ナインボール #4
オープニング曲イメージ
JUN SKY WALKER(S)
「Saturday Night」
今日は体育の授業で1500m走を走らされた
池口は疲れ切って授業が終わった後、すぐには教室に戻らずに
校舎入り口前にある花壇に腰を下ろして休んでいた
次の授業が体育の赤城達が座って休んでいる池口を見つけ声を掛ける
「先輩こんちは」
返事はない
「先輩も1500っスか?俺らも今日は1500っスよ」
息も整ったのか顔を上げ赤城達に返事をする
「めっっちゃ…しんどいぞ~」
早く運動場に行ってもやることもないのでチャイムが鳴るまで池口に付き合うことにした
「俺も走るのは苦手っスけど…尚弥はこういうの得意なんスよ」
「あ~、ちょっと元気なってきたけど途中しんどすぎて歩いたったわ」
「ははっ 先輩も体育の先生北野っスか?怒られたんじゃないっスか?」
「おう、怒られたけど怒られて走れるもんちゃうし」
「北野先生すっげー怖いですもんね」
「レイジくん並みやで まぁレイジくんの方がもっと怒るしあいつの場合殴ってくるからな」
「先輩なぜかレイジさんにいつも殴られてますよね…」
「意味分からんで…あのあほ俺にだけ厳しいねん」
隠れていたわけではないが2階の窓から後輩を見つけその会話を聞いていた礼二
窓枠に肘を置いて手には飲みかけの缶コーヒーを持っている
赤城がそれに気づき挨拶をしようとしたが礼二はもう片方の手で
唇に人差し指を立てたポーズをする
北浦も赤城の視線に気づきレイジを見つけたがポーズを見て察知した
「ほんまあのぼけ俺になんの恨みがあんねんっちゅー話やねん」
レイジが聞いている事を教えることもできずに池口の話を聞いているしかなかった
「せや!知ってるか レイジ君もコーラ大好きやのにカッコつけたいってだけでコーヒー飲んでんのやで 笑けるやろ(笑)好きなもん飲めっちゅーねん」
実際レイジはブラックコーヒーは好きではないがミルクコーヒーはコーラと同じくらい好きで
かっこつける為に飲んでいるのではない
ブラックコーヒーが嫌いと言ったのを池口が聞いて勘違いしているのである
礼二は残ったコーヒーを一気に飲み干し
さらに自分の文句を言い続けそうな池口に向かって
狙いを定めて何度か投げる練習をした後
その練習を無意味な行為に変え
缶を勢いよく振りかぶって放り投げた
側頭部に見事に命中
「いてっ」
池口は突然の痛みに頭を押さえながら空を見上げる
「お、おい いって~ お前ら見たか?」
二人は投げた奴を見たか?と聞かれたと思い見てないと答えるしかなかった
2階で声を押し殺し腹を抱えて笑っている礼二が赤城の視線に少し映る
「うわ~はじめて見たわ…ゆーふぉー」
「U、UFO…ですか?」
「目の前、白っつーか黄色っつーか…黒やったかな?一瞬光って…」
「見たんですか?」
「見たっつーか当たったっつーか…」
「UFOっスか…」
「ゆーふぉーって痛いんやな 彩に教えたろ♪」
これ以降池口はUFOの存在を完全に信じることになるのである
チャイムが鳴り二人は運動場へ池口は教室へと戻るのであった
エンディング曲イメージ
LOVE JETS
「UFO神社」