プロローグ
少し最後の文章の部分書き直させてもらいました。
私の名前はマリーシャ・アルベルト。このフエルトベルト皇国の伯爵家の長女として産まれました。
私には秘密があります。それは前世の記憶があるということ。
私の前世は渚という28歳のOLで両親に結婚はまだかと小言を言われながら仕事を頑張っている、そんなごく普通の人でした。
そんな渚の唯一の趣味が乙女ゲーム。一番のお気に入りのゲームが「夢みる薔薇園 イケメン達との甘い駆け引き」というゲームで、渚はこのゲームにハマりまくり課金しなければみれないシークレットストーリーも全キャラクター分買ったほどでした。
ここまでの話の流れでなんとなく想像ついていると思いますが、私がいるこの世界は「夢みる薔薇園」なのです!
前世の記憶が戻ったのはつい最近のことで、流行り病にかかって高熱でうなされていた私は自分の前世を思いだし、この世界が自分の大好きな世界であることに感激して、高熱がでていなければ踊り出すくらいに嬉しかったけれど、次の瞬間には自分の名前を思い出し打ちのめされました。
私ことマリーシャ・アルベルトはゲームの中では悪役令嬢だったのです!
主人公の男爵令嬢は貴族というよりは庶民的で育ちも言葉や立ち振舞い等も庶民的でした。
けれど、貴族社会に疲れ、周りの柵や勝手な期待などにうんざりしていた攻略者達は優しく、貴族社会に染まっていない純粋な主人公に惹かれて恋に落ちていくわけですけれど...
悪役令嬢マリーシャ・アルベルトはそれが気に入らなくて、主人公に嫌がらせというか小言を言っていたのです。
まぁ、普通に考えて自分の好きな婚約者に気安く話しかけて、スキンシップも多かったら伯爵令嬢としても注意しないといけないわけで、マリーシャ的には普通のことだったのだけれど、庶民派の主人公には嫌がらせに感じたようでした。
それと同時期に他の攻略者達に想いを寄せているご令嬢の方々からの物を隠したり、無視をしたりという嫌がらせもマリーシャが指示したことになり、マリーシャは婚約者から卒業パーティーの時に断罪され、婚約破棄、身分の剥奪、しまいには入れば死ぬまで出ることが出来ない塔に幽閉されてしまうのです!
高熱でうなされているのに違う事にも頭を悩ませなくてはいけなくなった私は病が治っているのに一週間も部屋に閉じこもり家族や使用人達にも心配をかけてしまいました。
でも、一週間部屋に閉じこもり考えた結果私がとることは、婚約者とは婚約をせず、他の攻略者とも接触はしない。これしかないと思ったのです!その為に必要なことは傍観者になって関わらないこと。これが大事なのです!でも、影から覗くくらいはしても大丈夫ですよね?だって大好きな世界の大好きなキャラ達が動いて恋模様を描いていくんですもの!見ないなんてできませんわ!
攻略者達と関わらないことは熱が下がってすぐに思いついたのですけれど、主人公がどの攻略者と恋に落ちるのか見たい気持ちと見ているときに知らず知らずの内に嫌がらせとかに巻き込まれててゲームと同じ様になったらどうしようという気持ちで迷っていましたが、でも見たい欲求は抑えきれないし、見ないと断言できる自信もないので見ることにしました。目指せ、傍観者!です!!