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ナインボール  作者: Nove!?
3/27

ナインボール #3

オープニング曲イメージ

JUN SKY WALKER(S)

「Saturday Night」

赤城と北浦は幼稚園の時からずっと一緒で

学校が終わり毎日外で汗だくになって遊んだ後も遊び足りなくて

夜までお互いの家で過ごすことが当たり前になっていた


この日池口ははじめて赤城の家にお邪魔することになった


「先輩この後どうするんですか?」

「俺は今日も尚弥ん家で遊んでから帰るっスけど先輩も行きませんか?」

「いくいく♪」

先輩もくらいでの即答に少し驚いたが3人で赤城の家に行くことになった


「ここっス」

「え、英語でAKAGIって書いてあんで

なんか彫刻っていうの?鉄みたいなん削ったあるみたいな」

「はい、母が…」

「あれ?アカギってハーフ?」

「いや…違いますけど」

「ただのお洒落っスよ」

「へ~確かにオシャレやな~♪」


玄関前に並べられた綺麗な花に迎えられて赤城がドアを開ける

ドアに付けられた小さな鐘が音を鳴らす

「ただいま」

「お邪魔しまっス」

「こん ばん わ~♪」

料理中なのか少し遠くでおかえり~と返事が聞こえる


赤城の部屋は2階なので母にそれ以上の会話もせずに階段を上がる二人

北浦が階段途中で池口が着いてきてないことに気が付いた

「あれ?先輩が…」


「こん ばん わ~♪桜高2年、池口って言います お母さんよろしく~」

「あら、こんばんわ はじめまして いつも尚弥がお世話になってます」

「うわ~美味しそ♪ハンバーグ!デミグラスソースも手作り~!?」

「え、ええ… 池口君も良かったら一緒に…」

「え?ほんまに?食べてもいいんやったら絶対食べる~♪」


「おばちゃんこんばんわ …先輩、何してるっスか赤城の部屋2階っスよ」

「ただいま…」

迎えに来た二人が改めて挨拶をする


「いやお母さんに挨拶しとかなって思ってよ」

料理に夢中でこの時はじめて赤城の母の顔を見た池口

「うっわ!めっっっちゃ美人♪」

驚いた声の大きさと嘘偽りのない(ように感じた)感想に顔を赤くする赤城の母

バシバシと池口の肩を叩きながら片方の手で顔を隠す


赤城の母のこんな姿を見たことがなかったので二人とも驚いていた


「いっきなりなんて事を言うのよ も~ビックリしちゃったわ」

吸った息を大きく吐き出し顔が熱いのか右手で顔を扇ぐ

それでも池口が顔を見つめてくるのでついに顔を背けてしまう

「も~ おばさん恥ずかしいから…」


北浦が気を利かせて池口を尚弥の部屋に連れて行こうとする

「先輩、尚弥の部屋行きましょうよ」

そう言われて赤城の部屋に向かう事にした


「あんな綺麗な人はじめて見たわ♪世界でいちばんなんとちゃう?なぁ?」

階段を上りながら二人に向かって話をしている


その声が聞こえていた赤城の母はさらに顔を赤くしていた



赤城の部屋は綺麗に整頓されており、赤城の性格を表しているようだった

「へ~綺っ麗な部屋やな~」

赤城はベットに、北浦は二人掛けのソファに腰を下ろした

「あっ、先輩ここ座るっスか?」

いつもの癖で座ったソファだが先輩に声を掛ける

「いや、俺はここに座るわ」

そう言いながら部屋を見渡しながらその場に腰を下ろす

「テレビもギターもあんな 本も…CDもあるやん♪机も椅子もベットも」

「そういや先輩の部屋はどんな感じっスか?」

「なんもないで 今度うち来いよ ほんまなんもないけどな~」

「俺の部屋も今度遊びにきてくださいよ すっげー散らかってるっスけどね」


いつも二人でゲームをしたりいろいろな話をして時間が過ぎていく

「先輩ゲームします?」

「やるやる♪」

「最近は宏とこればっかりやってます」

「サッカー?」

「先輩、これ面白いっスよ」

「へ~ じゃあ勝負すっか♪ ルールも操作も分からんから教えてな」


赤城と池口が対戦を開始する


「サッカーはルールが分からんわ…また点入れられたし!」

スポーツゲームはほとんど遊ばないのでやり込んでいる二人には手も足も出ない


「先輩パス全然しないじゃないっスか」

「パスしてもアカギに取られんねん…ほらっ」

それからも交代でゲームを遊んでいると赤城の母が部屋のドアをノックした


「お腹空いてないの?もう後は焼くだけだからいつでも言ってね」


赤城と北浦はさっき食べたばかりなのでお腹は空いてなかったが

池口を想いご飯を食べることにした


「じゃあもう焼きはじめて…もうちょっとしたら降りていくから」

