き」
ムスカ「よかろう」
湯婆婆「ムスカ・イニエスタか。贅沢な名前だね。お前は今日からスカだ!いいね」
スカ「名前を奪うことで人を支配するというのは、本当のようだな」
湯婆婆「何か言ったかい」
スカ「いや、何も。では早速仕事に取りかかりたいのだが」
湯婆婆「白!白!!」
白「お呼びでしょうか 湯婆婆様」
湯婆婆「今日から入る新人だ。こき使ってはやんな」
白「わかりました。新人、お前の名は何だ?」
スカ「ムスカ・イニエスタ、、、いや、スカだ。よろしく頼むぞ少年」
白「私のことは白様と呼べ」
ムスカ「、、、と、このようにして異世界に迷い込んでしまった私の1日目が始まったわけだ。続きは明日にしよう。」
シータ「、、、ええ」
ムスカ「君をまるで力づくで誘拐したかのように連れてきてしまったのには申し訳なく思っている。君にこのゴリアテの貴賓室にいてもらっているのも私の謝罪と誠意でもある。」
ムスカ「いかんせん、何十年も探し求めていたラピュタへの手がかりが見つかったと聞いて舞い上がってしまってね。とはいえ、1から話をしていたのではあまりにも時間がかかるし、ラピュタを狙う海賊が君を襲ってきていたかもしれなかった。我々の立場も理解してくれると助かる」
ムスカ「そうだ、紹介しておこう。君の世話係だ。パズー入ってきてくれ。」
パズー「失礼します。シータ様よろしくお願い致します」
ムスカ「パズーは私の兄の息子でね。私の弟のようなものだ。そしてラピュタを共に目指すパートナーでもある。君達は年齢的にも近いし、ぜひ仲良くなってもらえれば嬉しい。それでは私は失礼しよう」