「は~い」


ドアを閉めようとする母に着いて部屋を出ていく池口

「俺もう先に降りとく~♪」


二人は顔を見合わせて笑った後そのままゲームを続けた



赤城の両親は数年前に離婚しており、この家で二人暮らしである

ハンバーグを焼いてる最中ずっと池口は赤城の母に話しかけていた

「へ~離婚してるんや~」


なんていうか凄い人というのは聞いていたがここまでとは思ってもいなかった


「じゃあ彼氏は?」

「そんなのいないわよ(笑)」

「うそや~絶対おるわ」


そこに二人が部屋から降りてくる

すかさず池口が赤城に尋ねる


「なぁアカギのお母さんほんまに彼氏おらんの?」

いきなりすぎて困るが多分いないんじゃないですかねと答える

それでも池口は北浦にまで尋ねる

「絶対いるよな?こんな美人やぞ?キタウラやったらなんか知ってるんちゃうん?」

「いや…分かんないっスけどいないんじゃないっスかね?」


「いないって言ってるでしょ」

美人と言われまた顔を赤くしながら答える


「じゃあ俺と付き合える可能性はあるっちゅーことやな♪」

「…池口君は彼女いないの?」

「まぁ彼女っぽい子はおるよ♪」

「じゃあ浮気になっちゃうわよ」

「大丈夫、世界一綺麗な人と付き合うことになるか世界一かわいい子と付き合うかのどっちかになるだけやから♪」


なんとなく言いたいことは分かりそうで分からない


またまた褒められて照れてしまうがハンバーグが焼けたのでお皿に移して

食卓に運びはじめる


「手伝うわ♪」

「あら、ありがとう でももうあとご飯だけだから座って待っててね」

「は~い♪」

「池口君は大盛でも大丈夫?お腹空いてるみたいだけど」

「お腹空いてるし、いいんやったら超大盛でよろしく~♪」


「ハンバーグの時っておかず他にどんなのがいいか分からなくてこんなのしかなくてごめんね」

「いただきま~す♪」


一口食べて池口はあまりの美味しさに感激している

「うっっま♪ハンバーグはケチャップかポン酢が最高なんやけど、このデミグラスソースおいしすぎっ!っつーかハンバーグもめっちゃうまい♪」


本当に美味しそうに食べてくれるので赤城の母も嬉しくなっている

「料理もうまいんかよ!完璧やんか♪アカギ毎日こんなに美味しいご飯食べれるとか

幸せすぎやろ♪ええな~」

「めちゃくちゃ美味しいっスよね?マジで料理上手っスよ」


お世辞抜きで本当に料理が上手な赤城の母


食事も終わり二人はもう少しゲームで遊ぶと言って部屋に戻っていったが

池口は部屋には向かわず赤城の母と会話している

「そういや名前なんて言うの?」

「え、わたしの名前?」

「うん、俺は池口一」

「はじめ君か、わたしは有紀(ゆき)よ」

「苗字は?」

「え、赤城…」

「あっ、そっか離婚してるから苗字も違うんかと思ってたわ」


名前を聞き出し、それからは有紀さんと呼ぶようになった池口

二人が降りてくるまで池口はずっと喋り続けていた


階段を降りてくる二人の足音に

やっと池口から解放されると思うと有紀は思わず笑顔になってしまっていた


「そろそろ帰るっス お邪魔しました」

「あ~じゃあ俺も帰るか~お腹空いてきたし」

「先輩、いつでも遊びに来てくださいよ」

「ありがとう♪毎日来るわ

ご馳走様でした♪また有紀さんのご飯食べさせてほしいな~」

「いつでも食べにおいで」

と言ってから一瞬後悔してしまった


「ありがとう♪やった~めっちゃうれしいわ」

しかしこの純粋な嬉しそうな顔を見て、本当に喜んでくれていると思い

さっき後悔したことを後悔してしまった


「遅くまでごめんやで~また明日♪バイバーイ」

「尚弥じゃあな」


「おやすみなさい」

有紀が挨拶で言ったのだが池口は

「え?もう寝んの?早ない?」

「挨拶っスよ?池口さん言わないっスか?」

「寝るときは言うかも知れんけど挨拶でなんか言ったことないわ」


固まってしまう3人


「挨拶か~じゃあ…おやすみなさい♪いい夢を」

そう言って二人は帰っていく


有紀は今まで感じたことのないような疲労感でいっぱいだった



後日の話になるが赤城の家にお泊りすることになり

赤城の母が冗談で言った一緒にお風呂に入る?を真に受けて

入浴中に池口が突撃して気を失うほど殴られて赤城家に出入り禁止になったのである


意識を取り戻してからも有紀を怒らせてしまうことがあったのだがそれはまた別の時に…

エンディング曲イメージ

ジェット機

「ドーム」

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